音から学ぶ本質論<4>
真理に満ちた音の不思議世界、今回は振動の影響ということを考えてみます。

電気増幅された音を楽しむ現代オーディオの世界では、
機器は大きくふたつに分類することができます。

機械振動と電気振動を変換する機器、昔のレコードプレーヤーやスピーカー等と
純粋に電気的な処理のみを行う機器、アンプ、チュナー等です。

針先の機械振動を微弱な電気振動に変換するレコードプレーヤーや
電気信号をマグネットを介して機械振動、音としてアウトプットするスピーカーは、
その変換に高い厳密性が求められるため、
機器の置き台、置き方により音質が大きく左右されるということは古くからの常識でした。

しかし最近、ここ十数年ぐらい前から、
電気的処理のみを扱うアンプやCDプレーヤーにおいても
その機器全体、また内部のパーツ、基盤の機械的振動処理によって
音質が大きく変化するということが一般論として言われだすようになりました。

機器を置く高価なラックや機器の脚となる一個数万円もするインシュレーターが
「費用対効果の高い音質改善グッズ」としてマニアの間で高い評価を得ています。
(ちなみにインシュレーターは3個または4個で一組です)



なぜ電気回路の機械的振動処理で音が劇的とも呼べる変化をするのか、
これもまことにもって不可思議なことですが、
市場の評価がその変化の大きさを雄弁に物語っています。

振動対策は、ただ動かないように押さえつければいいという訳ではありません。
早く減衰するよう吸収力を高めるだけでも不十分です。

本来持っている美しい響きを、より自然な形で活かす、
という表現が一番適切かもしれません。

これまでの物理学では、
電気的処理における機械的振動の影響という考え方は、まったく存在しませんでした。

電気振動と機械振動は、まったく別の次元のものと考えられ、
その相互の質的影響についての研究は皆無です。

しかしオーディオという良質の音を求める趣味的分野において、
その相互の関連性の深さが浮き彫りになってきました。

次元を越えた影響力、一見別のものと考えられているもの同士にも
深い関連性がある。

これは文明法則史学的に言えば、これから800年の大きな周期で始まろうとしている
「東洋の理」そのものです。

その文明法則史学の時間と空間次元の文明度が描く二重らせんは、
三次元空間のDNAが描くそれと次元を越えたフラクタル構造をしています。

すべてのものが次元を越えた共通性を持ち、そのことに着目すべき時代になったようです。

音の世界は神秘とも言える宇宙の真理に満ちています。
しかしそれは音の世界だけではないようです。

十数年前に素晴らしい書物を読みました。

人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ
人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ

砂遊びをする幼稚園の砂場、そこで学ぶ様々なルールの中に、
大人になってから必要なものすべてが含まれているというお話です。

音、幼稚園の砂場、この宇宙森羅万象すべてのものには
自己完結性のある「宇宙の真理」が潜んでいるのでしょう。

存在するすべてのものが「宇宙の縮図」、
フラクタル構造を持っているのです。



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