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2016年12月23日 ・・・ お金と幸せ

日本全国すべての自治体に、
福祉関係の活動をする社会福祉協議会というのがあり、
広島市にもそれぞれの区単位で設けられています。

自分は車椅子の人たちを介助する
ほのぼの広島会というグループに属している関係で、
広島市中区の社会福祉協議会のイベントに定期的に参加しています。

今から二ヶ月前、広島市中区社会福祉協議会が開催する
毎年恒例の「なかくボランテイアまつり」があり、
今年は第二十回の記念大会ということで、
そのイベントのビデオ撮影とその後の編集を担当させていただきました。



イベントでは、障害を持つ方たちをサポートするボランテイア団体や作業所が
多数参加し、
車椅子に乗ったり押したり、視覚や聴覚に障害を持つ方たちに対する
器具やサービスを体験できるようなコーナーがありました。

また作業所の人たちが楽しい歌やダンスといったパフォーマンスを披露する
コーナーもあり、様々な障害を抱えた人たちが、
あふれんばかりの笑顔で歌い踊る姿が強烈に印象に残っています。

自画自賛ではありますが(!)、
約二十分間に編集したそのイベントの動画は、
上映したすべての会で大好評だったそうで、
各団体や事業所に配るからということで、
DVDを百枚コピーさせていただきました。 (^o^)v

インドの子どもたちもそうですが、
いい写真や動画を撮る最も大切なポイントは、
そこに写る(映る)被写体がイキイキと魅力的であること、
そして撮る(録る)方が、その被写体に愛情を感じていることです。

その動画をここで公開できないのは残念なのですが、
編集を担当させていただいたお陰で、
みんなのパフォーマンスや福祉サービスを体験する姿を
何十回と繰り返し見ることができ、
障害を抱えて生きることとは、その中にある幸せとは何なのか、・・・
そんなことを深く考えるキッカケとなりました。


障害を持たれた方の、障害の状態や程度が人様々であるように、
心の中もきっと千差万別の思いが駆け巡っていることと思います。

けれど自らの限られた範囲で感じることですが、
ダウン症や知的な障害を抱えられた人の中に、
いわゆる健常者にはなかなか見ることのできにい吹っ切れた笑顔を持ち、
その場その時の喜びを身体全体を使って表現する方たちがおられます。

そんな姿を見た時、凡庸な頭の中では、
「なんで障害を抱えながらもあんなに幸せそうなんだろう ・・・ 」
と感じてしまうのですが、
『幸せはすべて自分の心が決める』
この当たり前の真理を彼らはただ実践できているだけなんだろうと気づかされます。

そして様々な常識や知識に縛られた“健常者”は、
それらが足かせとなり、その真理が目にい入らなくなっているのでしょう。


八年前、初めてインドのホームを訪ねた時もそうでした。
豊かな自然以外は何もない質素の暮らしの中、
子ともたちは輝くような笑顔を持ち、全身で幸せを表現していました。
そのことに衝撃を受け、
「なんで何も持っていないのにも関わらず、こんなに豊かなんだろう ・・・ 」
と感じ、子どもたちを深く見つめた結果、
「何もないのに豊か」なのではなく、
「何もないからこそ豊かになれる」のだということを思い知りました。

これが『足るを知る』、そして『この上ない』世界です。



このことは自分にとってとても大きな気づきでしたが、
きわめて深い真理であるがゆえ、
一度頭に思うだけで簡単に身に付くものではありません。

その初めてインドのホーム訪ねた後、
日本への帰路にマレーシアのクアラルンプールを経由し、
街中にある極めて立派な水族館に入った時、
そのあまりの豪華さ、立派さに、
「この魚たちの姿をホームの子どもたちにも見せてあげられたら ・・・ 」
という深い悲しみのような情が湧いてきて、
自分がまったく物質依存の状態から抜け出ていないことを気づかされました。




今は年の瀬、大掃除、大片付けの時期です。
幸せになるためには、まずは自分の身の回り、心の中に巣くっている
ガラクタや囚われを手放すことですね。

そういったホコリを取り払うことにより、
心の奥に眠っている原石の輝きを見いだすことができるでしょう。


二ヶ月前のイベントをキッカケに、
広島市内中心部にあるパンダハウスというところに
何度か出入りするようになりました。

そこでは知的な障害を持たれた方たちが、
くり川という料亭から提供されるかまぼこ板を材料にして、
いろんな可愛らしい置物やアクセサリーを製作しています。

広島の地元球団 広島東洋カープのマスコット、カープ坊や、
このキーホルダーが一番の人気商品です。



どうですか!! 写真からその細工の細かさがお分かりいただけるでしょうか。
表面だけではなく、裏面も細い筆を使って実に繊細に色が塗られています。
“Carp”という文字にもまったくにじみがありません。

