*** トイレ掃除感想文 ***
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私がトイレ清掃に参加したきっかけは、職場の上司に誘われたことからでした。
私は、広島地方検察庁に勤めております。広島地検では、平成16年から地域に根差した検察を目指すというコミュニティー検察活動を行っています。NPO法人による非行少年らの支援活動や防犯連合会等の民間活動に参加し、地域との協働を推進しています。また、学校で出前教室を行い、法教育にも力を入れています(広島地検のホームページがあります)。そんな活動の中の一つにトイレ清掃があったのです。
そして、私はこれまでトイレ清掃を2年間続けて来ました。都合がつく限り参加していましたので、おそらく回数にして約20回くらいでしょうか。
しかし、「なぜトイレ清掃に参加しているのか。どうして続けているのか。」という問いに対し、実は、はっきりした答えは持っていません。
なぜなら、私自身、何か特別なことをしているという意識がないからです。これまで参加した皆さんの話を聞くと、トイレ清掃によって街全体を良くしようとか、トイレを磨いて心を磨こうとか、荒れていた学校を良くしようなど、様々な信念をもってやっておられます。でも、恥ずかしながら、私は皆さんのような立派な考えを持っている訳ではありません。「何も考えずに気楽にやっている」というのが、正直なところなんです。
確かにトイレ清掃というと、まわりの人は「えっ」という顔をします。でも誰だって、子どものころ、学校で掃除はしてきたでしょうし、大人になっても町内会等で家のまわりの掃除はすると思うのです。また掃除といっても、人間誰もが使う単なるトイレです。素手でトイレを掃除するにしても、手が汚れれば洗えばすむ話です。その程度のことしか考えていないのです。
ただ、あえて言えば、子どものためです。
私は、これまですべてのトイレ清掃に長男を一緒に連れて行っています。参加した当時、3歳だった息子ももう小学生になりました。息子は、トイレ清掃には、あまり興味がないようです。一緒に行っても、トイレ清掃より公園にある遊具で遊んでいます。でも、私の目的は、掃除に参加させることではなく、私たちが掃除している姿を見せることにあります。その姿を見て、子どもながらに何かを感じてほしいからです。例えば、公園や学校のトイレを使う時、少しでも綺麗に使おうと考えてくれれば、それでいいと思っています。
それからもう一つ、トイレ清掃を続けている理由として、「心地よさ」があります。
参加すると、いろんな人に会い、いろんな話が聞けます。特に、先川さんの気さくな人柄もそうですし、その話も心に残るものがあります。また、掃除が終わった後の爽快感もあります。休日に少し早く起きて、体を動かす。そんなことが自分にとって、とても「心地よい」のです。
最後に・・・。初めて参加した平成21年5月、そして次の6月、私の嫁も参加しました。そして、その後2人目の子を妊娠し、出産しました。今育児に頑張っています。当時、なかなか2人目ができず、あきらめていたころでした。「トイレには神様がいる」という歌ではありませんが、自分は、このトイレ掃除がきっかけで子を授かったのではないかと、密かに思っています。
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