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2017年10月26日 ・・・ 世界を変えるために

昨日25日、フオーク歌手の遠藤賢司さんが亡くなりました。
70年代のフォークブームの頃に活躍した歌手ですが、
拓郎や揚水、かぐや姫などとは違ってまったく派手さがなく、
名前すら知らない方が多いのではないかと思います。

昨日は、当時の名曲「カレーライス」を何度も何度も繰り返し聴きました。



特に歌が上手いわけでもなく、
曲がメロディアスで印象に残るでもなく、
どちらかというと暗くじめっとした、
聴いていてあまり幸せになれそうにもない曲と歌い方です。

けれどこの地味で淡々とした歌い方が、
当時のアンニュイな雰囲気とマッチしています。
エンケン(遠藤賢司)のつぶやくような歌声が、
あの時代を象徴しているかのように当時の情景を思い起こさせ、
胸に熱いものがこみ上げてきます。

そう言えばアンニュイというのは今ではほとんど死語になってますね。
アンニュイとは、退屈とかだるいとか、
あるいはボーッとしたとか、そんな感じで使っていました。

何気ない日常、その裏に潜む絶望にも似た無力感みたいなものを
エンケンの歌に感じます。
当時は三無主義なんて言葉もありました。

あの当時はアンニュイな雰囲気とともに、
安保闘争などその対極の激しい世の中の動きもありました。
「カレーライス」の歌詞の中の

    どっかの 誰かが パッとお腹を 切っちゃったって
    あは~ん ふぅ~ 痛いだろうにねえ

というのは、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した
三島由紀夫のことです。


あの当時と今とを比べるとどうでしょう。
三島由紀夫の行動を賛美するつもりはありませんが、
あの三島由紀夫が国を憂い、危惧していたことが
今の現実になっているように感じるのは自分だけではないはずです。



今はあの頃と比べると、人々は捨てきれないものを山のように抱え、
現実に目を背ける三無主義ではなく、
現実の表層を真理だと信じ込もうとする、
いわばペルソナ(仮面的人格)を被って生きているように感じます。

北朝鮮のミサイル危機にさらされているとはいえ、
日本の日常は極めて平穏です。

エネルギーや食糧の自給率が極めて低い日本ですが、
それらが枯渇するとはゆめゆめ考えることなどできず、
今の豊かな状態が永遠に続くと信じ込んでいるかのようです。


けれど一歩世界に目を向けると、
各地で勃発する内戦などで、
明日の命をも知れない状況で暮らしている人たちが億の単位で存在します。

今日はシリアで餓死する子どもたちが多数いるということを
ニュースで知り、心痛めました。
  <シリアの封鎖地域で、餓死する子どもたち (AFP=時事) - Yahoo!ニュース>



この赤ん坊の写真、言葉を失います ・・・ 。


スピリチュアルを志す人たちは、ワンネスという言葉をよく使います。
すべてはひとつ、つながっている、だからワンネスです。

ですからこのシリアで飢餓に瀕している子どもたちも、
今はまだ豊かさを享受している自分たち日本人も、
根底はひとつであり、つながっているということです。

つまりこの苦しんでいる子どもたちの現実に目を背けていては、
自分たちも本当の意味で豊かにはなれないということです。


けれど人間一人の力でできることはごくわずかです。
自分が今ここで動いたとしても、
シリアで苦しむ子どもたちをすぐに救うことはできないかもしれません。

けれどすべてはつながっているのですから、
一人一人の思いと行動は、
必ずや世界のどこかに波のように伝わっていくはずです。

一人の力で世界全体を変えることはできませんが、
自分一人、あなた一人が動かなければ、
世界は永遠に変ることはありません。


まずは自分のできるところから行動していくことです。
そこですぐに頭に浮かぶのが、
生命を保つために最も大切なもの、
それがなくて多くの人たちが苦しんでいるもの、
食べものを大切に扱うということです。

与えられた食べ物は感謝していだきましょう。

感謝して食べていれば、自然と噛む回数が増えてきます。
またよく噛んで食べていると、感謝する気持ちも自然とわき上がってきます。
よく咀嚼することは、健康を保つ上でも極めて重要です。
「天城流湯治法」でも、咀嚼というものを何よりも大切にしています。

最近は若い人を中心にInstagramが流行っていて、
インスタ映えを考えて、お皿に料理をたくさん盛り、
写真を撮った後は食べずに廃棄されることが多いと聞きました。
そんなことはもってのほかです。
食品廃棄量は少しでも少なくなるよう努力しなければなりません。

これはこれまで何度も書いてきたことですが、
スーパーで食料品を買う時、
「自分さえよければ」という思いで棚の後ろに手を伸ばし、
消費期限の新しいものを手にしようとするのは、
人間として最も卑しい行為です。

みんなが棚の後ろに手を伸ばすと、
消費期限の古いものが残ってしまい、
大量の食品を廃棄しなくてはなりません。

すべてはつながっています。
そんな自分勝手な思いと行動が、
シリアで飢餓で苦しむ子どもたちを生む原因になっています。
どうかそのことを感じ取ってください。
  <モラルある社会>


繰り返します。
自分一人で世界を変えることはできないかもしれませんが、
自分が変らなければ、世界を変えることはできません。

まずは一歩を、それが何より尊いのです。

2017.10.26 Thurseday  
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