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部屋の様子と頭の中はフラクタル

いらないガラクタを整理して、部屋をきれいに保つ、
これは部屋という空間だけの問題ではなく、
その部屋の持ち主自身の心のあり方をも表します。
だから部屋を片付けることはとても大切なのです ・・・ 。

このことはたぶん多くの人が納得されることでしょう。
では皆さんそれをきちんと実践されているでしょうか ・・・ 、
不況、不況と言われながらも日本は豊かなモノ余り大国です。
あふれかえるようなモノに囲まれて、
普段から整理整頓が十分できていないと感じておられる方が
多いのではないでしょうか。

ガラクタを処分し部屋を整理整頓すること、
これを大切だと思うことと
それを実際に実践することには大きな隔たりがあります。

いつかやろうと思っているんです、
また今度ついでの時に、
時間に余裕ができた時に 、
近いうちに家具を買い換える予定があるからその時に ・・・ 、
片付けがなかなかできない理由は数々あるでしょう。


なぜ片付けの大切さを知ることと実践することには
大きな隔たりがあるのでしょうか?

部屋の片付けというものは、
頭で考えると簡単そうに思えます。
けれども実際は、片付けというのはその人の持つ持ち物との関わり方、
その人自身の生き様、物質的、精神的なものを含めた
周りのすべてのものとの関わり方が分るほど
深い心の奥底が表に表れるもので、
片付けとはその人の生き方そのものを変えるほどの大事なのです。

二十年ぐらい前、ある天才的な頭脳を持つ人から
「その人の部屋、本棚を見ると、その人の生き方、考え方が分ります」
という話を聞かされました。

そのことは聞いてすぐに納得できました。
納得したので自分でもすぐに部屋の片付けを実践 ・・・
とは当然できません。
“分っているのに片付けられない” この苦悩と戦いながら、
日々少しずつ片付けができる自分に変身していく、
これが私の二十年間の片付け、スペースクリアリングの歴史です。

部屋の中は散らかり放題、どこに何があるのかさっぱり分らない、
そんな部屋の持ち主が、
外ではきちんとスケジュール管理をし、
計画立てて物事をテキパキとこなしていく ・・・ 、
そんなことはあり得ません。

そして当然、逆もまた真なりでしょう。
家の中がキチンと片付いている人は、
外での行動にもそれなりの折り目正しさが自然と表れてくるものです。

部屋や本棚の状態がその人の心、頭の中の状態とフラクタル(自己相似形)
であるということを知るようになってから、
人の家を訪ねた時は、そのことを意識するようになりましたが、
これは例外なく当てはまる法則だと感じています。


部屋を片付けるのは重要なことですが、
たしかにとても大変なことです。
けれども部屋の状態とフラクタルであり、深い関連を持つ
その人自身の心のあり方、生き様を、
片付けとは別の方法で改革しようとするならば、
それはさらに困難であり、時間も手間もかかることです。

片付けは誰にとっても面倒で困難なことではありますが、
その人の心の改革法としては、
他のどんな手法以上に効果的かつ本質的であり、
お金もかからず短期間に大きな成果を得られるものです。


自分の生き方、考え方、
それが現在の部屋の中の様子にどのように反映されているのか、
一度じっくりと心を澄まして眺めてみてください。

そしてこれからの人生をどう生きたいのか、
そしてそのためには部屋をどのように片付けたり、
模様替えするのがいいのか。

座禅を組んで心の中を見つめるのは内観です。
それとはまったく対極的な、自分の最も身近な外のモノを見つめる行為も、
鏡の如く、内観とまったく同じ意味があるのです。

2010.2.2 Tuesday

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