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未来を志す

ガラクタを手放すスペースクリアリング、断捨離、
食べ物をよく噛むこと、
背筋を伸ばし肩の力を抜く、そして肛門を締める、
呼吸はゆったり、鼻から、・・・
これらはすべて時間、空間の原点である
今この瞬間、そして自分自身の内面に意識を集中することにつながります。

時間は過去から現在、そして未来へと流れていく、
これはひとつの見方であり、
他方では、時間としてあるのは今この瞬間だけ、
過去も未来も存在せず、
ただ今というこの時が連綿と続いていという見方も存在します。

ものの見方に正解、不正解はありませんが、
最も強力な力を持つ人間の想念エネルギーは時空を超越し、
どこにでもいつの時にでも自在に飛んでいけることを考えると、
この時空に於ける絶対点である今この時、この場所というのが、
最も重要な一点であることに間違いはなさそうです。


「心ここにあらず」という言葉があります。
人間の思いがこの原点である今というところから外れると、
過去のことを後悔してくよくよし、
未来を憂い、いらぬ心配に心奪われてしまいます。

過去を反省し今を正すことは大切ですが、
すんでしまったことを何度も繰り返し考えてみても、
「覆水盆に返らず」で、
そこに費やす思いのエネルギーはほとんど無駄になってしまいます。

未来のことも「取らぬ狸の皮算用」、
未来とは、今蒔いた種が時を経て実りを得られる時点であり、
種を蒔くべき今という時に注力せずしてその実りを得ることはできません。

またたとえ未来に明るいビジョンを描いたとしても、
それが過去から現在に於いて抱いている
不安や恐怖を克服するためのものであったとしたら、
そこに描く明るいビジョンの裏には、
その不安や恐怖といったものが常に付きまとっていることになります。

潜在意識の法則を説く本にはよくこんなことが書かれています。
病気で苦しんでいる人がその病気を克服するためには、
健康であることをイメージすること、
ただし「病気が治った」と、
病気というマイナスを克服するイメージをするのではなく、
「健康になった」というプラスイメージをすべきであると。

けれど今ここという時空の原点を考えてみるならば、
「健康になった」というイメージから、
今この時にすべきことを導き、そこに意識を集中するべきです。

健康を手に入れるためには食はとても大切な要素です。
そのため食事を取りながら、
「このご飯を食べることで健康な体になっていく」
と未来をイメージすることはいいことでしょう。

けれどもっと大切なことは、
今この瞬間に口にしている食べ物が自らの血となり肉となり、
それが命を培っているということを実感し、
一口一口大切に噛みしめ、今を感じること、
今生かされている命の尊さを己の体、全身の感覚すべてで感じ取ることです。


とは言え自らもそうなのですが、
凡人の心の中には常に雑念と呼ぶべき想念が渦を巻き、
思っても仕方のない過去や未来に意識が飛び、
それで感情がかき乱され、最も大切な今を感じることができなくなってしまいます。

実はそのことが最近頭の中にずっと大きな課題としてあったのですが、
つい数日前、ある志を同じくする仲間と将来のことについて話をしていて、
フッと気がつくことがありました。

それは未来を思い描くということには大きく二種類あるということです。
ひとつは先に述べた過去や現在の恐怖や不安から発したもの、
今の状態に満足できないがゆえに発するものです。

もうひとつは今現在持っている喜びという胸から溢れ出る思い、
または魂が求める天命を成就させるための強い思い、
こういったところか発する未来への思いは、
今ここ、そして己という原点から立脚したものであり、
今をより強く生きるエネルギーとなり得るものです。


今を意識し、今を生きること、
その上で志を成就するための未来を思い描く、
ここに意識を傾けることで雑念を振り払う。

今思い描いている未来への夢は、
過去の不安や恐怖から来ているものなのか、
あるいは志に立脚し抱いているものなのか、
そこを見定める必要があります。

今を生きる、そしてそこから発せられる志を持ち、
それを具現化するために今をよりよく生きる。


『少年よ大志を抱け』
そして少年期を過ぎても、永遠に大きな志は持ち続けたいものです。
それが今をよりよく生きることにつながります。

『青春とは、心の若さである』
幼子が、今していることに夢中になるように、
今をはつらつと生きることが心の若さです。

2016.2.16 Tuesday  
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