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統合の理

「心とからだの健康レポート」の噛み合わせの驚異<2>
前歯や脳梁には「統合の理」があると書きました。

前歯や脳梁はそれぞれ左右の歯、右脳、左脳を繋ぐもの、
いわゆる陰と陽とを統合する役割を果たすものです。

陰陽論とともに宇宙の構成要素を表す五行論、
この中にも陰陽と同様に統合の理を見ることができます。

五行の構成要素は木火土金水(もっかどごんすい)、
五行論では五色(色)、五方(方位)、五時(季節)、五臓(内臓)・・・等
宇宙の森羅万象様々なものをこの五つの要素(五気)に還元し配当しています。
  <五行配当表>

五行の木火土金水にも陰陽があり、
木火が陽、金水が陰、そしてその間にある土が中間的性質を備えています。
そしてこの中間的性質を持つ土が五行の中で繋ぎ、統合の理を果たしているのです。

例えば季節は四季で表され、五行で言えば春は木気、夏は火気、秋は金気、
そして冬は水気となります。
残った土気は四季の繋ぎの役割となり、
春夏秋冬、それぞれの季節が移ろう境目の十八日間は土気となり
「土用」となるのです。

土用の図
    ダルマの民俗学―陰陽五行から解く より

夏の暑い盛りにウナギを食べる土用は、
上記4つの土用のうちの夏から秋へ推移する時の土用に当たります。

4つあるうちなぜ夏から秋への土用だけが重視、着目されるのか、
ダルマの民俗学 の著者吉野裕子さんによると、
夏は火気、秋は金気、つまり夏から秋への推移は火は金属を溶かしてしまうという
相剋関係(火剋金)にあたるため、
途中に土気を挟むことで火生土、土生金という相生関係に変化させる意味合いがあり、
ことさら重要視されているとのことです。

五行の相剋、相生関係は通常はこのような五角形で表されます。

五行の相剋関係    五行の相生関係

けれども統合の理を持つ土気を中央に持ってきて、
下図のように表すことも可能です。

五行相剋相生図
    ダルマの民俗学―陰陽五行から解く より

五行の中では土気が統合の理を持っていますが、
五つあるものの中でひとつが統合の役割を果たしているというものは
私たちの身体にも見ることができます。

手をひろげてみてください。
親指と他の四本の指が対になっているのが分かりますでしょうか。
親指と人差し指をはじめとする他の四本の指が連携して動作をすることで
ものを掴んだり様々な作業をこなすことができます。

五本の指の中では明らかに親指が統合の理を果たすものでしょう。

五体という言葉を使いますが、これは両手、両足、頭のこと、
ここではコントロールセンターである頭が統合の理にあたることは明白です。

五感、 ヒトが持つ5つの感覚、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のうちで
統合の理を果たすのは触覚です。

アダムスキー型円盤で知られる偉大なる宇宙哲学者ジョージ・アダムスキーは、
21世紀の宇宙哲学  21世紀・生命の科学 等数々の素晴らしい著書を残していますが、
その中で「五感の中で触覚は特別であり、他の四感は広義では触覚に含まれる」
ということを述べています。

狭義では触覚とは皮膚感覚です。
身体全体をくまなく包み込んでいるものです。
これは地球に置き換えたなら大地であり土に相当します。
触覚、土気、どちらも統合の理ですから一致するのは当然でしょう。


この大切な統合の理、これが働かなかったり、
陰陽五行のバランスがが崩れてしまったらどうなるのでしょかう。


強烈な色彩感覚で生命観あふれる素晴らしい絵を描く岩下哲士さん、
彼は幼児期にかかった病気のため右脳の機能を持ちません。

哲ちゃんの詩
哲ちゃんの詩          岩下哲士 インターネットギャラリー

右脳が働いていないため、両眼が開いていても左前方しか視野がなく、
会話もたどたどしく幼い子どものようですが、
彼の描く絵は強烈なパワーを持ち、見る人の心を捉えて離しません。

十年ほど前、彼の原画を広島市内のデパートで見たことがあります。
その色鮮やかなキャンパスに描かれた宇宙曼荼羅のような絵からは、
人間が本来持っている偉大な生命エネルギーがあふれていました。
私個人の感想としては、インパクトはピカソ以上です。

