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2016年10月1日 ・・・ デジタル疲労

普段家にいる時は、パソコンの情報を映し出す二台のディスプレイと向かい合い、
その灯りが消えることはあまりありません。

ここ数年は大好きな音楽鑑賞ももっぱらパソコンからで、
最近はあまりパソコン依存症になってはいけないと感じ、
意図的にパソコンをスリープにすることも多いのですが、
ここから脱却するのは容易ではありません。


パソコンは日々進化をし、
昔と比べるとトラブルが少なくなったとはいうものの、
それでも不具合が出ることは日常茶飯事で、
そのたびに頭を悩ませています。

パソコン機器では摺動部の多いプリンターのトラブルが圧倒的に多く、
インクがかすれたり、紙がずれたり、からまったり、
まったく目を離すことができません。

また純正のインクはとても高価なので互換インクを使うと、
それがかすれの原因となったり、
メーカー保証が効かなくなったりして、
コスト、印字品質、トラブル頻度を考えると、
何を選択するべきかはとても難しい問題です。

つい最近も、数年間愛用していたプリンターのインクがかすれ始め、
いよいよ修理しなければ使えないところまでいったのですが、
保障期間の過ぎたプリンターを出すのはコスト的に非現実的であり、
また新しいプリンターを買うと
予備においてある手持ちのインクが無駄になってしまいます。

さらには最近のプリンターは、ほとんどの機種で背面給紙ができず、
封筒の宛名印刷できません。
かと言って背面給紙のできる安い機種は、
印刷品質が劣るしスピードも遅く、
さらにはコピー機能も複数枚数の設定ができない等いつくかの問題があります。

本当にここ一二週間は、
夜も夢に出てくるほどプリンターのことで頭を悩まされました。


パソコントラブルは、
自分の経験や知識が不足していることで起きているのなら、
ネットを参照するなりして自分で問題解決できますが、
ハードやソフトのどこかに不具合があると思われる場合、
その原因箇所を特定し、解決に導くのは極めて困難です。
これは細かく書くと難しいので簡単にご紹介します。

今悩んでいるのはiPad(iPad Air)の操作です。
先月iPadのOSが、iOS10として大幅に機能進化しました。
その中に、写真のアルバムを人物ごとに整理する
「ピープル」という素晴らしい新機能があり、
iPadに入っている主にインドの子どもたちの写真二万枚近くを、
顔認識機能を使い、丸二日間ほどかけてすべてをスキャンしてくれました。

今の顔認識機能は驚くほどの高精度ですが、
それでもやはり完璧ではなく、
手作業で何名かの選んだ子どもたちの顔写真をピックアップし、
その子用のフォルダーに入れるという作業をしました。

これは楽しい作業ではありますが、
あっという間に数時間が経つ手間のかかるものでもあります。

ところがiOS10かiPadか、
はたまた写真が想定外に多いということなのか、
どこに原因があるのか分からないのですが、
途中で同期させているパソコン内の写真をほんの少し入れ換えたりするだけで、
そのピープル内のフォルダー分けされた写真の多くが
めちゃくちゃと言っていいほど乱れてしまうのです。

その結果、スキャンしている途中でiPadを二度も初期化する羽目になりました。
そして完全にスキャンした後も、
これはつい一昨日のことですが、少し同期させる写真を増やしたところ、
またフォルダー分けがおかしくなり、
せっかく選んだ写真の多くがどこかに飛んで行ってしまいました。

こんな説明、ほとんどの方には意味不明だと思いますが、
とにかく考えられないような不具合が起こりえるということです。


最近では他にも、8月はじめにWindows10のメジャーアップデート、
Windows 10 Anniversary Update がリリースされましたが、
家で使っているパソコンは、
アップデート後にWindows Update ができなくなるという致命的不具合が発生し、
半日以上かけて対策を講じても解決せず、
結局アップデートをした後に旧バージョンに戻すという作業を三回もしました。

