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2017年11月16日 ・・・ 心の片づけ

日本のトップ企業であるトヨタは、
生産効率が極めて高いことでも有名です。

その高い生産性を上げるひとつの要素が、
整理・整頓・清掃・清潔・しつけ、
いわゆるこの5Sと呼ばれるルールが明確に定められ、
それが徹底して守られているところにあります。

そのトヨタの片づけのルールが書かれた本を数年前に読みました。

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今で言う断捨離のオフィス、工場版といったところですが、
その理路整然と合理的にまとめられたルールは実に画期的で、
学ぶべき点が多々ありました。
これは個人でも応用できるところ大です。

あまりにいい本だったので、
手元の本を、すぐに片づけが苦手な知り合いにプレゼントしました。


最近また別の片づけ下手の知り合いと話をしている中で、
一念発起して自分の事務所も片づけたいと言われるので、
それならば是非この「トヨタの片づけ」をとすすめ、
この機会に自分も再度購入して読んでみることにしました。

このホームページでは、過去何度も繰り返し、
片づけ、断捨離、スペースクリアリングについて書いてきました。
そのお陰で元来まったく片づけが苦手だった自分も
部屋を画期的にキレイにすることができるようになりました。

何事も意識付けと実践、
こんな自分にもできるようになったのだから・・・と、
多くの人に片づけの効用を説いています。


数年ぶりに「トヨタの片づけ」を読み返してみると、
そこに書かれているのはほとんどが既知のことです。
これまで片づけに関する本は数多く読んできましたし、
いつも実践しよう心がけていることの再確認といった感じです。

ではそれらがすべてキチンと実践できているかというと、
必ずしもそうではありません。
『目標は明確にし、紙に書くことが大切である』
ということがよく本に書かれていますが、
それと同様で、片づけの大切さも、
頭の中に漠然としまっているだけではダメで、
それが文字として記されたものを定期的に目で確認しなければ、
深い意識付けと実践には結びつかないということを感じました。

具体的にはこんなことです。
本には、『「使う頻度」で置き場所を決める』、
『よく使うものは、デスクの引き出しや近くの棚に置く』

と書かれています。

これなどは至極当然のこと、
整頓の基本中の基本であって、
いつも意識して実践しているつもりのことであり、
また周りの人に何度も語ったことのあります。

ところが、このことをあらためて文字として頭の中に入れ、
周りのものを見つめ直してみると、
その実践が、ごく身近なところで抜けているということに気がつきました。

細かい文具類を引き出しのたくさんある工具箱に入れ、
本棚の一角に置いています。
それは割と頻繁に使うにも関わらず、
少し下の段に入れているので、
そこからモノを取り出す時にはいつも腰をかがめ、
少し苦しい姿勢を取らざる得ませんでした。

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本の中にはこんなことも書かれています。
『モノを取るときに、体に負担をかけていないか?』
つまり腰をかがめる姿勢は極力取らずにすむよう、
よく使うモノの置き場所を考えようということです。

なぜ工具箱を本棚の下の段にいれようと思ったのか?
なぜそれをもっと取りやすい場所に移そうと思わなかったのか?
今考えるととても疑問ですが、
人間が漠然と頭の中で考えていることには死角があるということなのでしょう。

この改善点に気づけたということは、
まだ他にも改善できる点が残されているということです。
今そのことに胸をワクワクさせながら見直しているところです。


人間の心の中は漠然とした本来形のないものです。
人生目標、行動目標、片づけのルールといった生活・行動指針は、
文字という明確な形を持ったもので律するのが優れています。

形のないものはアナログ、
文字という形あるものはデジタル、
陰と陽、互いの役割を補完し合う太極の関係です。


もうひとつ強く感じたのが、
この『モノの片づけ』は、『心の片づけ』に通じるということです。

このことも過去何度も書いてきたことですが、
数年ぶりに「トヨタの片づけ」を読み返し、
ひとつひとつのモノの片づけの作法が、
そのまま心の片づけに当てはまるということを、
強くリアルに感じ取りました。、

『人はモノを隠したがる』、
『自分にとって都合の悪いものがあったりすると、
 人間は、部屋の隅などに隠してしまいます』


これなどは人間の心の特性にもそのまま当てはまります。
自分にとって嫌なこと、都合の悪いことは、
それを解決できない場合、
忘れ去ろうと記憶の隅に追いやってしまいます。

そして都合の悪いモノに対してこういう姿勢を取る人は、
心の中の思いにも同様の隠蔽作業を謀ろうとするでしょう。

『「使わないもの」「使えないもの」を明らかにする』

部屋にモノがあふれている人は、
壊れたり汚れたり、使い終わった「使えないもの」、
あるいは使おうと思えば使えるけれど、
将来的にほとんど使う可能性のない「使わないもの」であふれています。
そしてそのせいで、本来活かさなければならないものが、
活用できない状態になっています。

頭の中の整理・整頓ができていない人も同様で、
考えても仕方のないことがどうどう巡りをし、
考えなくてはならないことに意識を集中することができません。


上の二つは一例です。
こんな心の気づきを与えてくれるキッカケとなることが、
この「トヨタの片づけ」の中にいくつも出てきました。

形あるものとないものは二つでひとつです。
モノを通して心の状態を顧みることができます。

ひとつのことを学ぶのに、
直接指導、指摘されるのと、
間接的に自ら気づきを得るのとでは、
自ら得た気づきの方がより上質であり、
他のものに応用するための知恵に昇華さすことができます。

心のあり方を説くスピリチュアルな世界が大きく広がっていますが、
直接的にはそれとは関係のない、
モノ、モノの片づけを通して己の心を振り返っていく方が、
より価値があるように感じます。


文字で示されたモノの片づけのルールを定期的に見直し、
それを実践し、
その中で心の片づけをも行っていきたいと思います。

2017.11.16 Thurseday  
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