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「キレる」を考える<2>

とても驚くべきことであり、また当然のことなのですが、
人間の肉体の根幹部分の構造は、
宇宙の縮図である太極図とまったく相似な形となっています。

人体の根幹は太極図

人体図左側の骨格は、堅い陽性で、
下の尾てい骨の極小から上の頭蓋骨の極大に向かって伸びています。

右側の内臓は軟らかい陰性で、
口の極小から極大の陽性に向けて広がっています。

大きな頭蓋骨そのものは中が空洞になっていて、
その空洞(陰)の中に脳が入っています。
つまり脳が太陽の中の小陰となります。

陽性の腸の末端は肛門で、
ここは人体で最も収縮力(陽性)の強い場所で、
この肛門が大陰の中の小陽となります。

脳と腸はフラクタル

脳と腸は小陰と太陰、同じ陰性の仲間同士であり、
細長く軟らかい管が折り重なるようにしてまとまっているという
きわめてよく似た形(構造)をしているのは、
同じ理合いの元に共通の働きをしているためであると考えられます。


木の実であるクルミは、人間の大脳の形とまるでそっくりです。(フラクタル、自己相似形)

クルミと大脳はフラクタル

クルミを食べると脳の働きがよくなるということはよく知られています。

クルミはα-リノレン酸(ALA)や必須ω-3脂肪酸、さらにフリーラジカルのシグナルをブロックする抗酸化薬として働くポリフェノールを含んでいる。フリーラジカルは炎症反応を増強する化合物を生成する。同博士とBarbara Shukitt-Hale博士による研究で、クルミなどの植物由来の短鎖脂肪酸は、認知機能に対して動物由来の長鎖脂肪酸と同様の有益な効果を持つことが初めて示された。

「分子矯正医学研究所」より

ものの形、構造というものはきわめて大きな意味を持ち、
そのものの性質、本質を表わし、
似た形を持つものは共通した働きを持っているのです。


脳と腸は同じ構造を持ち、小陰と太陰の関係ですので、
主従関係でいえば腸が主で脳が従となります。

これは生命の成り立ちから考えても当然のことでしょう。
原初の生命体は、元々ミミズのような一本の腸管であり、
そこに目や耳、手足が付随してきたと考えられるわけですので、
腸がやはり生命維持の主たる役割を果たすと考えるのが自然です。


私たちは思考というと脳がすべての働きを担っていると考えがちですが、
その理合いから見ると、やはり腸というものの働きを無視することはできません。

植物博士の故三上晃先生は、早くから腸の働きに着目され、
十数年前、こんなことを私に語ってくださいました。
科学的常識を超越した話ですが、
当時の三上先生の言葉遣いそのままにご紹介いたします。

「いや〜サカイさん、腸っていうのはすごいですな〜。

頭で “5” っていう数字を思い浮かべ、
頭のそばの空気をフィルムケースでパチッとふたをして採って、
それをセンサー(リーフ・バイオ・センサー)にかけても “5” という反応は出ないんですが、
お腹の周りの空気を採るとちゃんと “5” という反応が出るんですな〜。
これはもしかしたら人間は、
脳みそじゃなくて腸で物事を考えているのかもしれませんぞ〜。

それと今は脳死とか心臓死とか騒がれてますが、
人間は脳や心臓がストップしても、腸からはまだちゃんと生体反応が出るんですな〜。
人間の死は本当は腸が死ぬ腸死なのかもしれませんぞ〜。

腸は本当になかなかすごいですぞ〜。
腸はやっぱり腸(超)能力を持ってますな〜。
ハッハッハ ・・・ 。


私はその時にはじめて腸というものの大きな働きについて考えたのですが、
それから東洋的生命観を学ぶにつれ、
三上先生の語られていたことの真意が少しずつ理解できるようになってきました。

またこれから医学界の常識を覆すであろうと考えられる画期的理論
千島学説でも、腸の働きをきわめて重要視し、
人体の造血作用は骨髄ではなく腸で行われていると説いています。

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思考とは、考えるとは、一体どういうことでしょうか。
一日24時間、起きている時も、寝ている時も、
様々な思考が頭の中を駆け巡っています。

その思考の中で、誰かと会話を交わしたり、単純な計算をしたり、
そういった表面的な思考において、脳が主たる働きをしていることは、
医学的に考えても間違いのない事実です。

けれども本当の意味での思考とは、そういった表面的なものだけではなく、
もっともっと深い生命の根源から導かれてくるようなものもあるのだと考えられます。

たとえば、ふとデパートに買い物に行きたいと思いつき、
そのデパートに行った時、長年出会うことを望んでいた人と巡り会うという
シンクロニシティー(共時性現象)が起こるかもしれません。

これが本当に偶然ではなく必然の出来事であるとするならば、
その「デパートに行きたい」と思いついたその思考とは、
どこからわき上がってきたものなのでしょう。

またわき上がるというのは、下から上へということですので、
深い思考、またはインスピレーションというものは、
肉体的に下半身に近い方から頭に向って上昇してくるということを
我々は気付いていたのかもしれません。

少し観念的な表現を許していただけるならば、
それはきっと宇宙の深い英知という海の底から、
肉体の下方を通り上に向って上昇してくるようにわき上がり、
表面の意識に現れてきたものであり、
そういった深い場所からの気付き、導きといったものから、表面的な思考まで、
思考とはきっと連続的につながった不可分のものであろうと考えられます。

仏教の唯識(ゆいしき)という思想では、
表面的な意識の下に未那識(まなしき)、阿頼耶識(あらやしき)と続き、
深い仏性の世界へ連なっていると考えられています。

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こういったふうに思考というものを深く広い世界で見つめると、
その思考を司るのは脳だけではなく、
腸が脳以上に大切な役割を果たしているのではないかと推察できるのです。

その証として日本語でも、
人の考えている奥深い部分のことを「腹の底」と表現するではないですか。


けれども今 “思考” と表現したものは言葉が適切ではないかもしれません。
本当は思考とか意識とかを超えた、
もっと広い、目に見える肉体次元以外すべてのものということです。

身体との対話<5>で生命システムの根源は思考を超えたものだと書きました。
またブルース・リーの「考えるんじゃない。感じるんだ」という言葉をご紹介しました。

この生命システムの根源であり、感じる世界、
こういったすべての精神世界、生命そのものの世界、
たぶん思考と地続きであろうこの世界とコンタクトし、日常の生きる力を導く役割として
腸は脳以上に大きな役割を果たしているであろうと考えられるのです。

人間の意識構造を表わす図として、氷山の絵がよく用いられ、
表面意識というのは海の上に顔をのぞかせているまさに氷山の一角であり、
その底にはその何倍もの大きさの潜在意識が隠れているのだと言われています。

氷山

脳と腸との関係もこれとまったく同様です。
表面の意識を司る脳の働きはまさに氷山の一角で、
その底には生命システムの根底からつながった腸が大きな役割を果たしているのです。

もちろんこんなことは科学的に認められているわけではなく、
科学で証明しようにも証明できない世界です。

    科学的=論理的、非科学=非論理的という考え方は大きな誤りです。
    そのことも書きたいですね。
    どんどん本題から遠くなっていきますが ・・・ 。

けれども東洋的生命観から判断し、宇宙の縮図である太極図と照らし合わせ、
このことは絶対に間違いのない真実であると判断しています。

    「キレる」を考える<3>

2008.08.29 Friday
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