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利点と不都合

もう四半世紀ちょっと前のこと、
病や心の傷など、抱えている問題をクリアーにするための
ワークショップに参加しました。

そこで学んだのはこのようなことです。
ある人が慢性的に喉の痛みを感じているとしたら、
まずはその痛みはどのような精神的影響から発しているのか、
それを幼い頃からの記憶を辿りながら感じ取ります。

もしお母さんがとても厳しい人で、
お母さんの前では言いたいことが言えなかった、
言えないがゆえ、喉を押さえつけられているような感じだった、
そう自覚したならば、
その心の中にある思いを解放するワークをします。

まずはグループになり、
ある人が、その解放する人になったつもりで椅子に腰を下ろします。
そしてその後ろにもう一人の人が立ち、
その人はお母さん役で、椅子に座った人の喉に手を掛けるポーズをします。

最後は解放される本人がお母さん役の人に近づいて、
幼い頃の自分になったつもりでお母さんに声をかけます。
「お母さん、もっとお母さんの気持ちを分かってあげられたらよかったね・・・、
 ごめんね。 だからもう苦しめないでね・・・」
こんな感じて、椅子に座った人の喉にかかったお母さんの手をほどいていくのです。

今これを書いていて当時のことを思い出しました。
ある子宮に病を抱えた女性は、
心の中を探っていくと、
以前不倫関係にあった男性のことが忘れられず、
その男性に対する怒りや憎しみを表に表すことができず、
それが内面に鬱積し、子宮に障害を抱えるようになったとのことでした。

そしてその女性はそれを自覚し、
その男性に対する憤りを大声でぶちまけたら、
その瞬間から子宮がスーッと楽になったそうです。

肉体的、外的に表れるものの奥には、
秘められた内的要因があるということを、
その時教えてもらいました。


そこでははさらにもうひとつのことを教わりました。
それは自分にとってどんな嫌な事であったとしても、
そこには必ず自分にとってメリットとなることがあり、
やはりそれも自覚し、
それを解放しない限り問題は解決しないということです。

これは今で言う “引き寄せ” と関係することで、
このことは、それ以降もずっと頭の中に残り続けています。

問題を起す子どもは、
その内面に、親の注目を引きたいという意識があると言われます。
また問題児を抱える両親の中には、
冷めた夫婦間の絆を深めるため、
子どもの問題を創り出しているというケースもあるようです。

どんな病気や事故、災難でも、
その影響を幅広く考えていくと、
ほんの少しでも自分にとってメリットとなることが見つかるはずです。

「だからそのことを望んだのだ・・・」とまでは断言しませんが、
それを考えることが、
問題解決への大きな糸口となることは間違いありません。


これは物事の善悪を分けるのではなく、
すべてのものに価値を見出す東洋的な考え方、ものの見方です。

西洋は、太陽を生命のシンボルとして崇めますが、
月は不吉なものとして忌み嫌います。
それに対して東洋は、太陽も月も、陽と陰として、
どちらも愛し、喜びを持って眺めることができます。


セドナメソッドでこれに相当するのが、「利点と不都合」という考え方です。
利点とは、メリット、好都合、得、利益、魅力、
不都合とは、デメリット、損、不利益、懸念、気が進まないこと 等です。

今自分が抱えている目標、意志決定、問題、習癖、ポジティブな感情、
どのようなものにも、必ず利点と不都合があるはずであり、
それを突き詰め、解放していくことで、
その課題の解決に向けて大きく前進させることができます。

これは本当にすごいです。
なぜすごいのか、
それは、自分が抱えている様々な課題に、
自分にとってのメリットがあるなどとは普段ほとんど考えることはなくいからです。

だからこそその心の奥に潜む問題(メリット)が、
いつまでも触れられることなく残っているのです。


テキストには、「利点と不都合」を解放した具体例が載っています。

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ローラという肥満に悩む女性は、
その肥満に対するメリットを問われても、
どうしてもそれを思いつくことができませんでした。
けれど何度も繰り返し問われ続け、ついに九回目にそれを問われた時、
激しい感情とともに、
二十年前に別れた元夫とのことを思い出します。

その頃彼女は病気で入院していて、
その時に、元夫は彼女の承諾なしに二人のお金を投資に使い、
全額をすってしまったのです。

その時彼女は怒りに駆られ、夫への復讐を思い、
当時は理想的体重でまれに見る美人だった彼女は、
みるみる肥満体へと変身していったのです。

そのことを思い出し、その感情を解放し、
これまでどんなダイエットをしても減らなかった体重が、
一年後には標準体重に戻ったとのことです。

『肥満にしがみつく理由(メリット)』を彼女は手放したのです。


これはとてもわかりやすい例ですね。
そしてどんな人でも、
こんな『自分を傷つけるメリット』を抱えているのではないでしょうか。

セドナメソッドを用いて心の中を探っていくことは、
『心の旅』とも言えるものです。
そしてその中でも、この「利点と不都合」は、
最も大切なものであると感じます。

それは「利点と不都合」が、
抱えている様々な課題にとても大きな影響を与えているにも関わらず、
その存在になかなか気づくことができないからです。


テキストにはこう書かれています。

私は、同じ利点不都合の手順のワークシートに数日かけて取り組んだことが何度もあります。
完璧だと思えるまでやり直し、とてつもない洞察と利益を得ました。

・・・・・・ の利点と不都合は何だろう?

・豊かさ ・貧困/負債 ・この決定 ・平静さ ・ストレス ・喜び ・悲しみ
・恐れ ・運動 ・喫煙 ・飲酒 ・過食 ・自由 ・病気 ・健康
・結婚/パートナーシップ ・独身でいること ・仕事 ・遊び/余暇
・職がないこと ・与えること ・受け取ること



利点と不都合は、身の回りのすべてのものを見直すキッカケとなります。
そしてその解放を進めた時、
『すべてのものには意味、価値がある』
ということを、より深く得心することができます。

スピリチュアルな世界で『ワンネス』ということがよく言われます。
これはすべてがつながってひとつだということで、
その意味することは、「利点と不都合」の解放が目指すものと同じです。

これは究極の世界への架け橋です。

2017.9.2 Saturday  
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