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インドでは、吉祥を呼び、神様を招くとされる砂絵、ランゴリを、
玄関の前や庭、床などに描く習慣があります。
コスモニケタンでも、いろんな行事の際に、
極彩色の美しい文様を子どもたちや先生が描いています。
これもチリ(唐辛子)と同じく、
町の市場に行くと、材料となる色砂が山盛りになって売られていて、
初めてそれを見た時は、何に使うのかまったく見当もつきませんでした。
ランゴリの図柄を集めたパターン集もありますが、
子どもたちは描き慣れているので、
いつも何も見ないで描いていきます。
ランゴリを描くのは女の子たちの役割です。
はじめは白い砂で輪郭を描き、少しずつ色数が増えていくのは、
見ていてとても楽しいものです。
“WELCOME” 、行事の際には必ず入り口のところに、
大きくて立派なランゴリが描かれます。
こんな風に室内に描いた時は、
ろうそくを点し、幻想的な雰囲気を醸し出したりもするのです。
ランゴリの図柄には、魚、動物、植物等様々なテーマがあり、
立派なランゴリは、いつまでも残しておきたくなる芸術作品です。
けれどすぐに崩れる一過性のものだからこそ、
そのはかなさの中に美の神髄があるのかもしれません。
ランゴリを崩す際は、ちっちゃな女の子たちが同じ色の砂を集め、
外でまたそれを使って絵を描いて遊んでいました。
これは8月15日、インドの独立記念日に描かれたランゴリです。
中央に三色に彩られたインド地図が据えられています。
ランゴリは、家庭の中で母親から娘へと伝承されるものだそうで、
この素晴らしきインド文化ランゴリが、いつまでも保持されることを願います。
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