我が魂の遍歴と新しい時代の理
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天命の導き

私はいつも知ったようなことを偉そうに語っているので、よく人から「子どもの頃からよくお勉強ができたでしょうね」と聞かれるのですが、それはまったくの誤解です。
勉強ができたどころか超劣等生、完全な低学力児童でした。

いかに勉強ができなかったか、それを示す事例はいくらでも挙げることができます。
小中学校の9年間、クラスで真ん中より上の成績を取ったことは一度もありません。
ひどい時は五段階評価の3が二つか三つ、その他は1と2ということがありました。
中学校二年生の時は、三者面談で先生から「酒井君はクラスで最低の成績です」と宣言され、
その場で母親があまりの情けなさに涙をこぼしました。
後日その現場を目撃したクラスの友人たちから大いにからかわれたものです。

とにかく家では宿題はおろか家庭学習というものは一切しません。
学校でも授業を聞かず、先生から怒られる回数はクラスでダントツNo.1でした。

それでも何とか高校、大学と進学できたのは、積み重ねの学問である算数・数学がまったく勉強しないにも関わらずよくできていたからです。
小学校の頃から算数の計算テストはクラス最速です。
早くテストをやって、余った時間に問題用紙の裏に堂々とイタズラ書きをするのが何よりの楽しみでした。

中学校でも方程式や関数はお手の物、特に中三で習う確率・統計は完璧にできていました。
授業で教わるまでもなく、教科書を見ただけですべての問題の解答を容易に導き出すことができました。
しかもほとんど頭の中だけの計算です。

友達は絶賛してくれましたが、私としてみれば、こんなおはじき遊びの延長のようなことをわざわざ授業で勉強するということが、とても不思議に感じられました。

高校一年でも確率・統計が出てきました。
入学前、数学の参考書としては最も難しい「研究数学Ⅰ」(旺文社)を買い、その章の一番最後にあった慶應大学医学部の入試問題を解いてみました。
さすがに頭の中だけではできませんでしたが、紙の上で少し計算をすると解答が明らかになりました。


私が因縁あって宇宙(時空)、生命の実相を知ろうと志し、それを一人で探求するにあたり、この天から与えていただいた論理的思考能力、分析力というのは、何よりの強い味方でした。

神因縁というものを天理教を信仰する中で持つように至ったのは、先に書いた通りですが、その神因縁を持つということも、運命、あるいは天命として生まれ落ちた瞬間から決まっていたのではないかと思います。
そう考えた方がすべてのことがより高い整合性をもって理解できます。

私がこれからの時代の「生命の理」を探求するにあたって、そのベースとなったものをまとめてみると以下のようになります。

・ 真理を知りたいというあくなき探求心
・ そこで知り得たものを多くの人に伝えたいという情熱
・ 神因縁に導かれた多くのスピリチュアルリーダーの方たちとの出会い
・ 文明法則史学から学んだ生命の本質
・ 天から与えていただいた高い論理的思考能力と分析力

たぶんこの五つの内のひとつでも欠けていれば、現在私の頭の中で構築している「生命の理」というものは築くことができなかったでしょう。

生命の理というのは東洋哲学の根本です。
これは西洋の科学的思考の対極にあります。
東洋、生命の真理が極めてシンプルであり、深い真理ほどより簡単なものであるのに対し、西洋科学は、深めれば深めるほど、より難解な世界へと入っていきます。

西洋科学で大きな成果を得ようとするならば、ノーベル賞学者たちの研究を見れば明らかなように、膨大な知識、立派な研究施設、多大なる研究費用等が必要となってきます。
私のような非組織的で、机に向って勉強するのが大嫌いな人間にはまったく縁遠い世界です。


東洋の理、生命の本質は、本質に近づけば近づくほど、よりシンプルな形となり、子どもにでも容易に理解できるものです。
それを追い求めるのに高い学歴、知識、研究施設等は必要ありません。
基本的には、それを知りたいという志、そして自然から学ぶという姿勢さえあれば、国籍、年齢、性別、知識の有無は関係ありません。

東洋を知り、命とは何かを追い求め、理解が深まるとともに、それまで学んできた知識が様々な形で繋ぎ合わさり、頭の中はよりシンプルになってきました。
シンプルでかつ美しく、誰にでも真理の門戸を開いた宇宙(時空)、生命の実相、これを知るには、何かを学ぶのではなく、ただ心を澄ますことが求められます。

心を入れかえて幼な子のようにならなければ、天国に入ることはできないであろう。
               ~ 新約聖書 マタイによる福音書 第十八章三節 ~


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