フラクタル<1> |
生命の法則、第一番目はフラクタルです。 フラクタル、多くの人が初めて聞く言葉かもしれませんね。 日本語に直すと「自己相似形」、 簡単な言葉で言うと、 あるひとつのものや形、そこの中のある小さな部分を見ても大きく全体を見ても、 どのような大きさで見ても、ひとつの同じ形、法則性があるということをいいます。 言葉では分かりにくいので、 実際にフラクタルなものの実例を見てみましょう。 ここに一本の大きな木があります。 この大きな木の太い幹と枝を簡単な絵で描くとこの様な形になります。 中央にある太い幹から太い枝がきれいな形で何本も伸びています。 今度はその太い枝を一本切り取って、その形を見てみましょう。 太い枝からは細い枝がたくさん伸びています。 先ほどの「太い幹と太い枝」の絵と この「太い枝と細い枝」の絵は、ほとんど同じ形であることが分かるでしょうか。 さらにもうひとつ、太い枝から一本の細い枝を切り取って、 その形を見てみましょう。 細い枝にはたくさんの葉っぱが生えています。 一本の細い枝から広がるように生えているたくさんの葉っぱ、 これも上の「太い幹と太い枝」、「太い枝と細い枝」二枚の絵と同じ形をしていますね。 最後にもうひとつ、一枚の葉っぱを切り取って、詳しく形を見てみましょう。 この葉っぱの真ん中に伸びる一本の太い線、 そしてそこから枝分かれするたくさんの細い線、 これら葉脈の形もこれまでの三つの絵と同じ形をしています。 このように、この一本の大きな木は、 「太い幹と太い枝」、「太い枝と細い枝」、「細い枝と葉っぱ」 そして一枚の葉っぱ、すべてに同じ形の性質を持っています。 遠くから木全体を眺めても、近づいて一本一本の枝を見ても、 一枚の葉っぱを手にとって観察しても、 「真ん中の太い線から広がるように伸びる細い線」という 同じ形を見ることができるのです。 このようにひとつのもの(上の例では大きな木)の中に 大きなスケールで見ても、小さなスケールで見ても 同じ形や特徴を持つことをフラクタル(自己相似形)というのです。 |