インド・スリランカの旅
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3月4日  カンニャークマリ





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我が心のインド




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子どもたちは写真が大好きで、私がカメラを持っているだけで大騒ぎするので、
今朝はカメラをずっとバックの中にしまっていました。
そんな中撮った一枚がコレ、身支度を調えた女の子たち、
みんな髪の毛をきれいにしています。

おしゃれな女の子たち

私の髪の毛はいつもボサボサですので、恥ずかしい限りです。
女の子たちに「髪の毛をといて♪」とたのんだら快く櫛でといてくれました。
人にしてもらうのって気持ちいいですね♪


ちょうど今、日本の学生YMCAの大学生さんたちがカンニャークマリの
もうひとつの孤児院アンブマナイホームに来ているとのことなので、
今日は私も彼らと合流させてもらい1日過ごすことになりました。

アンブマナイホームに向かう途中、
スギルタンの奥さんを聾学校にお送りしました。

カンニャークマリの聾学校

奥さんはここの校長先生です。
キリスト教のとてもきれいな建物で、近代的な設備も整っているとのことです。
次回インドに行った際は、学習風景を見学させてもらう予定にしています。

次は老人ホームに立ち寄りました。
大きなジャックフルーツが実っています。

ジャックフルーツ

写真では大きさが分からないかと思いますが、
ちょっとしたスイカぐらいの大きさで、まだまだ成長過程です。
一昨日の夕食に食べましたが、日本ではあまり馴染みがないですね。

庭にホームから持ってきた葉っぱをまいています。
腐葉土になるのでしょう。

腐葉土作り


アンブマナイホームに着くと、
日本の若者たちが出発の準備をして待ってくれていました。

学生YMCAの人たち

学生YMCAでは、毎年全国の大学から希望者を募って
スギルタンの弟でチェンナイにホームを持つスレッシュさんのお世話で
南インドのホームを見学するツアーを企画しています。

日本の若者たちは元気いっぱい、
スギルタンの顔を見ると、スレッシュさんとソックリだと驚いていました。
それはそうでしょう、兄弟ですから。
けど顔の造作は似ていても、雰囲気は随分違います ・・・ 。

久しぶりに会うスレッシュさん、柔和な微笑みに心癒されます。

スレッシュさんと久しぶりの再会です


若者たちはタクシーを二台チャーターしていてそれに乗り込みます。
私はおまけメンバーなので、
スレッシュさんの運転するスクーターの後ろに便乗させてもらいました。
このベスパのようなスクーターはなめらかな走りで、
昨日乗せてもらった “HERO HONDA” よりも快適な走りです。
南インドの風を思いっきり浴びながら走るのは気持ちいいものです。

まずみんなで向かったのは塩田です。
カンニャークマリには海水から作る大きな塩田が何ヶ所かあります。

広い塩田です

塩田に降りる山肌を転ばないようゆっくりと歩きます。
サンダル履きですので、若者たち、特に女の子はキャーキャーと大騒ぎです。
それにしても日本語でコミュニケーションとれるというのは楽ですね。

塩田の畦は足下が危ないです

塩田の畦はかなりぬかるんでいて、
私も足をずぼっとはまり込ませ泥だらけになってしまいました。

海水を集め、それを少しずつ濃い塩分濃度のものにしていき、
最後は表面に浮いてでた塩をかき集める、
日本の塩田のやり方と同じです。

学生たちのツアーは一種社会学習的意味合いがありますので、
YMCA職員で牧師でもある引率者の草島さんが
代表していろいろと質問をしておられました。

塩田 ソルトファクトリー

塩田の仕事は暑さと戦うきつい仕事で若者たちはやりたがらない、
日中の日差しを避けるため、仕事は朝6時から11時まで、
日当は1日Rs.100(100ルピー、約320円)ほど、
私も横で聞いていて勉強になります。

