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ホームで感じたこと<4>


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前のページで今回の旅の記録を終えようと思ったのですが、
撮った写真を見ているといろんな思いがわいてきて、
もう少しインドやホームのことについて書いてみます。

今回は一ヶ月間で1662枚の写真を撮りました。
失敗したり気に入らないものは削除してこの枚数ですから、
一日平均六十枚前後の写真を撮ったことになります。

本当はもっとたくさん撮ることもできたのですが、
カメラを持っていると、写真を撮れ撮れと子どもたちがうるさいので、
カメラを持たずにホームの中をうろついたこともあり、
常識的枚数(?)に収まりました。

自分としては子どもたちの自然な生活の様子を撮りたいと思っても、
子どもたちはみな写真に写りたがり、
カメラを構えると一気に子どもたちが寄ってきて、
毎回同じような集合写真になることが多いのです。

子どもたちは本当に写真が好きですね。
喜んでもらえるのはそれはそれで有り難いことです。


前回はインド初日に愛用のミラーレス一眼レフカメラが壊れ、
予備として持っていたコンパクトデジカメで写真を撮らざるえなくなり、
それでとても苦労しました。

動作や表情の変化の大きい子どもたちは、
一瞬のタイミングが命です。
コンパクトデジカメでも写りは悪くないものの、
ズームを使って画角を決めたり、
シャッターを切る時にほんのわずかなタイムラグがあり、
そのためいいシャッターチャンスを幾度となく逃すことになりました。

今回はミラーレス一眼も順調に作動し、
撮った写真を随時iPadに転送して見てもらったので、
今撮ったばかりの写真をすぐその場で大きな画面を通して見ることができ、
子どもたちも大満足でした。



今はSDカード自体にデータ転送機能が付いているものもあるので、
デジカメを愛用し、タブレット端末をお持ちの方は、
是非活用されてはいかがかと思います。

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前回トリチーで泊まったスタッフルームはトイレがとても汚れていたので、
現地でクレンザーや金属たわしを調達し、丁寧に磨かせてもらい、
とても心地いい思いをしました。

そこで今回はあらかじめ日本から愛用しているカネヨン(クレンザー)と
サンドメッシュを持って行き、
トイレや浴室の汚れを磨くことにしました。

これは最初に泊まったチェンナイホームのゲストルームの便器です。



この汚れのほとんどは水垢で、
二十分間ほど真剣に磨きましたが、
八割から九割程度しかきれいにすることができませんでした。



インドの田舎に上水道はありません。
村の人たちは水桶を抱えて家の近くの井戸に水をくみに行きます。
それが主婦の仕事であったり、子どもたちの朝の日課であったりするのです。

ホームにはどこも専用の井戸があり、
そこから電気モーターで水をくみ上げ、
普通の水道のように蛇口をひねれば水が出るようになっています。

ただし自分の知る限り、インドの井戸水はミネラルが極めて多い超硬水で、
浴室やトイレに付いた水垢はそう簡単に取れるものではありません。
極端に言うと化石みたいに固まってしまっているのです。

トリチーホームのゲストルームにはシャワーがありますが、
最初はその水の出が悪くおかしいなと思っていたのですが、
よくよくシャワーヘッドを見てみると、
シャワーヘッドのほとんどすべての穴が、
硬化したミネラルでふさがれている状態でした。

インドの水垢は日本のものよりもはるかに手強く、
これを本格的にきれいにするには金属ヘラは必須です。

それと自然に根ざして生きるインドでは、
浴室やトイレには多少の水垢がこびりついているのが似合います。
これを手間ひまかけて磨き上げるのは、
周りの自然環境と比べるとあまりにも不自然だと感じます。

整った人工環境で暮らす日本では、
『トイレ掃除は心磨き』という言葉がふさわしいのでしょうが、
『郷に入り手は郷に従え』、
インドでは、やはりインドらしい暮らしが合っています。

ただし外がゴミだらけなのは勘弁してもらいたいですね。
それと公共のトイレで汚れまくっているところ、それもなんとかしてもらいたいです。



次回インドに行った時は、
町中、通学路の脇、学校の周りにも散乱するゴミくず、
それらを少しでもきれいにしたいと考えていて、
それが密かな目標です。


ホームには兄弟姉妹で入っている子どもたちが多いのですが、
中でもトリチーは双子の子の割合がとても多いように感じます。

この二人はとてもやんちゃで顔もよく似ています。
一卵性なのか二卵性なのか判別しがたい感じです。



美人姉妹のランジータ(左)とランジェニー、
二人ともおとなしくて控え目です。



ランジェニーは自分から話しかけるタイプではないので最初は疎遠だったのですが、
少しずつ話をしてくれるようになり、
最後は手にブラザーとお父さん、お母さんの
名前を書いてくれと言ってくれるまでになりました。



子どもたちはみんな手のひらやノートに名前を書いて欲しがります。
たいていは自分や自分の兄弟に友だちの名前まで加わるのですから、
その数が膨大になり、また手のひらが汗ばんでいる子は書きにくくて苦労します。