「レインマン」という映画をご覧になったことがあるでしょうか。

レインマン
レインマン

この中でダスティン・ホフマン演じる知的障害を持つが故に
特異な能力を発揮する主人公は、
キム・ピークというサヴァン症候群の人物がモデルとなっています。

サヴァン症候群 キム・ピーク

サヴァンとは、賢者、知識人、天才といった意味で、
キムのように脳に障害を持つが故に特異な能力、才能を発揮する人たちのことを
サヴァン症候群と名付けています。

キムは読んだ本の内容を頭の中にコピーするように記憶してしまい、
現在9,000冊もの本の内容が正確に頭の中に残されていて、
それらを随時引き出すことが可能です。

現在でもピークは午後を図書館で過ごし、
1ページ当たりおよそ8秒から10秒の超高速でノン・フィクション、
電話帳から住所録に至るまで片っ端から読破し、
それらをつぶさに記憶し続けています。

サヴァン症候群の人たちが発揮する天才的能力は、
6桁の立方根を暗算できたり、
西暦3200年までの何月何日が何曜日かをたちどころに答えることのできたり、
盲目にもかかわらず一度聞いた曲はどんな難曲でもピアノで再演奏できたりと
実に様々ですが、不思議なことにサヴァンは性特異性があり、
男性が圧倒的に多いのです。

そのキムですが、彼は小脳に障害を持ち、
生まれながらにして脳梁を欠損しているとのこと。
彼の特異な能力は脳の未知なる可能性を示してくれています。


五体という面で見ると、「五体不満足」の乙武洋匡が明るく元気な笑顔で
多方面で活躍されていることは皆さんよくご存じだと思います。

五体不満足―完全版
五体不満足―完全版

昭和三十年代、サリドマイドという薬の薬害で、
両腕が極端に短かったり欠損している赤ちゃんが数多く生まれました。
いわゆるサリドマイド児と呼ばれた子どもたちです。

そのサリドマイド児のひとり辻典子さんを主人公にした「典子は今」という
映画があります。
典子さんは二本の足を生まれながらに持っていない両腕の代わりとして器用に使い、
掃除や洗濯、まな板、包丁を使った料理まで家事全般を事も無げにこなし、
鉛筆を足の指に挟んで書く字は、実に美しいものです。
  (私の字よりはるかにきれいです!!)


何事もバランスが保たれ、様々なものがキチンと統合されていることが
絶対的に理想の状態であると私たちはつい考えてしまうものですが、
そのバランスがどこの次元のものか、
何を基準にしているのかということを考慮しなければ
判断を誤ってしまいます。

この宇宙はすべてがフラクタルな世界です。
原子核とその周りを回る電子、私たち人間と身近な自然環境、心とからだ、
太陽と周りを回る惑星、果ては時間と空間まで、
すべてが絶妙なバランスの元、安定した状態を保っています。

しかし時は移ろい、どの様なものも状態が変化し、循環していくものです。
これは自然の絶対的な法則です。

ひとつの安定した状態を保っているもの(系)でも時が来れば
その安定した状態、バランスを一旦崩すことによって、
より大きな変化、進化への道を辿っていきます。

二本の足で大地に立った時、身体の重心は両足の真上にあります。
しかし歩を前に進めようとしたならば、
片足を前に出し、身体を前方に傾けなければなりません。

この片足を前に出し、片足が宙に浮いている状態は
それ単独で見るならばバランスが取れていない状態と言えるでしょう。
このまま身体が固まってしまったら身体が前に倒れてしまいますから。
しかしこの「バランスの取れてない状態」を経なければ
身体を前に進ますことができないのです。


真のバランスとはある一点の状態を指すものではなく、
時間的変化の中でしか語ることができないものです。

また更に述べるならば、この時空に存在するものはすべてどの様なもの、状態でも、
究極的な意味では絶対的なバランス、秩序を保っていて、
無駄なもの、調和の取れていないものなど何一つないと言えるのかもしれません。


これからは東洋、生命、そしてマクロの時代、
今までのように小さなスケールで物事のバランス、善悪を判断する思考方法そのものを
変えていく必要に迫られているのではないでしょうか。
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