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2014年4月11日 ・・・ 実在の時

インドから帰ってきて、心身ともに不調の極みを体感し、
ようやく復調してきたと思ったら、
再度のインド行きまであと二ヶ月となっていました。

次回は三ヶ月半と長い滞在となりますので、
渡印までに済ませておきたいことがたくさんあり、
今はそれを最大の目標とし、
日々目の前のことを着実に片付けていくことに追われています。

一日に与えられているのは二十四時間、
時間というのは限りなく貴重です。
人生は選択の連続であると言われ、
その選択のひとつひとつの積み重ねが人生そのものであり、
それはまた時間の使い方の集積であると表現することもできます。

人は誰にでもいいところと悪いところがあり、
  (究極的には善悪はないのですが ・・・ )
自分にとって最大の欠点は怠け者であるということです。

これまでの人生でどれだけ膨大な時間を無駄にしてきたか、・・・
そのことを考えると後悔してもしきれないのですが、
“すべてに無駄はない” という考え方でいけば、その無駄と思える時間も、
また何かの役割を果たしているのかもしれないと最近は納得しています。

人間の肉体的寿命は平均百年弱ですが、
その根底にある魂は永遠であり、
その魂の存在をこれまで生きてきた中で何度も体感し、
また己の特性として、その魂の方向にどうしても意識が向いてしまうため、
今世限りの肉体的寿命や年齢というものに、
普通の人ほど深い意識や執着をおくことができません。

だからのんびりとした怠け癖があるとは言いませんが、
人生の諸問題に対してあまり普通の人が持つような切迫感はなく、
脳天気な楽天家だと見られる一面があるのは確かです。

けれど生き方や考え方には独自のポリシーを持っていて、
それを守るためには損得抜きで頑なになるという面もあり、
人の性格というのは簡単に語ることはできません。


ネットでやり取りをしている人、
また身近で懇意にしている人たちからも、
几帳面な一面はよく理解していただけるのですが、
その裏にある怠惰な面はよく見えていないようです。

そんな怠惰な人間ではありますが、
最近は時間を効率的に使い、
日々着実に物事をやり遂げるという習慣が少しずつ身に付いてきました。

習慣は長い目で見なければ定着したかどうかは見極められないのですが、
帰国後心身ともに相当落ち込んだので、
そこから回復しようと心がけ努力したことが功を奏したのだと感じます。
谷深ければ山高しです。

また落ち込んだ原因が、
インドで与えてもらった体験によるものですので、
それが最終的にマイナスになるはずがありません。
これは一種の好転(メンケン)反応です。


ケイタイ電話を持つようになって十数年、
ケイタイには時刻表示機能が付いていますので、
ケイタイを持ってから腕時計をはめたことはほとんどありません。

けれど外国にいる時はケイタイを持ち歩かないので、
インドでは安物のデジタル時計を左腕にはめるようにしていますが、
それがわりとゴツいもので、
インドではいつも違和感を覚えています。

腕時計は時間を知るだけではなく、
常に現在時刻を意識し、
時間を有効活用するためにも大切であるということを少し前に何かの記事で読み、
いつか腕時計を身に付ける生活ができればと漠然と考えていました。

そしてこのたびインドに再び行くということもあり、
アマゾンでたまたま見かけた超安価で評判も高い腕時計を買いました。



これまでいろんな腕時計を使ってきましたが、
これほど軽く、付けているのを忘れるほど腕にフイットするものは初めてです。
なかなかのデザインで文字盤も見やすく、
クオーツで防水機能があり、価格が千円以下とは信じられません。
  (以前のデジタル時計は45グラム、この時計は20グラムです)

たまたま今このタイミングで腕時計が手元に来たというのは、
時間に対して自らの意識を変えようとする内からの願望が
引き寄せたように感じます。


最近この二冊の本を読みました。

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この二冊の本は極めて平易な言葉と面白おかしい表現で、
深い真理がとても分かりやすく説かれていて、
腑に落ちる箇所がいくつもありました。

『時間というのは今しかなく、過去も未来もない、
 時間というのは今現在の連続体である』

この概念はこれまでいろんなところで述べられているものですが、
この本の中にもそのことが書かれていて、
このたびこの本を読み、この概念の真意をやっと理解することができました。


今というのは現在体験しているリアルな世界、
それに対して過去や未来は、実在しない概念の世界、
これは互いに異なる次元のものであり、
これらをひとつの流れの中で解釈するところから誤解が生じます。

思考の流れはふたつある。
「いま、過去(記憶の記録)を参照する」という流れと、「いま、未来(予測や恐れ)を思い描く」というものだ。
そして「時の流れ」という概念は、この枝分かれした二つの間を結んで生まれる。
時の流れは、思考の次元においてのみ存在するもので、そこに「いま」は含まれない。
意識が「いま」というゼロポイントと完全に一致していると、「時の流れ」は消失する。
その意識状態が、いわゆる「さとり」と呼ばれるものだ。