スレッシュさんは柔和な笑顔の穏やかな人で、
彼のスクーターの後ろに乗っていると、ゆったりした気分になってきます。

スレッシュさんの背中を見ながらツーリング

彼のスクーターを見かけるといろんな人が声をかけてきます。
今は普段はカンニャークマリから700キロも離れたチェンナイに住んでいますが、
さすがは地元の名士です。

続いては椰子の実を繊維に加工する工場です。

椰子の実を繊維に加工する工場

ホームでも子どもたちがみんなで木から落とされた椰子の実を集めていましたが、
中のジュースや果肉を取った後は、こんなところに運ばれてくるようです。

こんなたくさんの椰子の実を、大きな機械を使い繊維の固まりにしていきます。

椰子の実の山

ここの労働者の日当は男性は塩田と同じRs.100、
女性は同じ作業をしているにも関わらず、少し低いRs.80とのことでした。

最後はこんなロープに加工されます。
右側のピンクのシャツを着ておられるのが引率の草島さんです。

ロープの出来具合を見ています

次はいつも通っている橋に移動しました。
現在架かっている橋は津波被害で崩壊した橋の代わりの仮設のものです。

仮設の橋

先にあげた Google Earth の画像を再アップします。
きれいに橋が流されている様子がよく分かります。

倒壊した橋

人生の年輪をしっかりと顔に刻み込んだようなおじさんがカニを持っておられました。

カニを持つ漁師さん

このあたりは漁村で、橋のたもとにはたくさんの漁船があります。

自転車に乗るインドの人、
インドで見た自転車はすべてこの様な実用車タイプでした。

インドの自転車

ブレーキーレバーの力をワイヤーではなく金属棒の動きで伝える昔ながらの自転車は、
今日本ではほとんど見ることがなくなってしまいました。
こんな自転車に豆腐や紙芝居を積ん走っているのを
昔(40年ぐらい前?)はよく街角で見かけたものです。

その無骨な自転車には似つかわしくない可愛らしい装飾ですね。

カラフルな自転車のホイール

このホイール飾りはインドで何度か見かけました。
流行っているのでしょうか。

橋のすぐ横にあったキリスト教の教会は津波によって崩れてしまい、
現在もそのままです。

津波で倒壊したキリスト教の教会

2004年12月26日、クリスマス直後の午前10時にこの地を襲った
スマトラ沖地震の津波により、
橋や教会が倒壊しただけではなく、この村だけで147名もの尊い命が奪われました。

この穏やかな海、静かな村がそんな未曾有の被害にあったなんて
ちょっと信じられない気持ちです。

さきほど自転車に乗っていた男性の船で川を上ってみることにしました。

みんなで船に乗り込みます

川をひたすら上ってマングローブの林のあるところまで、
けっこう速いスピードでとても爽快です。

船上の一時

なぜか女の子が岸に向かって「おか~さ~ん」と叫んでいます。
その気持ち、分からなくはないですが。 (^^;)

後でボートに乗ってマングローブの林のところまで行ったとスギルタンに話すと、
「ボクでもまだ行ったことがないのに ・・・」
と少しうらやましそうにしていました。
いい経験をさせてもらいました。 ^^☆

次に行ったのは、完全に繊維の固まりになった椰子からロープを作るところです。
三人の人が手に繊維の固まりを持ち、その一端を機械に引っかけ、
機械がその繊維をねじる動きに合わせて
少しずつ手から繊維を絞り出すようにしながら後退していくと、
きれいによられたロープができあがるという仕組みです。

みんなでハイポーズ♪

理屈はいたって簡単で、見ていても簡単そうです。
けれども見るとやるとでは大違い、私もトライしてみましたが、
長い繊維くずみたいなのができるだけで、いっこうにロープの形になってくれません。

機械を回してのロープ作り

これが完成したロープで、見事なものです。

できあがったロープ

今までロープを見ても椰子から作るなんて考えてもみなかったのですが、
身近な亀の子たわし(私はこれで毎日体を洗っています!)、
脱臭剤のノンスメルなども椰子から作られていたんですね。
日本にいても意外と身近な植物であることを実感しました。


夕方前にアンブマナイホームに戻り、
ホームの裏手にあるモンキーマウンテン(マルスバルマライ・・・薬草の丘)
という岩山に登ることにしました。

ホームから見たモンキーマウンテン

はじめてサンカランコービルからここカンニャークマリに来た時、
途中に見える山の形がちょっと異様な感じでゴツゴツしているのが
強く印象に残っていたのですが、
ここら一帯の地質の関係で岩山が多いからだということが
間近に山を見て理解できました。

