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2018年10月20日 ・・・ 生体のリズム

もう今から三十年以上前、
NHKの「芸を語る」という番組に出ていた坂東玉三郎を見て、
その話の内容以前に、話をしている時の仕草や表情に
トップ女優にも勝る美しさをを感じ、驚嘆したことがあります。

幼い頃から歌舞伎の女形として女性の美を追究し、
それが極まれば、
本物の女性をも上回るものが手に入るのだということを知りました。

玉三郎の美しさは表情や仕草だけではありません。
卓越した身体能力に支えられ、
全身から発せられる立ち居振る舞いもまた美の極致です。

以前亡くなられた武道家の伊藤昇先生の本を読んだ中に、
坂東玉三郎が実にしなやかな身体の動きができることが紹介されていて、
先日そのことを思い出し、
それが見られる動画はないかと探したところ、
玉三郎が実地で身体捌きを披露している動画がありました。

この動きは武道やスポーツ全般に通じるものであり、
高い身体能力を求めている人は必見です。



玉三郎のしなやかな身体の動き、
そこからは女性美を越えた生を表現する根源のようなものまで感じられ、
玉三郎にますます興味を持ってしまいました。



そこで他の関連動画を見ていると、その中に、
休息の持つ効用を話されているところがありました。



45歳までは身体がなまるのが怖くて休めなかったが、
休養することに効用があると知り、
たっぷり二ヶ月間休養を取ることもある。

身体を動かしっぱなしだと間接も筋肉も作り直すことができず、
いったん休んでゼロから作り直すことが大切。

休み明けの仕事は大変だけど、
その後大きな進歩があり、
上に簡単に上がることができる。


このように話されています。


これにはとても納得ができます。
これは当然休養を取る前に、激しい訓練があることが前提でしょう。

ですからこれは、休養の効用というよりも、
全体を見たメリハリ、リズムの効用と呼ぶべきものだと感じます。


この時空にあるものはすべて循環しています。
そしてその循環にはリズムがあります。

人間の一生は、「遊びが仕事」の幼少期から、
モラトリアム期間の学生時代を経て社会人となり、
何らかの仕事や役割に従事します。
そして老いてはその仕事から引退し、休息の期間へと入ります。

仕事に従事している人も、
年間で見れば、盆や正月、ゴールデンウイークには長期の休みを取り、
一週間単位では、土日など必ず休日が設けられています。

一日の中でも、仕事をするのは約八時間、
その他の時間は仕事以外のこと、睡眠に費やされます。
そして睡眠中は、体を休めるケム睡眠と、
脳を休めるノンレム睡眠を90分単位で交互に繰り返します。

人間の一生、睡眠リズムの90分、
長いスパンで見ても短いスパンで見ても、
活動と休息が交互にくるリズムに変わりはありません。

ですから玉三郎の芸事の修練に於いても、
訓練と休養を大きなリズムで行った方が、
自然のリズムに則り、より大きな効果が表れるのは当然のことでしょう。


これは潜在意識の活用でも同様のことが言われます。
徹底的に頭を使って何かを学び、研究した後は、
何も考えない時間を取ると、
インプットされた知識が頭の中で熟成され、
思わぬひらめきが湧いてきます。

昔の知り合いの名前を必死に思い出そうとしても思い出せなかったものが、
そこから離れ、まったく別のことをしている時に
突然頭に浮んでくることがあります。

ピタゴラスが三平方の定理を思いついたのは、
お風呂の中でリラックスしている時だという話はとても有名です。


今毎日、生命の法則について頭の中で思いを巡らせています。
これはこれまで過去29年間学んできたことの集大成であり、
それをより簡単で的確な言葉で表現しようと、
意識を集中して突き詰めています。

けれどいくら突き詰めても次なる展開が見られなかったものが、
翌朝再び見直したり、何気なく外を歩いている時に、
まったく新しいアイデアが浮ぶことがあります。

これはまさに思考のリズムであり、
そのことを今あらためて感じています。


それにしても玉三郎の身体の動きは本当にしなやかで美しいですね。

心身一如、心と体は深いところでつながっています。
あの玉三郎のしなやかな身体の動きというのは、
きっと思考にも大きな影響を与えていることでしょう。

これから思考のリズムを意識するとともに、
身体のしなやかさを高めることにも努力していこうと思います。

2018.10.20 Saturday  
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