「いまを生きる」というのは、「まじめに生きる」ということでも、「勤勉に生きる」ということでも、「誠実に生きる」ということでもない。
観念によって固められた世界から脱して、あるがままの世界を生きるということだ。
その意識状態が身についていくほど、人生は因果を超えて大きく変わり出す。

「原因と結果という枠を超える」 ~
~ 「原因」も「結果」も、「時間」という概念の中にあるだろ。
「時間の流れ」という概念が崩壊すると、同時に「(概念上にある)原因と結果の法則」が崩壊するんだ。


これはまさに目から鱗が落ちるような言葉でした。
夢想することが大好きな自分にとって、
過去や未来はとても興味深い対象であり、
その実在しない過去や未来を思い浮かべると同時に、
それに伴って生じてくる様々な感情や思考が頭の中を占め、
最も大切であり、唯一の実在である現在に目が向かなくなってしまうことが
自分にとってよくある思考パターンになっていました。

感情に囚われるのは今を生きていないから。
また今を生きることができないから感情に囚われてしまうと言うこともできます。

このことに気づけたのもやはりタイミングであり、自分にとっての旬だったのてしょう、
これによって「今」により強く意識が向くようになり、
自然と湧き上がってくる様々な感情を、
以前よりも穏やかに沈めることができるようになりました。

今を生きる、今を感じ、意識するということは、
今この瞬間、最も身近な存在である自分自身、
その内面を意識することにも繋がります。

今この瞬間の内面を意識することにより、
身の回りで通り過ぎる様々な事柄はすべて自らが生み出したマーヤ(幻想)
であるという感覚がより強くなってきます。
そして唯一の実在である己の内面が主体としての輝きを増してきます。

毎日呼吸法を実践し、丹田(下腹部)を鍛え、
お風呂の中では約二千回肛門を締める運動をしているのですが、
これは肉体的中心力を鍛錬するものであり、
このことは精神的には内面を深く見つめることに通じ、
今という唯一の実在であり、時間的中心点でもあるこの瞬間に
意識の重きを置くためのものでもあるということが、
今はより深く理解することができます。


瞑想を体験された方ならよくお分かりだと思いますが、
頭の中に勝手に思い浮かんでくる雑念を、
一瞬でも消し去ることは至難の業です。

過去や未来に心を馳せ、実在しない世界を思い描き、
頭の中はいつも無数の雑念によって満たされています。

この雑念を消そうと力んだとしても、
その消そうという思い自体が一種の雑念なのですから、
思考によって無念無想の境地には到達し得ないのです。


ジル・ボルト・テイラーという脳科学者は、
脳卒中を患い、そこから回復することにより、
脳の専門家自らが自らの体で脳の機能破壊、回復を体感するという
希有な体験をしました。

奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)
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彼女は脳卒中で左脳の機能が麻痺した時、彼女の脳は、
これまで当たり前にできていた文字の読み書き、計算、音声を発すること、
そういった一連の論理的機能の大部分を失いました。

けれどその時に左脳から発せられ、
それまで頭の中を支配していた感情的な思考、おしゃべりも沈黙をし、
右脳による深い心の内なる安らぎを体感します。

心は静まり、すべてのものが繋がりを持って存在するという事実を体感し、
「今」と「ここ」、その実在の瞬間にのみ自らが存在する、
そんな宗教的体験、悟りともいえる境地に到達したのです。




ガラクタを処分する断捨離、感情を手放す、
食生活を正す、ヨガ、気功、瞑想をする、自然と触れ合う、・・・
これらすべてのことが、究極的に目指すところはひとつです。

その目指すべきところ、
それを表現するひとつが、唯一の実在である『今を生きる』ということです。


雀鬼 桜井章一の生き方や考え方が好きで、
手元にある数冊の本を繰り返し読んでいます。

ツキの正体―運を引き寄せる技術 (幻冬舎新書)ツキの正体―運を引き寄せる技術 (幻冬舎新書)
桜井 章一

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今日読んでいた「ツキの正体」の中に、桜井氏が懇意にしている
400戦無敗の格闘家ヒンソン・グレイシーの言葉がありました。

ほとんどの人は『今』をキチンと過ごしていないように思う。
過去を振り返って、くよくよしたり、将来のことを考えて不安に悩んだりしている。
なぜ今をもっと大切にしないのか。


そして桜井氏自身はこう述べています。

「今」は過去にも未来にもありません。
だからこそ、「今」が大切なのです。

~ 遊んでしまいましょう。
   目の前の課題をゲームと考えて、「今」を楽しく過ごすように ~



己の内面、今というこの瞬間、
最も尊い究極のゴールは最も身近なところにある、
人生という “ゲーム” はとても面白くできています。

そのゲームをしっかりと楽しみましょう。

2014.4.11 Friday  
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