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対称と非対称

時空の基本法則のひとつである共生は、
バランスが取れ、その中の要素がすべて調和していることが基本です。

胎蔵界曼荼羅 金剛界曼荼羅 

それは宇宙の縮図である曼荼羅にも表れています。
陰と陽の胎蔵界、金剛界、どちらの曼荼羅もバランスの取れた
対称形(シンメトリック)であり、
美しく安定したものを感じさせます。

美しいものにはシンメトリックなものが数多くあります。
世界遺産であり、インドで最も美しい建造物と言われているタージマハールは、
正面から見て完璧な対称性を保っています。

タージマハール

日本の社寺建築もほとんどがシンメトリックであり、
例をあげるとキリがありません。

平等院


この時空にあるものはすべて対称形で安定しているのかというと
そうではありません。

ある時間の一点だけを切り取って見ると、
そこは安定した調和に満ちた対称形であったとしても、
常に時間の流れとともにその安定は壊われ、
非対称形を経て、新たなる調和、安定を目指そうとしています。
空間にあるものはすべてが時とともに変化し、循環しているのです。

対称形が調和の取れたものであるのと同じく、
もうひとつ上のスケールで見ると、
対称形と非対称形というものも、ふたつでひとつの調和の取れたバランスなのです。


対称形は安定していて、力強さを感じさせる意味で男性的です。

能の世界の動きは男性的で、
シンメトリカルな動作が多く見られます。

能 対称性

たとえ手足の動きがシンメトリカルではなかったとしても、
腰から上に延びる背骨は常に直立し、顔は真正面を向き、
絶対にその安定感を崩すことはありません。
この身体の中心軸(体幹)の安定が、男性的な力強さを感じさせます。

ブルース・リーが「燃えよドラゴン」の中で見せたこのシーンは、
日本の能の中からヒントを得たと言われています。

ブルース・リー 燃えよドラゴン

それに対して女性を演じる女形は、この対称性を意図的に崩し、
非対称な形の中に女性的なしなやかさを演出しています。

女形

非対称形は、新たな対称形に移ろうまでの変化を表し、
女形は風になびいているかの如く頻繁に体を動かしています。


先日韓流ドラマの中でとても美しいチェ・ジョンアンという女優さんを見かけ、
彼女の画像をネットで検索してみました。

チェ・ジョンアン

目鼻立ちの整った素晴らしい美人ではありますが、
彼女の顔は明らかに左右非対称です。

唇の左端が少し上に上がり、
左目の下の頬のあたりに若干の緊張感が感じられます。

そのアンバランスな緊張感が彼女の大きな魅力であり、
その魅力は、美しさ、可愛らしさという表面的なものではなく、
女性的な妖艶さ、セクシーさという
より性の根幹に根ざしたもののように感じられます。


少し前のグラビアトップアイドルで、
テリー伊藤が「平成の吉永小百合」と語った吉岡美穂も、
チェ・ジョンアンととても似た顔立ちをしています。

吉岡美穂

これは整形疑惑ということで出ていた画像なのですが、
どちらの写真を見ても、やはり非対称形で、
チェ・ジョンアンと同じく左頬のあたりに緊張感が見られます。

そして清楚で整った顔であるにも関わらず女性的な妖しさを漂わせるのは、
やはり非対称性の持つ力なのだと思います。


さらにもう一人、70年代の美人歌手あべ静江は、
デビュー当初から絵に描いたような美しい顔立ちをしていましたが、
少しずつ歳を重ねるにつれ、
品行方正、清純な雰囲気から、
少し水商売風の色っぽさを感じさせるようになりました。

デビュー当初は、歌っている時の表情の変化はほとんどないのですが、
デビューして21年目の93年の動画を見ると、
眉やまぶた、目尻のあたりが表情豊かに動くのが印象的です。

あべ静江

上の画像はその動画の一場面を切り取ったものです。
手の仕草で分かるように、歌詞の「少し・・・」というところを歌っているところです。

「手紙 読んだら少しでいいから 私の元に 来てください♪」
この歌詞の「少し」という言葉には、
愛する男性の気持ちを引き寄せたいという女性のけなげさが表れているようで、
その時に、眉が非対称の動きをしているというのは、
歌手としての彼女の無意識的な女性性の表現なのだと思います。

女性がウインクする時に閉じるのは片目で非対称です。
小首をかしげる、片手で口を押さえる、座る時に膝を揃えて脚を斜めにする、・・・
女性的な仕草は、ほとんどすべてが非対称な形となっています。


美人薄命の代表のように語られる夏目雅子も紛れもない美人です。
そして彼女の整った目鼻立ちは、ほぼ完全な対称形をしていて、
その対称性ゆえ、男性であり聖人である三蔵法師の役を
「西遊記」の中で見事に演じきることができました。

夏目雅子 西遊記 三蔵法師

彼女の美しさは凛々(りり)しさであり、一種中性的であり美少年的でもあります。


美女の例が長くなりましたが、
この時空で最も尊いものは生命です。
この生命を生み出す元である性の仕組みの中にこそ、
深い真理の法則が表れるのは必然のことです。

今は巨大で長大なひとつの時代が終焉を迎え、
新たなる価値観を持つ新しい時代へと移行しようとしています。

今求められているものは、過去の価値体系というバランスを崩し、
未来のバランスに向けて動き、新しいものを生み出していく力です。

未来の大いなる対称形に向けて、
今は非対称の持つ循環(渦)を導く力が求められています。

これからは新しいものへと動きだし、生み出す、
非対称性を強く持つ女性の時代です。
そしてそれによっていったん形が整った後は、
安定した力強さ、対称性を持つ男性が、応用、発展させていくのです。

物事の順序の理合いは陰陽です。
陰で始まり陽で終わる。
陰で新しいものを創り出し、陽でそれを発展させていきます。

この順序の理は、
宇宙が膨張という陰性優位の形を保ち続ける限り変ることはありません。


個人も、社会も、今こそ自らの殻を破り、アンバランスな状態を作り、
そこから新たなものを創り出す力を得て、
大いなるバランスを目指す時です。

まずは一歩を踏み出すこと、
それがバランスの取れたものではなくても、
そこから新たな力の渦が巻き起こります。

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