武田山登山
三月に入り少しずつ暖かくなりつつあり、今日は天気もよく絶好の登山日和です。

この5、6日前から風邪をひき体調を崩し、
今日もまだ回復度80%、万全とはいえない状態なのですが、
せっかくの好天、まだ鼻声の身体を奮い立たせるように自転車に乗り、
安佐南区にある武田山に出かけてきました。

途中「平和公園」を横切るときれいな白梅が、
「ちいさな春みつけた」といった気分です。

平和公園の白梅

武田山はJR可部線下祇園駅の西方に位置する山、
私の家からは自転車で一時間弱、
下祇園駅を過ぎ、少し上り坂になったあたりで自転車を置き登山スタートです。

祇園の車道を武田山目指して

しばらくは古い住宅地の中、
狭い車道の奥に武田山を眺めながら登っていきます。

写真で分かるとおり今日は青空がとてもきれいです。
風もほのかに温かく、前回松笠山に登った二週間前とは月も変わり、
季節が大きく移ろっているのを肌身で感じます。

しばらく歩いていると道端に夏みかん(たぶん?)の樹を発見。

夏みかんとツバキ

夏みかんのオレンジ色と奥のツバキの赤い色とのコントラストが目に鮮やかです。

またしばらく歩くと田んぼのへりに無造作に積まれたトロ箱が、
「仙崎ぶり」、山口県仙崎漁港から来たものでしょう。

「仙崎ぶり」のトロ箱

仙崎といえば「仙崎かまぼこ」で有名なところ、
そしてもうひとつ思い出されるのが有名な童謡詩人 金子みすゞ ですね。

金子みすゞ、素晴らしいです。
彼女が脚光を浴びる少し前、昭和の終わり頃に二回ほど矢崎節夫氏の講演を聴き、
それ以来彼女の万物に対する愛にあふれた詩が大好きです。

金子みすゞ―生誕一〇〇年記念
金子みすゞ―生誕一〇〇年記念
矢崎 節夫

車道の終点「武田山憩いの森」です。

武田山憩いの森

十年ほど前にも武田山に登ったことがあるのですが、
ここに来てその当時の記憶が蘇ってきました。
あの時は5月のG.Wでした。

桜の樹がたくさんあります。
お花見をするのにいいでしょうね。
あと一ヶ月、本当に楽しみです。

しかしその桜の木々の向こうには、
哀れ松くい虫にやられボロボロになった松の姿が、
山肌には裸になった樹もたくさん目に付きます。

松枯れの惨状

中国地方は特にひどいとは聞きますが、
見る度に心が痛みます。
本当に地球は大丈夫でしょうか??

ここからは山道となりますが、
武田山はわりとポピユラーな山ですので、
登山道も整備され歩きやすくなっています。

ここでも年越しのイガグリを発見。
今度は中身が入っています。

イガグリ

中の栗を触ってみましたが、見て触った感じは新鮮そのものです。
イガが中の栗の鮮度を保ってくれているのでしょう。
自然の知恵ですね。

山道はところどころ険しい箇所がありますが、
このようにトラロープが張ってありますので、
それを伝って歩けば安心です。

登山道とトラロープ

写真で白っぽく見えるのは残雪ではありません。
木漏れ日ですので、念のため。

歩き始めて約30分、馬返しに到着しました。

馬返しから下界を望む

武田山はその昔、銀山城(かなやまじょう)という武田の城があったところ、
この馬返しまでは馬を使って登り、
ここから先の険しい道は人力で登ったということです。

ここに来るまでもけっこう険しい箇所がありましたが、
馬の力はすごいですね。
『すごい馬力だ!』と驚きました。

そういえば・・・、『驚』という字の中にも『馬』が入っていますね。
やはり馬とは驚くべき存在なのでしょうか。

これは御門跡から見た景色、昔お城の門があったところ、
頂上まであと一息です。

御門跡から瀬戸内海を望む

遠くに似島、能美島がはっきり見えます。

御門跡からほんの10分ほどで武田山の頂上に到着。
標高411m、さっきと同じ方角で写真を撮ってみましたが、
あまり違いは分かりませんね。

頂上から瀬戸内海を望む

頂上に着いたのは午後2時過ぎでしたが、
ご夫婦が一組と10名ほどのボーイスカウトの団体がおられました。
市内中心部に近く、気軽に登れるいい山です。

今日は体調が完璧ではないので、なにか甘い飲み物、
ハチミツ入りのアップルティーでも飲みたい気分ですが、
突然ないものねだりをしても仕方がありません。

リュックの中にあった「クノール・ポタージュスープ」を飲むことにします。

クノール・ポタージュスープ

このポタージュスープ、よく愛飲させていただきますが、
しっかり混ぜたつもりでも、いつも最後にかたまりが残ってしまいます。
どうにかならないものでしょうか。

同じく頂上から西の方角にカメラを向けました。

頂上から西方を望む

緑井、高陽町方面がよく見えます。
いつも走り回っている場所をひとつひとつ目で確かめてみるのは楽しいものです。

下山しかけるとすぐに大学生らしい4人組と出遭いました。
  「すみません。頂上まであとどれぐらいですか」
  「すぐそこ。息を止めてでも登れるよ」
もうすぐ頂上だと分かると、とたんに嬉しそうな顔をしだします。

約10秒後、元気のいい声が聞こえてきました。
  「お−い、着いたぞ−!」
どうぞしっかり頂上からの景色を堪能してください。若いっていいですね。
かくいう私も若いですけど・・・!!

下山は来た道を引き返します。
武田山の隣に火山(488m)があり、そちらを回るコースもあるのですか、
今日は無理せず帰ることにします。

どうやら体調もほぼ回復したようです。
帰宅後数日(6日!)振りに風呂に入りました。
汗をかいたし本当に気持ちいいです。

いい空気を吸い、自然と触れ合い、体調も元に戻り、
いよいよ明日からまたエンジン全開で顔晴れそうです。

2005.03.06 Sunday


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