ひとつひとつのキーホルダーは手作りですのでみな表情が異なり、
そしてそのすべてがとてもいい顔をしています。
これはアクセサリーという商品を超えた芸術作品に近いものだと感じます。


再びインドを引き合いに出しますが、
これは三年前、インドのバスターミナルにあるお菓子屋さんで撮ったものです。
たぶん小鳥をデコレーションしたケーキということなのでしょうが、
その飾り付けのあまりの適当っぷりに驚愕させられます。 w(☆o☆)w



こちらはその次に乗り換えたバスターミナルのトイレの蛇口です。
これで補修したことになっているのです。 w(*゚o゚*)w
  (この蛇口にカメラを向けていたら、近くにいたインド人に笑われました)



ここまでひどいものを許容できるというのは、
インドってやっぱりすごい国ですね。 (^◇^;)


話を元に戻しますと、
上のキーホルダー、板をカットし、色を塗り、ニスで仕上げをし、
付属品を付けて包装して、・・・
これら一連の作業は全部で一二時間では終わりません。

にも関わらず!! このキーホルダー、
小さいものがたったの380円(税込)です。 w(*゚o゚*)w

計算していただいてお分かりのように、
この価格では、作業する方の時給はほぼ百円程度かそれ以下です。
こんなことがあっていいのでしょうか!!
こんなことでいいのでしょうか!!

たぶんどこの作業所も似たような状況なのだと思いますが、
貧しく細々と活動しているパンダハウスには、
ホームページ、案内やカタログといった類いのものはほとんどありません。

本当にもったいない話だと思いますが、
時間をかけてひとつひとつの作品を仕上げているパンダ作業所にとって、
今の細々とした状況でも仕事は手一杯で、
なかなか現状を打破する方策が見つかりません。

そこで義侠心(!)を持った自分がなんとかいい方法はないかと
知恵を絞っているところなのです。

パンダハウスの作品をいくつか写真に収めましたのでご紹介いたします。

市販の手ぼうきの柄に手作りのアートフラワーをあしらっています。



こんな筆立てもあります。



これらは飾りの付いた押しピンです。







糸で吊す飾りもの、カープがテーマです。



これは広島で被爆をし、千羽鶴に快復の祈りをこめて亡くなられた
佐々木禎子さんをモチーフにしています。
手や足下にある折り鶴はニスで固められ、小さな二枚の折り紙も見えますね。



後ろには紙をはさめるクリップが付いています。



これは原爆ドーム、こちらもクリップ付きです。



ひとつひとつ手作りだから、オーダーすることも可能です。
広島の府中市上下町はあやめが有名で、こんな可愛いのも作られました。



これは木製の魚を竿で釣り上げる釣りセット、
インドに持っていくお土産用に買ったのですが、
なんと ・・・ 千円です!!
裏にも色が塗られていて、製作はゆうに丸一日以上かかります。



こんな素晴らしい作品を作り出しているパンダハウスです。
もし興味があれば、ご連絡の上ご注文ください。
納期は少しかかるかもしれません。




人間の幸せって何なんでしょう。
お金ってどういうものでしょう。

数百円の利益を得るために丸一日根を詰めて働く人がいて、
また土地やマンション等不動産を介して巨額のお金を手にする人もいます。

わずかな食料もなく、
飢えで生命の危機に瀕している人たちが今も地球上には何千万人もいて、
かたや日本では難病の子どもを救いたいと呼びかければ、
短期間で億単位の善意のお金が集まります。

:現在の世界の総資産ランキングトップはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツで
約9兆1000億円、
それから以下世界のトップの資産家上位62人の総資産額は約180兆円、
これは全人類の下位半分、36億人分の資産に相当します。


『幸せは自分の心が決めるもの』
己の心が決める幸せを、数字で定量化することはできません。
それを定量化できると信じ、
他人と比較するところから苦しみが始まります。

年の瀬を迎え、生きる上で最も大切な原点を見つめています。

2016.12.23 Friday  
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