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引き出す

教育という言葉を英語で表すと education 、
この動詞形の educate は、
元々ラテン語の 引き出すという言葉から来ているのだそうです。
これを初めて知った時は少し感動しました。

それに対して日本語の教育は、教え育むという意味、
母性の強い日本人の民族性を感じさせます。

教え育む教育と、能力や可能性を引き出す教育、
どちらが優れているのか比較するものではないのですが、
まず何も知らない赤ん坊の状態で生まれてきた人間には、
しっかりと教え、育むことが大切です。

そして少しずつ自立を促すと同時に、
その子なりの持ち味を周りが引き出し、
そして自らの力で引き出せるようにしてあげることが真の教育です。

知識や技術、結果や答えばかりを追い求め、
自分の外側にある形あるものをたくさん取り入れることこそが豊かさであり、
偉い人間、幸せな暮らしをするための唯一の道だと信じている人にとって、
教育とは、生涯外側のものを詰め込むだけのものとなるのでしょう。

けれどもこれからは違います。
成長した私たちに求められるのは学び、取り入れることではなく、
感じ、そして引き出すことです。


物質文明が完全に行き詰まりを見せ、
これから世の中の価値観がまったく逆転していく今は、
その過程として、いったんすべてを清算した原点の状態に戻らなければなりません。

グラフで書くと原点の座標はゼロですが、
ゼロだからといって、まったくすべてがなくなってしまうわけではありません。
人類が誕生して以来、そして未来永劫持ち続け、変わらないものがあります。
それは誰しもが持つ命の輝きであり、
この命の輝きが私たちの持っている原点です。

そしてこれからは、この命の輝きの素晴らしさを見つめ、
それを自らの手で引き出していく時代です。


昨日たまたま耳にしたラジオでこんなことを話していました。
常に満腹になるまで餌を与えられた動物よりも、
その7割の量の餌で育てられた動物の方が長生きするそうです。

動物の生育環境は、変化に富んでいる方が平均寿命が長くなり、
いつでも同じ環境で育てられた動物園の動物は、
短命で亡くなることが多いとのことです。

若い頃に苦労を経験した人と、蝶よ花よで育てられた人は、
大人になってどのような差が現われるでしょうか。

稲を育てる時でも、生育期間の一時期、わざと水を枯らし、
栄養枯渇状態にし、その間に土の中にしっかりと根を張らせると、
強い風にも倒れない、実りをしっかり讃えた丈夫な稲穂が育つそうです。

体の機能に障害があるのを克服し、
残された機能を懸命に活用しようとしている人の中には、
一般の人には考えられないような優れた能力を発揮する人がいます。


人でも、動物でも、植物でも、
外から十分に恵みが与えられている時には、
内側に秘めた能力を目覚めさすことができません。

今私たち人類に求められているものは、
命の原点に立ち返ることであり、
その内に秘めた能力に目を向け、それを賦活させていくことです。

これはこの地球に暮らす人類全体の魂の奥底から湧き出てきている思いであり、
これに目を背けることは絶対にできません。


その命に向かって目を向け、
私たちが本来持っている力を引き出していく方法は、
やはりふたつしかありません。

自らの手で引き出すか、外から無理矢理引き出されるか、このふたつです。


近い将来人類に危機が訪れて、
ごく一部の人しか生き残れないという説があります。
これは私たちが自らの手で命の輝きを引き出せなかった時の
最悪のシナリオでしょう。
その可能性は絶無ではないと思います。

けれども近未来への道筋は、
これから私たち一人一人の意志と行動によって創り上げられていくものです。
また長い目で見た明るい未来への道は、決して変わることはありません。


もう自分の外側にばかり目を向けるのはやめましょう。
本当の宝物、見つめなければいけないものは、自分の内側にあるのです。

自分と他人を比べ、卑下することはやめにしましょう。
自分を深く愛し、労ってあげましょう。
あなたの心の奥底は、誰よりも、あなた自身に愛されることを求めています。

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私のホームページを見た方からよくメールをいただきます。

中には個人的な悩み事を書いてくださる方もいて、
私のような人間に相談をしてくださるなんて、
本当にありがたいような、申し訳ないような ・・・ そんな気持ちになるのです。

なかなか適切なお返事はできないのですが、
いただいたメールを読ませていただいたり、
お返事を書かせていただくことにより、
自分自身で思わぬことに気がついたり、
新たな決意ができたり、
また心の奥につかえていたわだかまりが吹っ切れるようなことがよくあります。

形としては、ご相談いただいた内容に私が返事をするということになるのですが、
これには究極的には問いかける側と答える側といった上下関係みたいなものは、
まったく存在しないものと考えます。
すべての出会いは必然、すべては自らが創り出したもの、
そしてそこから感じ、学び合うのもお互いだと感じるからです。

お互いに気づき合う、引き出し合うって素晴らしいですね。
励まし、アドバイスをするようなメールを書かせていただいて、
胸が熱くなることがよくあります。

やっぱり本当に素晴らしいものって自分の内にあるんだな、
それを引き出すこと、その引き出す機会が大切なんだな、
そんなことを思い、今日のページを書かせていただきました。


人という字は、人と人とが支え合うっていう意味なんですね。
そのためにも、まずは自分自身を深く深く愛しましょう♪

自分を愛するのは簡単なこと、
ちょっと目をつむり、幼かった頃の自分を思い出せばいいだけですよ♪ (^o^)v



2011.7.5 Tuesday  
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