サックス・プレーヤーズ |
懇意にしていただいている歯科医師、山崎俊二先生のお誘いで、 先生が通っておられるサックス教室の発表会を聴きに行ってきました。 場所はSOHOという広島の歓楽街のど真ん中にあるライブハウス、 開演20分以上前に会場に着きましたが、 中は熱気むんむん、楽しそうな笑い声の聞こえるフレンドリーな雰囲気です。 定刻通りに演奏はスタート。 ソロあり、合奏あり、十数名のアマチュア演奏家の方たちが 入れ替わり立ち代りステージに立ちます。 ![]() 山崎先生のソロ、なかなか渋いです。 先生は歯の噛み合わせ治療の専門家で、噛み合わせの具合によって息の出方、 サックスの音色に差が生じるとのことです。 たしかに聴いていて、サックスは呼吸、体力勝負といったところがあります。 ひとつの音を出すのにかなりの肺活量が必要です。 強い呼吸力があってはじめて、ひとつひとつの音のメリハリ、俊敏な音の立ち上がり、 速いフレーズでの音の切れが表現できます。 なかなか大変な楽器ではありますが、 その分スローなテンポの曲であっても単音の音色だけで「聴かせて」しまえる のですからすごいものです。 私はギターを弾きますが、ギターでは単音をポロンポロンと爪弾いただけでは なかなか様になりませんから。 自分の身体から出る息という空気をサックスという道具を使って 音、音楽に変換する。 このストレートな仕組みが、ギター、ピアノ等と比べて よりひとつの音に力を生じさせ、演奏者の個性が反映されやすいのだと 感じました。 ![]() サックスの音は十人十色、セミプロ級のテクニックで自由自在に吹き鳴らす人もいれば、 一生懸命練習したアドリブの速いフレーズで音がだんごになってしまっている人まで。 けれども聴いていて、どの演奏も楽しく素晴らしいものです。 それは吹いている人自身が楽しんでいるから。 一生懸命に練習を積んで、この日ステージで演奏できることに 喜びを感じているからです。 その気持が聴き手に伝わってきます。 また聴いている方も、多分ほとんどが身内、関係者の方なのでしょう。 演奏している人たちと喜びを共有し、ともに楽しみ、盛り上げようという 熱い心があふれていて、 会場全体とてもいい雰囲気です。 管楽器に関しては、全くの素人なのですが、 いい演奏をする条件というものを素人なりに少し推察(!)してみました。 ・テクニック サックスの指遣い、見ている限り、 小学校で使っていたリコーダーより難しそうです。 また口元のリードを鳴らすのもそれなりの技術がいりそうです。 ・耳 同じ指遣いでも、息の吹き方(?)で様々な音色を表現できるのが サックスの楽しいところ。 自分の出している音を常にフィードバックし、 イメージしている音を出すにはいい耳(聴覚)が必要でしょう。 ・音楽性 アドリブのフレーズ、バックの演奏と合わせるリズム感、 演奏技術がイマイチでもいい音楽性を持っている人は分かるものです。 ・呼吸力 絶対的な肺活量とともに、吐く息の量、力を一定時間安定させたり、 瞬間的にコントロールする力が必要でしょう。 腹式呼吸、丹田を鍛えることが大切ですね! ![]() 演奏会は途中休憩をはさんで3時間近く、 最初はちょっと硬かった演奏も徐々にリラックスムードで「いい感じ」に なってきました。 もっとも聴き手にアルコールが徐々にしみ込んできた ということにも原因があるのでしょうが・・・。(=^_^=) ![]() 演奏会の最後は、先生である清水末寿氏の演奏です。 清水氏の吹くサックスは、 「日本では」という冠なしに一流と表現するにふさわしいものです。 けれどもこうして一流演奏家の音を耳にしても、 生徒さんたちアマチュア演奏家の音も十分に 楽しめたな、というのが偽らざる実感です。 音楽というものは、楽しみ、喜び、 人間の様々な感情を表現する手段なのですから、 それが伝わってくれば、それはそれでもう満点なのですね。 人様の楽しそうに演奏する姿を目の前で見て、聴いて、 自分もがぜんやってみたくなりました。 アドリブのフレーズ、ギターを弾く自分としては 「そこはこうした方がいいのに」 と思うところが多々あり、 聴いていて体がムズムズしてきそうでした。 文章は読む楽しみと書く楽しみがふたつでひとつ。 音楽も聴く楽しみと演奏する楽しみ、どちらも味わえたらベストです。 楽器と親しむようになって約30年、 これからも仲良く付き合っていきたいと意を新たにしました。 楽しい演奏を聴かせてくださった皆さん、 本当にありがとうございました。ヽ(^o^)ノ |
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