南インドの孤児たちが暮らすセント・ボニフェス・アンバハムの4つのホームがある
インド最南端タミルナド州は、一年中温暖な気候で、
きれいな花や果物が豊富にあるとても自然環境に恵まれたところです。
どのホームもたくさんの木々や植物が生い茂る広い敷地の中、
子どもたちが暮らすコテージ(宿舎)があります。
南インドでもっともポピュラーな果物は椰子の実(ココナツ)で、
どのホームにもたくさんの椰子の木があります。
ココナッツの他バナナ、マンゴー、パパイヤ、・・・
普段日本では目にすることがないような果物までたくさんあり、
子どもたちはそれらを自由に採り食べていました。
子どもたちは、決められた行動表にそって毎日規則正しい生活を送っています。
朝はまだ暗いうちから起き、掃除、水浴び、洗濯などの身の回りのことを自分たちだけで行っています。
南インドは年中暑いので、一年を通して水浴びをすることができます。
こんな小さな子どもたちでも身の回りのことを自分たちでこなしていました。
ホームは、キリスト教に基づいた教育が行われていて、
朝夕の決まった時間に全員礼拝堂に集まり礼拝をします。
子どもたちの食事は炊事をする係の職員の方が作ってくれます。
子どもたちは大きな容器に入った食事をそれぞれのコテージに運び配膳します。
日本の学校給食と同じようなシステムです。
昼間は子どもたちは近くの学校に通います。
それぞれのコテージ、小学校、中学校と別れ、二列になって集団登校し、
途中でその隊列が乱れることはありません。
集団下校でホームに帰ってくるまで、子どもたちはそれぞれの学校で過ごします。
小学校、中学校、それぞれの学校でも子どもたちはやはり笑顔です。
ホームでの子どもたちの遊びは質素なものです。
自転車、テレビ、コンピューターなどの文明の利器は、ホームの子どもたちにはありません。
石を配るゲームをしたりコマを回したり、
男の子はクリケットというインドで人気の球技が楽しいようでした。
遊んでいるときの子どもたちの表情は本当にうれしそうです。
数十年前の日本の子どもたちもこうだったのでしょう。
ホームには、ブランコ、シーソーなど日本の公園と同じような遊具があり、
それらを使って楽しそうにはしゃいでいます。
とにかく子どもたち ・・・ なにをしていても輝いています。
なんてまぶしい笑顔なんでしょう。
ホームにはたくさんの生き物がいます。
鳩、文鳥、ウサギ、牛、子犬、・・・、
この子が手にしているのは鳩の雛と卵です。
彼は鳩の世話係で、毎朝鳩や他の鳥たちにえさを与えていました。
鳩は飼い慣らされているので外に出しても逃げることはありません。
“可愛い子犬がいるから” と子どもたちが犬舎に連れて行ってくれました。
たしかに子犬は可愛いですが、子どもたちもそれに負けずに可愛いです。
一見するとトカゲのようですがリスです。
豊かな自然と身近な生き物たち、
こんな恵まれた環境が子どもたちをイキイキとさせている秘密なのかもしれません。
子どもたちは暮らすコテージの中にはこんな木のベットが並び、
生活用具がきちんと整理整頓されて置かれています。
ベットの横には勉強をするための机があり、
毎日決まった時間に子どもたちはここで学校の勉強をします。
子どもたちの持ち物は、学校の教科書、制服、生活用具以外は、
この小さなトランクケースひとつだけです。
豊かさとは何でしょうか?
そして幸せとは ・・・ ?
インドの孤児たちは、その輝くような笑顔を通して、
私たちにもっとも大切なものを教えてくれているような気がします。
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