どうもOSをSSDに入れているパソコンは、
Anniversary にすると様々な障害が発生しているようです。

本当はまだ他にもソフトの問題等いろいろあるのですが、
パソコンと関わっている限り、
こういったトラブルと無縁になることはできません。

そしてパソコンというデジタルの世界に於けるトラブルは、
人間の神経を根底から疲れさせるように感じます。


人間の身の回りの目に見える世界、自然界というものは、
本来は連続的に変化をするアナログの世界です。

アナログとは、針の付いた時計のような連続して移ろうもののこと、
白黒ハッキリつけられないあいまいなもの、
少し前の言葉で言えばファジーな世界です。

それに対して目には見えないミクロの次元にあり、
極めて大切な生命の暗号遺伝情報を
子孫に伝達するための遺伝子DNAは、
四つの塩基で構成されたデジタルの世界です。

アナログ、デジタル、どちらも特性と役割があり、
情報を何世代にも渡って正確に伝達するという意味では、
白黒ハッキリつけるデジタルが優れた特性を持っています。

そして現代は情報化社会、効率を追い求める社会ですので、
パソコンに代表されるように、
目に見える世界のデジタル化が急速に進んでいるのです。


人類を人類たらしめる言葉やそれを表す文字というものも、
本質的には完全なるデジタルの世界ですが、
話し言葉には声質、イントネーション、速度、
また話す人の表情や動作、服装、・・・、
文字にも使う筆記用具やひとつひとつの字の形等
様々なアナログ要素が加わります。

その点でも現代では目にする文字のほとんどが活字であり、
ディスプレイ上の文字であり、
電話や直接会って話をするよりもメールやLINEといった形で、
やはりここでもデジタルな世界へと進む一方です。


身の回りの世界でデジタル化が急速に進んでも、
長い人類の歴史で培われてきた人間の感性は急激に変わることはできません。
デジタルに関わることによって生じた疲れはなかなか解消できず、
心と体の中に蓄積されていってしまうばかりのような気がします。

肉体を酷使した時の疲労は、
時間とともに自然に回復していきます。

通常のアナログ的な精神、知的疲労も、
これも時間をかけたり、
あるいは体を動かすことによって、
肉体の回復力に引っぱられるように回復していきます。

デジタル疲労は、言葉で表現するならば。
頭や心の底に、澱(おり)のように降り積もっていく、
そんな感覚があります。

女性の化粧で例えるならば、
アナログ疲労は雨や汗で顔の化粧が崩れるようなもの、
華やかな顔が少しずつ貧弱になってしまいます。
それに対してデジタル疲労は、
分厚い化粧の層がひび割れて、顔全体が歪んでいってしまうという感じです。
一見するとあまり変化がないようですが、
よく見ると根本からおかしいのです。
あまりいい例えではないですね ・・・ ・ 。


そんなデジタル疲労も、
現代社会の恩恵に浴して生きていくためには、
なんとか解消していく術を身に付けなくてはなりません。

今はそれをあまり意識することなく放置しているがゆえ、
経済が豊かになっても心は豊かになれない社会になったり、
異常な犯罪が多発する大きな原因となっているような気がします。

これらはそれがすべてではないにしても、
大きな要因であることは間違いないでしょう。


デジタルが原因で生じた問題は、
そのデジタルに関わる量を減らすか、
あるいは対極にあるアナログとより積極的に関わっていくのが根本的な解決です。

パソコン、スマホ依存から脱却し、
ながらでネットサーフィンやSNSをする習慣を断ち切る。
究極のアナログである自然と触れ合う機会を増やすということです。

自分がインドのホームにいる時は、とても心が解放され、
究極の幸せを感じます。
明るい子どもたちといると、インターネットとまったく触れない日が続いても、
それでストレスを感じることはありません。

また南インドは自然豊かです。
そこにある自然とは、ただ単に緑が多いということではありません。
村では赤ちゃんからお年寄りまでのんぴりとした姿で一日過ごしていて、
たくさんの動物が人間とともに暮らし、
身近なところに果実の木や畑があり、それで日々の糧を得ています。

本当の自然とは、生命の営み、
食やエネルギーの循環が身近なところで感じられることであり、
公園にきれいな花が植えられたり、
山に針葉樹がたくさん植林されていることではないのです。

