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心穏やかに生きる
『幸せはいつも自分の心が決める』
心穏やかに日々過ごせること、
これが幸せの原点であり、幸せのすべてです。
ではどのようにすれば心穏やかに過ごすことができるのか、
それは生涯かけて追い求めるべき最も大切なテーマなのだと感じます。
人間の五官の内の四官は頭部に集中し、
目、耳、鼻、舌、この四つの器官で感じ取った情報をすばやく処理するため、
脳は頭部に置かれています。
この世のすべてのものは他のものと共生し、バランスを保った上で成り立っています。
そのバランスの最も基本となるものは陰陽であり、
頭部にある脳は、お腹の中にある腸ときわめて似た構造を持ち、
対極の性質を示す陰と陽の関係です。
脳は頭蓋骨から背骨を通る中心軸の上端にあり、
腸はその下端に位置します。
脳は四つの器官の近くにあり、腸は遠くにあり、
そして脳は硬い頭蓋骨に囲まれ、腸は柔らかい皮膚の真下にあります。
感覚器官から入った外部からの情報はまずは脳で処理をされ、
それが背骨を通って腸に落とし込まれ、
深い思考、感情となって再び頭部へと戻っていきます。
脳は表面的な情報処理、
腸はより深い感情、思考といったものを司る役割を持っていて、
どちらも大切、ふたつひとつで陰陽の理合いです。
そしてこのふたつがバランスを保って働くがゆえ、
ふたつの中央に位置する胸部、ハートが、それらを統合し、
心のありかとして多くの人が認識するになったのです。
現代人は「頭でっかち」と言われるように、
脳を使うことは得意ですが、
それを深い部分で下支えする腸を働かせることが苦手です。
お腹の部分に締まりがない、
腹式呼吸ができない、
脳と腸との連携を司る背骨を直立させることができず、
いつも猫背で姿勢が悪い、・・・
現代人の身体に、脳と腸との関係性、思考の問題点がハッキリと現れています。
現代人は気ぜわしいと言われますが、
これは思考の働きの大部分が脳に偏ってしまい、
腸の働きが弱まっていることの表れです。
つまり表面的な情報処理に追われ、深い洞察ができなくなっているということです。
心穏やかというのは、
ゆったりとした時間、心の奥から湧き上がってくる深い感情が基になっていて、
そのためには腸が本来持っている働きを発揮することが欠くべからざる条件です。
ですから、腸の状態が人間の感情を大きく左右するというのは、
東洋的生命観からするときわめて当たり前のことであり、
モノをため込むケチな人は、
腸にもモノをため込んで便秘がちになり、
嫌な事があった時は、下痢をしてお腹がスッキリすると、
気分まで晴れやかになる等、
人間の感情と腸との深い関係性は、身近なところで多々見て取れます。
腸の中には１００種類以上、１００兆個以上の腸内細菌が棲息していると言われ、
その細菌の状態によって、人間の感情は大きく左右されます。
そんなレポートを昨年インターネットで見つけました。
＜不安やうつは腸の状態と関係あり、腸内バクテリアが変われば行動も変わる＞
これはきわめて興味深いレポートです。
腸と感情の深い関係性が、ここまできちんと科学的に明らかになっているのなら、
医療や公教育の場で多くの人に健全な腸内環境を整える方法を伝え、
家庭で実践するよう指導すべきでしょう。
有益な腸内細菌を含んだ食品は、
スーパーやコンビニで簡単に手に入れることができます。
他にも腸内環境を整える素晴らしい伝統食品が日本にあります。
それは味噌です。
数ヶ月前、ある実業家の方の講演の中で、
「酵母と酵素が生きたまま入っている生味噌、
これを酵素が死なない４８度以下で調理して食べる、
これが自分にとっての最高の健康法です」
という話をされていました。
これはすごい情報です。
聞いた瞬間にハートがビビビ（！）と反応しました。
良質の植物性発酵食品は、今の日本人に最も欠けているもののひとつです。
そしてそれは腸の働きを大いに助けます。
しかも酵素が生きた状態で摂れれば最高で、
生味噌は『腸の妙薬』とまで言われています。
酵素は一般的に５０度前後で死滅すると言われています。
ですから味噌の酵素を生きたまま取り入れるためには、
いったん味噌汁の具材を煮て、その後温度が少しずつ冷めてくる段階で
生味噌を溶かし込む必要があります。
自分は家で味噌汁を作る習慣がないので、
生味噌をそのままスプーンで口の中に入れています。
生味噌は大きなスーパーなら何種類か並んでいます。
パッケージに “生味噌” あるいは “生詰め” という表記があり、
生きた酵素の働きを助けるため、内蓋にバルブが付いています。
生味噌はそんなに高価なものではありませんので、
是非とも良質のものを手に入れていただきたいと思います。
味噌、醤油、塩、これらはできるだけ自然な製法で作られたいいものをお使いください。
これは腸と関係があるのかどうかは分かりませんが、
オメガ３という不飽和脂肪酸のひとつは、
メンタルヘルスに大きな効果があることが知られています。
以前から栄養補助食品として特におすすめしている亜麻仁油は、
このオメガ３を大量に含み、うつ病やマタニティーブルーに効果を発揮します。
（美肌、アレルギー症状の緩和、ダイエット、記憶力改善、不妊 ・・・ 様々な効能あり）
けれど最近はこのことが広く知られるようになり、
入手が困難になりました。
けれど昨日近所のスーパーに行くと、長らく欠品だった亜麻仁油が入荷していて、
喜び勇んで購入し、昨日から再び摂り始めています。
口に入れるもので人間の心の状態すべてが決まるわけではありませんが、
それが大きな影響を与えていることは確かです。
人類は長い歴史の中で今の肉体の状態を作り上げてきましたが、
ここ数百年、数十年というきわめて短い期間に大きな環境変化を体験し、
肉体はそれに追いつくことができず、様々な歪みが生じています。
健全な肉体を作り上げる上で最も大切なものは食べ物です。
その食べ物を、本来人間が望むべき形のものにするにはどうすればいいのか、
それを考え、実践していくことが求められます。
そのためにも、 “人間本来のあり方” を考える深い思考が必要であり、
やはりどうしても腸の働きが大切になってきます。
これまでの既存の文明を、そのままの形で発展させてきた今までの時代は
『脳の時代』と言うことができるでしょう。
そしてこれから始まる、まったく新しいすべてのものが共生し、
すべてのものの根底を見つめていく時代は、
『腸の時代』と表現するのが適切です。
植物さんの故三上晃先生は、
二十年ほど前からこの腸の果たす大きな役割に言及し、
「しっかりと腸能力を身につけましょう！」
と笑いながら語っておられました。
腸の働きを整え、深く物事を考えることができ、穏やかな心の状態を保ちましょう。
『幸せはいつも自分の心が決める』
2015.5.16 Saturday
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