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2016年7月14日 ・・・ ひとつひとつの蓄積

前回更新から十日も日が空いてしまいました。
もっと頻繁にいろんなことを書きたいと思うのですが、
なかなかそのための時間を取ることができません。
残念でもあり、また有り難いことでもあります。

この間もいろんな人と出会い、いろんなことを知りました。
たくさんの人やものとの出会いがあるからこそ、
逆に、その中から数少ない大切なものを選び出し、
それらをしっかりと心に留めておきたいと考えています。

人やものとの出会いでも、また家の中にある様々なものでも、
たくさんあればあるほどいいというものではありません。
たくさんあり過ぎると、本当に大切なものは何かが分からなくなり、
またひとつひとつのものの有り難さを感じられなくなってしまいます。

『唯(ただ)足るを知る』、
これはインドの貧しい子どもたちから教えてもらった大切な智恵であり真理です。

ものが豊富にあることが悪いのではありません。
豊富にあり過ぎることにより、
“ものがたくさんなければ幸せになれない” という誤った切迫感を抱くようになり、
『極めて質素な暮らしでも、人間は幸せに生きていくことができる』という
“真実” が頭から消え去ってしまうことがよくないのです。


この時空の基本構造は陰陽二つのバランスであり共生です。
ひとつのものの真理を見つめるためには、
その対極を知ることが何より大切です。

たくさんのものやお金に囲まれて幸せを得たいなら、
お金がなくても人間は幸せに生きられるという真理を
深く感じ取らなければなりません。

人間関係でも同じです。
どんなに素晴らしいと思える人でも絶対ではありません。
必ず自分と合わなかったり、欠点と思えるところがあるはずです。

ですから心から尊敬する人と上手くお付き合いするためには、
その人の欠点と思えるところを見つけ出し、
それを認識し、許容しながらお付き合いすることです。

相手を完璧だと思い込んでしまうと、
自らの価値観、判断力をなくしていまったり、
最終的にその人に深く失望してしまうこもあるでしょう。

この世は太極のバランスであり、
いいも悪いもみんなごっちゃに持っている。
これが真理であり、
そう感じて生きていくのが気楽で楽しいのです。


今はたくさんの情報があふれていて、
人との交流もネットやSNSを通して、
数十年前とでは比較にならないほど密になりました。

だからこそ、密に対する “疎” 、これを意識することが大切です。
ガラクタを処分する断捨離、
過食を慎み、命(エネルギー)のあるものを少量、よく噛んでいただく、
本を読んでもネットを見ても、
ものすごいスピードでたくさんの情報が目の前を通り過ぎていくからこそ、
その中からほんの少しの大切なものを選び出し、
それを食べ物をよく噛んで体の中に入れていくように、
自らの知恵としてしっかりと取り込んでいくことが大切です。

具体的には、本を読んでも、
また一時間程度の人の話を聴いた時でも、
そこから入ってきたたくさんの情報の中で、
本当に自分に活かせるものは何か、
実践できるものは何かを探し出し、
たったひとつでいいので、それを確実に身に付けるということです。

世の中にはビックリしたり、感激、感動するようなエピソードが
山のようにあふれています。
そして山のようにあり過ぎるがゆえ、
それらすべてを目の前で素通りさせ、
ひとつも心の奥に留めおくことができません。

ここで言う “心の奥に留めおく” とは、
感激、感動ではありません。
実際に、それ以降の行動やものの見方が変わっていくということです。

どこの地方にでも、講演会、セミナー、勉強会、
あるいは異業種交流会が大好きで、
いい話を聴いて大いに盛り上がり、
たくさんの人と名刺交換して喜んでいる方がおられると思いますが、
それは実にもったいないことだと感じます。

本を一冊読んだり、講演会に一回参加するためには、
最低千円から数千円、時間も数時間は要するでしょう。
それだけの費用と時間を使ったならば、
その元をとらなければ損だと思います。

けち臭いと感じるかもしれませんが、
スティーブジョブズも、
『Stay Hungry. Stay Foolish.』(ハングリーであれ。愚かであれ)
と言っています。


いい話を聴くことが単なる趣味ならいいのですが、
もしそうではなく、
そのいい話を自分自身に活かしたいのなら、
その中からたったひとつでも自分にとって役に立つものを見つけ出し、
それを活かしていくことです。

見つけ出すものはたくさんでなくても構いません。
いいと思えることをノートにびっしりと書き込んでも、
書き込んだだけで実践できなければ意味のないことです。

一冊の本、一回の講演会、
その中でたったひとつ、それを見つけられただけでも大収穫です。
そのひとつのことをその時以降ずっと実践し、
心の中に留めおけたなら、
その本や講演会と出合った価値は十分に取れるはずです。


そしてその心に留め置きたいものを活かしていくためには、
そのことを忘れないために記録しておくことが必要です。
情報の蓄積ということです。

よくパソコンのトラブルでいろんな方のお家や会社にお伺いするのですが、
重要なIDやパスワードといったものを、
きちんとひとつのところに記録しておられる方が少ないのに驚かされます。
どこか手近にある適当なノートや用紙に書き、
それをいろんなところに分けて置いているので、
いざという時にすぐに出てこないのです。

大切なものはそんなにたくさんありません。
自分にとって大切と思えるほんのわずかなことでも、
それを実践できたら素晴らしい宝物になります。

それをすぐに分かるよう、いつでも読んで振り返られるよう、
ひとつのところにきちんと記録しておくのです。


自分の場合、それらの情報を、
A5版のシステム手帳に記録していくようにしています。
通常の手帳よりも少し大きめですが、
いろんなものを挟み込め、
ページを自由にレイアウトし、順序も随時入れ換え、
少しずつ内容の充実したものへと作り上げていくことができます。

すべてのものはフラクタル(自己相似形)、
この手帳こそ自分の人生を凝縮したものだと考え、
この手帳を素晴らしいものに仕上げることが、
己の人生を実り多きものにする鍵だと考えています。

けれど実はそんなに重苦しく考えるほどのことではないのです。
大切なのは、まずは今何を考え、何に向かって進んでいくか、
そのことが明確な指針として示されていればよくて、
それはそんなにたくさんのことでなくても、
ほんの少しのことで十分に価値があるのです。

それは逆に言えば、
どれだけ大切と思えるようなことでも、
頭の中だけで漠然と考えているだけでは、
ほとんど実践に移すことができず、
うやむやのまま終わってしまうことが多い、
あるいはほとんどだということです。


実際、ここで書いていること自体も実に簡単で、
かつ誰でも言われてみれば当たり前ということです。

・ 本を読んでも人の話を聴いても、
  確実に自分のものにしたいと思えることを、
  たったひとつでいいから探しだし、自分のものにする。

・ そのために、そのことをきちんと記録をする。
  記録したものをいつでも読み返せるよう、
  それ用のノート、手帳などを作る。

ただこれだけのことです。


大切なもの、真理は実にシンプルです。

『唯(ただ)足るを知る』、
これはすべてのものに通じる真理です。

2016.7.14 Thurseday  
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