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ヨガナンダ



生きること

一昨年インドの孤児院(ホーム)を訪ね、
たくさんのことを学び、日本について、インドについて、
生きるとは、幸せとは、 ・・・ いろんなことを感じさせてもらいました。

あの輝くような子どもたちの笑顔からもらった喜びは、
言葉ではとうてい表現できるものではありません。

子どもたちにまた会いに行きたい、・・・
まるで遠距離恋愛の恋人を思うような気持ちをこの二年間抱き続けてきましたが、
その思いがようやく叶い、
来月4月の末から再びインドに行くことができるようになりました。

一昨年インドに行って孤児たちから学んだこと、
それを今再び思い出し、心を新たにしています。


ホームの子どもたちは限りなくフレンドリーで、
私に対して全身で愛を振りまいてくれました。

純粋で可愛い子どもたちですが、
何かの作業に取り組んでいる時は、凛とした厳しさがあり、
たとえ日本の小学校高学年、中学生ぐらいの年齢ぐらいであっても、
一人前の男の風格を持っています。



厳しまなざし、腰の入った仕事っぷり、
その凛々しく淡々と仕事をこなす姿は、
男の私でもほれぼれとするほどです。

そんな男らしい一面を持つ彼らですが、
遊具で遊び、私と戯れている時は、
作業をしている時には考えられなかったようなあどけない素顔を見せてくれます。

上の写真右側の彼が、私にリスを見せてくれました。





この日本の男の子にはない、輝く瞳と悠然とした男らしい雰囲気を持つ彼が、
遊具の前でビデオを回すと、両手を振って嬉しそうにはしゃぎ、
まるで赤ん坊のような可愛らしい笑顔を見せてくれるのです。
この動画の最初の方で、オレンジ色のシャツを着て飛び跳ねているのが彼です。



こんな対極な姿を見せられると、心がとろけそうになりますね。 ^^☆

年齢的にはまだまだ子どもです。
しかも親を亡くし、または親元から離れて暮らし、
さぞや日々寂しい思いをしていることでしょう。

けれども普段はそんな顔を微塵も見せることなく、
誰にも甘えることなく、
淡々と自分の目の前にあることをこなしながら生きています。
そんな姿に、私は胸が締め付けられるような思いでした。

私がホームから離れる日の朝、
石垣の上に座っている彼の横に腰掛け、
彼の肩をそっと抱き寄せました。

彼はほんの少し嬉しそうな顔をして、
私の腕に体を預けてくれました。

その時彼が言葉にならない言葉で、
私に語りかけてくれました。

酒井、あなたは一生懸命私たちに対して
価値ある人間になろうとしているけれど、
そんなことをしなくてもいいんだよ。

酒井、あなたがただここにいてくれるだけで僕たちは幸せなんだ。

あなたは価値があるから生きているんじゃないんだよ。
生きている、そのこと自体に価値があるんだ。

一緒にここにいてくれてありがとう。



これに勝る救いの言葉はあるでしょうか。

私は彼らから愛というものを、生きるということの意味を、
再び、そして新たに気付くキッカケを与えてもらうことができました。

彼らから受け取った愛を、私は他の人たちに伝えていく義務があります。

「自分を愛する」、これほど簡単でかつ難しく、
これほど身近であり、かつ尊いものはありません。

現代人にとって「自分を愛する」とは、
自分の真の姿を見つめるための最初の関門のようなものです。

まずは鏡の前に立ち、鏡の中の自分に向かってこう唱えてください。
あなたは価値があるから生きているんじゃないんだよ。
生きている、そのこと自体に価値があるんだ。


ありがとう、愛しているよ、・・・
鏡の中のあなたは、あなた自身から声をかけてもらうことを、
誰よりも待っています。

2010.3.30 Tuesday  
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