日本にいては気づかないそんなことを、
インドに行くといつも教えてもらいます。

その気づかないということも、
日本のデジタル化、効率化した社会から受ける弊害なのでしょう。


生命の循環、循環とは移ろい変化していくこと。
諸行無常、永遠に形の変わらないものはこの世にひとつもありません。
変わるからこそ環境に適応し、進化することができます。
これがアナログの特質です。

遺伝子情報DNA、生命の情報は、変化しないからこそ、
それを正確に後世に伝えていくことができます。
膨大な情報量に長い時間の旅をさせるには、
デジタルの持つ正確性が欠くことのできない役割を果たします。

アナログとデジタル、どちらもともに大切であり、
今は急速な変化の中、その “塩梅” が崩れてしまっているのです。


話を元に戻しますと、
デジタル疲労から逃れるために、
できるだけデジタル機器から離れる時間を保とうと考えています。

具体的には、パソコンから離れ、
読書の時間を増やしていくようにしています。

インターネットには膨大な情報にあふれ、
自分の興味のある様々な事柄を簡単に知ることができますが、
最近強く感じるのは、
ネットで知るものと読書から得られるものは、
感覚的に大きな違いがあるということです。

これも言葉で表現するのは難しいですが、
受動的なネット視聴に対し、読書はより能動的であり、
それゆえに目的意識がより強く、
自らに活かせる形で知識が身に付くように感じます。

強いて言えば、読書の方がよりアナログ的なのかもしれません。

それに加えてつい最近あるとてもいいことを知りました。
それは、名作と呼ばれるような偉大な小説を読むと、
EQ(心の知能指数)がアップするということです。
  <文学小説を読むとEQが上がるという研究報告が相次ぐ | ライフハッカー>

言われてみれば納得できますが、
これまで考えたこともありませんでした。

文学作品、特に古典と呼ばれるものは、
遠ざかってから久しくなります。

このことを知ってから、心の中に隠れていた渇望感のようなものがうずく感じです。
EQを高めるために文学を読むというのは功利的な気がしますが、
今の自分の心はそれを求めているので、
週一冊ぐらいのペースで読んでいこうと考えています。


外に出て、自然と触れ合うことも大切です。
以前は毎週のように山に登っていたのに ・・・ 、
これは月に一回山登りということを“努力目標”にしたいと思います。

取りあえずは、長らく机のそばに緑を置いていなかったので、
今日早速ポケット観葉植物を買ってくるつもりです。


素敵な絵を見るのも疲れた心を癒やしてくれますね。
昨日、ある聡明な女性が、
パソコンを長時間視て疲れた後は、
アキアネという天才少女の絵を見て心安らげると話してくれました。

アキアネという女の子のことをネットで調べてみると、
四歳の頃から啓示を受け、
頭に浮ぶインスピレーションによって、
数多くのスピリチュアルアート、ヒーリングアートと呼ぶにふさわしい
素晴らしい絵を描いています。
  <少女画家アキアネ・クラマリックの神秘的な絵画の数々 - NAVER まとめ>

  <『インディゴ、クリスタル・チルドレン~アキアネ・クラマリック』 - YouTube>

天才少女画家 アキアネ
  9歳の時に描いた絵 JOURNEY (Age 9 - 2004)

天才少女画家 アキアネ
  16歳の時に描いた絵 THE SWING (Age 16 - 2011)

彼女のような子どもをインディゴチルドレンというのでしょう。
彼女は天から受ける絵のインスピレーションを
「神様からのギフト(贈り物)」と語っていましたが、
彼女の存在そのものがまさに神様からのギフトのように思えます。


今から半世紀近く前、70年安保闘争で若者たちに活気があった時代、
寺山修司の『書を捨てよ町へ出よう』という本が映画や舞台にもなり、
話題となりました。
きっとその時代の世相とマッチしていたのでしょう。

今その言葉を借りるならば、
『デジタルを捨て、アナログ、自然に還ろう』
ということになるのでしょうか。

アナログ、デジタル、どちらも大切であり、
この二つといい関わりを持てない限り、
新たに開けるであろう素晴らしい時代を迎えることはできません。

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2016.10.1 Saturday  
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