上の写真、ランジェニーの手のひらにはアルファベットで書きましたが、
カタカナで書いたり漢字をあてて書いたりいろいろです。

この二人には名前を何十回も言わされましたが忘れてしまいました。
元気いっぱい、とても存在感があって印象に残る二人です。



双子の男の子二人はたまたま誕生日だったので記念写真を撮りました。
男の子たちは特に写真を撮るとこんな状態になります。
誕生日の二人がどこにいるのかよく分かりません。



他にも双子だと言っている子たちが何人かいたようですが、
229名の子どもたちの中に双子は何組いるのでしょう。
トリチーホームのオーナーであるクマールに聞くと、
少し考えて双子は三組だと言っていました。
クマールが数え間違いをしているのか子どもたちが嘘を言っているのか、
真相は分らずじまいです。


南インド タミルナド州は緑豊かで花もたくさん咲いています。
高速バスに乗って車窓から景色を眺めると、
一時間もしないうちに食性が大きく変わることがあるものの、
南国で自然環境に恵まれていることは間違いありません。

マーケットでは生花がたくさん売られています。





日本だと花というと鉢に入ったものや茎の付いた切り花が多いのですが、
インドでは花飾りを作ることが多いので、
花の部分だけで売られていることが多いのです。



花市場をうろついていたら、
飯田さんがおばあさんから花を一輪プレゼントしてもらわれました。



ホームにもたくさんのきれいな花が咲いていて、
写真はなるべく花がたくさんあるところで撮るようにしています。
抱っこしているのはトリチーホームで一番ちっちゃな通称ベイビーちゃんです。



子どもたちも近くに咲いてる花を取ってきて、
「きれいな花だから写真を撮って!」と写真を撮ることを強要(!)するのです。



自分から写真を撮らせてもらう時も、
なるべく花を持ってもらったりして、いい写真になるよう心がけています。
真ん中はさきほどのランジェニー、
右の子の名前はプリアダッシニーです。



プリアダッシニーというのはポピュラーな名前で、
三つすべてのホームにプリアダッシニーという女の子がいました。
彼女はカニャクマリのホームのプリアダッシニー。



チェンナイホームでは一番年少のプリアダッシニーです。



同じタミル語圏で同じ名前がよくあるというのは理解できますが、
インドは憲法で定められた指定言語だけで22もあり、
それぞれの地方で言語も文化も異なるにも関わらず、
まったく異なる言語圏にも共通したよくある名前があるというのが不思議です。

27年前、日本でサンギータというたぶん過去世で兄弟だったのではないかと
思われるインド人と出会いました。
彼女の出身はインドの首都デーリー、南インドのタミルナド州とは遠く離れ、
言葉もヒンディー語でタミル語との接点はありません。

けれどこのサンギータという名前の子はトリチーのホームにいるし、
店の看板でもこの名前はたびたび見かけます。

なぜ異なる言語、文化圏で共通した名前があるのか、
このことをスシルに尋ねてみると、
「北インドの人はあまり信じないし、北インドの人の前では言えないのですが、
 元々のインドの文化は南インドのタミル圏から発していて、
 その名残で共通した名前や言語が残っているんです」
と答えてくれました。
これが本当かどうかは分かりませんが、頭の中に入れておきたいと思います。

「実は日本語のルーツもタミル語みたいですよ。
 あっ、そう言えば、これはサカイさんから聞いたことでしたね」

スシルには大野晋が説いた日本語の起源はタミル語だという話をしたことがあります。
これも確定した説ではありませんが、
たしかにタミル語と日本語にはよく似た言葉がいくつかあります。
あそこはアンゲー、ここはインゲー、これなんて出雲弁みたいです。

もし日本語のルーツがタミル語ならば、それはとてもハッピーなことです。

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話を花に戻します。
花はタミル語でプーと、少し気の抜けたような言葉になり、
そのプーがいたるところに咲いているので、
女性の髪飾りは生花で作られるのが一般的です。

この子は誕生日なので、きれいなジャスミンの髪飾りをしています。



生花以外、造花の髪飾りもたまに見かけることがあり、
この子は布のような素材で作ったバラの髪飾りをしています。
左に写っているのはプリアダッシニーです。



バラの髪飾りの女の子からは、
横顔しか写っていないので正面からも撮ってくれと言われたのですが、
無碍に断ってしまい、この写真を見ると少し心が痛みます。

けれど子どもたちの欲求はエスカレートする一方で、
一度言うことを聞くと、次々と新たな要望が返ってくるので、
どこかで線引きをしないといけないのです。
ゴメンナサイ。


女性の手のひらや甲に図柄を描くメヘンディもインドでは一般的で、
子どもたちは何も見ずに上手に花柄を描いていきます。



これも地方によって文化が異なるようで、
同じ南インドでも、タミルナド州よりも一昨年行ったカルナータカ州の方が、
メヘンディ文化は盛んなようでした。

これはカルナータカ州の学校に通う女の子たちのメヘンディです。



メヘンディはだいたい女性にするものだと思うのですが、
子どもたちは珍しがって自分の手の平にも描いてくれました。



これは魔除けの一種だそうで、
これを描いてもらうときっと幸せになれるのでしょう、
有り難いことです。


最後に子どもたちが大好きなシャボン玉をしている
幸せそうな写真を貼っておきます。









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