温故知新現象
人生の変わり目は突然にやってくることがあります。

進学、就職、結婚といった前もって予測できる外部環境の変化もあれば、
突然の事故、トラブル、降って湧いたようなチャンス、
また外からは分からないものの、
周りの人の言葉、あるいは感銘を受けた本などによって心境が大きく変化し、
その人にとって周りの目に入るものすべてが新鮮に映るといったことがあるかもしれません。

変化(進化)は突然にやってくる。
これは生物が突然変異によって階段状に進化してきたのと同じく、
宇宙のすべての事象に共通した変化の一般的様相ではないかと考えています。
  (クラス進化論 ・・・ 仮説ですが)

もちろん突然、階段状とは言っても、
目に見えない内面的世界では変化が徐々に現われていて、
それが表面化するのが一気に突然という形をとるのでしょう。
病気に潜伏期間というのがあるように、
また大きく膨らませすぎた風船が一気に爆発ししぼんでしまうように。


通過儀礼(イニシェーション)という言葉があります。
オウム真理教が使っていた用語として世間で有名です。

進学の際は入学式、就職は入社式、結婚は結婚式、
生まれてすぐのお宮参り、七五三に始まって人生には様々な通過儀礼がありますが、
これら目に見える形のある変化に対する通過儀礼だけではなく、
目に見えない、心の中が大きく変化する際にも、
きちんと外的変化としての通過儀礼があるのではないかと考えています。

それは純粋に自分自身の体験からきています。
私もこれまでの人生で大きな波のような変化を幾度も経験してきました。
私の人生はまさに波瀾万丈ですので、
その変化の波の振幅、ピッチは普通の人よりも大きいものと思います。

その変化にさらされた時、
面白いようにひとつの現象が起るのです。

人は死ぬ間際になると、
突然これまでの人生における様々な場面が走馬燈の如く
頭の中を駆けめぐるといいます。

4122037662死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)
エリザベス キューブラー・ロス Elisabeth K¨ubler‐Ross 鈴木 晶
中央公論新社 2001-01

by G-Tools

これはなんとか死を回避しようとし、過去の記憶の中にその手段を探し求める
本能なのだとか・・・。

私の過去の人生における大転換期にも、
これと同様、頭の中を駆けめぐるわけではありませんが、
過去の記憶を呼び覚ます出来事が次から次へと立て続けに起るのです。

街を歩いていると昔懐かしい知人とバッタリ出くわす、
たまたま開いた本に懐かしいことが載っている、
用事があって出向いた先、その途中に以前よく足を運んだ懐かしい場所を通りかがる。

ひとつひとつは偶然とも思えることですが、
これがいくつも重なり、
またこのことが起るのは必ず外面的、内面的に何か大きな変化を迎える直前のことから
これはひとつの法則であろうと確信するに至りました。

そしてこれをちょっとださい言葉ですが、
いつしか自分の中で“温故知新現象”と呼ぶようになりました。

周りの人たちに同じようなことが起っているのか確認したことはないのですが、
変化の前に過去を振り返るというのは、
歴史においても同様のことがありますので、
すべての事象、生命体共通の法則性だと確信しています。

文明法則史学の東西800年サイクルにおいて、
滅び行く文明は、転換期直前に民族紛争を多発させ、民族大移動をし、
いったん大きくその文明を崩壊へと導き、
その後新たな文明創造の準備をします。

これは一種の禊ぎ(みそぎ)とも言えるでしょう。
古い衣を脱ぎ捨てなければ新しい衣を着ることはできない。
古い衣を脱ぎ捨てる際には、過去のすべてをしっかりと振り返り、清算しなければ、
新たな進化の段階に立つことはできない。

とても深い真理です。

最近出版された素晴らしい本です。
人生の禊ぎをする方法を分かりやすく説いてくれています。

4862800165すべての「結果」は引き寄せられている―運命を決める「牽引の法則」
澤谷 鑛
総合法令出版 2007-06

by G-Tools

2007.9.10 Monday


ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