ホームの子どもたちに案内してもらい、みんなで元気よくホームをスタートしました。

これから頑張って登ります

登りはじめてすぐ、こんな大きな木がありました。
ターザンの木ですね。

ターザンの木

途中までは石段が整備されていて駆け足で登ります。
まだ日が高いですが、もうすぐ夕暮れ時で子どもたちに急かされました。

石段を駆け足で登ります

山の中腹には寺院があり、そこには猿の神様であるハヌマーンを奉られていて、
今も何人かの修行僧がこの山で暮らしています。
この寺院のあるところで一服です。

ここからは広いインドの大地が一望でき、
海に向かって広がった豊かな林が間近に見えます。

インドの広大な林

みんなで記念撮影、ここに来るだけでそうとうバテました。

記念撮影

猿神ハヌマーンの寺院

ここからは足場の悪い岩場が続きますので、
何人かはこの寺院で待機して、残りのメンバーで頂上を目指すことにしました。

足下を注意しながら一歩一歩岩に足を固定するような気持ちで登っていきます。
それにしても子どもは元気です。
私たちに「早く、早く」とか「足下を注意しろ!」とか、
監督者気分で先へ先へと進んでいきます。

もうすぐ頂上です

そんなに標高がある山ではないのに、なかなか頂上にたどり着けません。
岩場をよじ登り、やっとの思いで頂上らしきところにたどり着いた頃には、
日も少し沈みかけていました。

夕暮れ時を迎えつつあるインドの大地

汗だくになって登った頂上の風は最高です。
みんな子どもに返った気分で大はしゃぎ、山に登った会館はインドも日本も同じです。

登頂をして感激の一時

頂上は360度視界が開け、今日行ったところを指さしながら確認しました。
塩田も遠くに見ることができます。

モンキーマウンテンの頂上にて

北方向にはおびただしい数の風力発電機が見えます。
緑の大地に白い無機的な機械はやはり違和感を覚えます。

タミルナード州の風力発電機

引率の草島さんと一緒に写真を撮ってもらいました。
かなりしんどそうでしたが、頂上まで頑張られました。

草島さんと

草島さんは学生たちを引率して、この時期毎年南インドに来られているそうです。
学生たちにとってここで得た思い出は一生の宝物になるでしょう。

頂上付近に生えていた、たぶんサボテンです。

たぶんサボテン

上の方はサボテンみたいな形でトゲもありますが、
下の方は普通の木みたいでちょっと変な感じです。

降りる途中で西の彼方に沈む真っ赤な夕日が目に入りました。

インドの大地に沈む夕日

ここインドで何度朝日や夕日を目にしたことでしょう。
雄大な自然の元、自然とともに暮らす人々のいるインドで見る太陽の輝きは、
日本で見るそれとはまた違った感動があります。
私たちは自然の中で生かされているんだという実感が胸の奥からわき上がってきます。

山を下りる途中、水桶を頭に載せて登ってくる男性とすれ違いました。
この山で近日中に神事があるようです。
その水桶は大きなものでしたが、どの程度水が入っているか確かめようとのぞいてみると、
上のくびの部分までいっぱいに水が入っていました。
私たち日本人はただ登るだけでも必死だったのに、
たくましいインド人は水をいっぱいにたたえた水桶を頭に載せて登るなんて ・・・、
インド人の強靱なる身体能力にはただただ驚嘆するのみです。 w(☆o☆)w

アンブマナイホームに帰り着いた頃にはすっかり日も暮れていました。
私はみんなより一足先に
スレッシュさんのスクーターに載せてもらってホームに戻ったのですが、
礼拝する建物の中では夜の礼拝がはじまっていました。

これも賛美歌というのでしょうか。
鳴り物入りでドンチャンやっています。

アンブマナイホームでの礼拝

真っ暗で動画の絵はハッキリと映っていませんが、音はしっかり入っています。

大変失礼ながら、これを見ていてゼンマイ仕掛けでシンバルをジャンジャン鳴らす
あの懐かしい猿のおもちゃを思い出しました。


1日を無事終え、腹ぺこで食べる夕食はドライカレーです。
みんな手づかみで食べるのがごく自然ですね。

学生たちと夕食

インドで過ごす日々ももう残りわずかですが、
今日も充実した一日を過ごさせてもらいました。

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