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ヨガナンダ



2018年3月2日 ・・・ 摩擦係数

高校の物理の時間、その最初の方で、
物と物との接触面に働く摩擦について習いました。

摩擦の大きさを表す数値は二つあり、
ひとつは止まっている物同士に働く静止摩擦力、
もうひとつは動いている物に働く動摩擦力です。

その摩擦力の大きさを示す指標をそれぞれ
静止摩擦係数、動摩擦係数と言い、
止まっている物体にかかる静止摩擦係数は、
動いている時に生じる動摩擦係数よりも小さくなります。

これは実に簡単なことです。
エンストした車を何人かで力一杯に押しても、
車が動き出すまでには相当の力を要します。
これが静止摩擦係数です。

そしていったん車が動き出せば、
少し力を抜いても車はずっと動き続け、
さらにちょっと力を加えただけで、
車はいとも簡単にスピードを増してくれます。
これが動摩擦係数です。


この物理学上の摩擦は、
目に見える物と物とに働く法則ですが、
これと同じことは、目に見えないものにも作用します。

自分にとって嫌なことは、なかなか手に付かず、
重い腰が上がりません。
これは心の静止摩擦係数が大きいということです。

けれどそれをいったんやり始めると、
意外と続いていくもので、
これは動摩擦係数の方が小さいということです。

こう考えてみると、
何事も好き嫌いなくすぐに取り組める人、
いわゆる腰の軽い、行動力のある人は、
心の静止摩擦係数が低い人だと言えます。

またいったん始めたことを長期間継続できる人は、
心の動摩擦係数が低いと言えるでしょう。

この摩擦はいろんなことに当てはまりますね。
商売でも、ちょっと高級な商品を扱っていて入りにくそうな店も、
入り口付近のワゴンに安い商品を並べておくと、
それにつられて中へと入りやすくなります。

高い敷居の上にある入り口も、
その手前に小さな台があると、
それを踏み台にして入りやすくなるものです。

これを摩擦で説明すると、
高い商品も安い物も、買おうと行動を起す時の静止摩擦係数は同じでも、
価格自体がまったく違うので、
それにかかる静止摩擦力は安い物の方が格段に小さく、
最初に客の購買行動を起させる力は安いものの方が大きいということです。


自己分析をしてみると、
子どもの頃から真面目な学習習慣の付いていない自分は、
やらなければならないことに対する静止摩擦係数が大きく、
目標を立て、それを実行していくための最も重要な課題は、
まず最初の第一歩を踏み出すということです。

ですから、行動計画をいくつか並べた段階で、
それらをひとつひとつ着実に片付けていくのではなく、
まずほんの少しずつでもいいので、
どんどんいろんなものに手を付けていくということを心がけています。

そうしなければ、
やりたくないものはいつまでたっても手付かずで残ってしまうのです。

これが子どもさんの場合、
ある一定の学習成果を目標とするならば、
その途中を段階分けし、
毎日○時間勉強をする、
テキストを開く、
椅子に座って机に向かう、
まずは家に帰ったらカバンを部屋に持っていく、
というように、その子に合った段階のものを目標とするのが現実的です。


人によっては逆に動摩擦係数が大きく、
取っかかりはよくても長続きしないという人がいるかもしれません。

そんな人はいろんなことに手を付けるより、
目標を絞り込み、それが日々継続できるよう工夫していくのがいいでしょう。

平昌オリンピックでカーリング女子が話題となり、
氷上を滑るストーンを、
二人の選手がブラシを手に進行をコントロールしていましたが、
あのような(自己)アシストが必要です。

カーリングは、まさに氷上の動摩擦係数との戦いです。
恥ずかしながら、このページを書くにあたって初めて
カーリングのルールを調べ、今ようやく理解しました!
意外と簡単なルールですね♪


静止摩擦係数も動摩擦係数も、
それがどこから生み出されるのか、
それを見つめることで己の心の状態が分かります。

セドナメソッドでは、
何かしようとする時、それに対する抵抗を手放し、
それと同時に、それをしないことへの抵抗をも手放します。

また摩擦を感じる感情、行動にある、
自分自身の利点、不都合、あるいは好き嫌いの感情を見つめ、
それを解放していきます。

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心の中の摩擦を感じることは、
成長のキッカケをつかんだというとです。


自分もこれから成長していくため、
『動摩擦係数は静摩擦係数よりも小さい』という言葉を心で唱え、
苦手なものに新たな一歩を踏み出す努力をしていきます。

2018.3.2 Frisday  
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