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2018年2月15日 ・・・ 海外支援<3>

外国に対し、真にその国のプラスになる支援とは何でしょうか。
これは人間の生きる意味や幸せを問うのと同じく、
とても難しい問題です。


政府レベルでは、
多くの発展途上国にODA(政府開発援助)が行われています。
ODAというと、橋や道路といったインフラ設備を思い浮かべますが、
実際は海賊やテロリスト対策、感染症対策といった医療支援や
人材開発など多岐に渡っています。

以前は日本のODAはモノだけを造り、
その後はほったらかしで活かされていないという批判をよく目にしましたが、
現在その点改善されつつあるようです。


経済の発展が人々の幸福に直接的に結びつかないことは、
心の病で苦しむ人がたくさんいて、
年間3万人(実際は十数万人)の自殺者がいる
日本の現状を見るとよく分かります。

けれどどこの国に於いても、
時代の流れとともに文明、経済が発展していくのは必定てあり、
この流れを変えることはできません。

そして経済の発展とともに疲弊していく人間の心や
その国の文化というものは、
いったん失ってしまえば容易に取り戻すことのできないものです。

インドでも電力事情の改善とともに田舎の村にも冷蔵庫が普及しつつあり、
これまで近くの土地で採れた旬のものを、
すぐに料理して食べるのが当たり前だったのが、
少しずつ遠く土地で採れた旬でないもの、
冷凍食品等加工されたものを口にする機会が増えてきています。

子どもたちも、幼い頃から行っている
井戸での水くみといった労働から解放され、
学校では一日中床に座って授業を受けていたものが、
机と椅子が配備され、
身体的快適度は向上していくことでしょう。

けれどこういった文明的快適性は、
これまで培ってきたその国の身体文化を奪うことにもつながります。



このホームページでは、文明や、その結果得られる快適性や利便性を
たびたび批判することを書いていますが、
現在ほとんどの人が感じている人類の危機は、
その大部分が文明の爛熟によって引き起こされたのですから、
その文明の毒を熟知し、
それに対処する術をとることは絶対に必要不可欠です。

これまでの歴史の大きな流れを鑑みるに、
これからは東洋の時代であり、
日本はこれからの時代を牽引する東洋の盟主に
ならなければならない宿命を持っています。

その日本が文明の先端を走ってきた国として、
これから経済的に伸びていく国々に対して、
そのひな形を示すべき大きな役割を持っています。

これはこれまで様々なことを学んできたことによって得た
確信の持てる結論であり、
もし日本がその役割を担えないのであれば、
残念ながら、近未来的に人類は持続可能な社会を築くことができず、
滅亡への道を歩むことになるでしょう。

ですから日本は被虐史観から脱却し、
過去の歴史を正しく振り返り、
日本の伝統文化を取り戻す必要があります。

そしてその意味では、
古き良き日本の生活文化、身体文化、
そのよさを類似して持っている発展途上国の人々の生き様から
学ぶべき、また反省すべき点が大いにあると感じます。


他の国に対して真に意義ある援助とは、
まずは最低限の人権を確保することだと考えます。

貧困ゆえの餓死者などほとんどいない日本では、
人権という言葉は遠くにある抽象的概念というイメージがありますが、
今も世界の9人に1人が飢餓状態にあり、
一日4万人の人々が餓死していると言われています。

インドでは児童労働、人身売買は深刻な社会問題です。
カースト制という身分差別が根強いインドでは、
最下層の人々が犯罪被害者になっても警察が取り合わないという現実があり、
頻発するレイプ事件、
花嫁の持参金が少ないことによって起こるダウリー殺人、
夫に先立たれた嫁が生涯隠居して暮らさなければならなかったり、、
あるいは亡き夫とともに火葬の火に入れられるサティーと呼ばれる風習等
考えられないような社会的不合理がまかり通っています。



それらは主に女性に対する差別や虐待であり、
その他にも児童婚や女性器切除(割礼)といった
無知によって引き起こされる問題もあります。




また一般的に発展途上国は自然が豊かというイメージがありますが、
政府と大企業との癒着、法や技術の未発達、低いモラル等によって、
特に都市部での環境汚染は危機的レベルに達しているところが
珍しくありません。

PM2.0による大気汚染の度合いは中国の大都市よりも
インドの首都デリーの方がひどく、
PM2.0の値はデリーが世界一です。

そんな汚れた空気の中でも、
ほとんどの人がマスクをしないのはまさにインド的です。



環境汚染の問題は人類全体に関わることであり、
これは早急に解決していく必要があります。


その環境汚染と医療環境の未整備、貧困により、
多くの幼い子どもたちが助かるべき命を落としています。

これは生存権の侵害であり、
こういった基本的人権が確保できていない国、人たちには、
海外から積極的な支援をしていく必要があると考えます。

そして最終的には、今現在直面している
人類の大きなターニングポイントに於いて、
人類すべての生き方や考え方を変えていく必要があり、
そのためにも『衣食足りて礼節を知る』の諺の通り、
まずは世界中すべての人たちの基本的人権の確保が大前提です。


自分が望む海外支援は目先のことではなく、
一人でも多くの人たち、特に苦しい境遇に置かれている人たちに、
真の幸福への道を歩んでもらうことです。
それが自分の魂が強く望んでいることだという自覚があり、
その思いに対して一点のぶれもありません。

けれどまだそれをどう具体化するかは決まっていません。
それをするためにまず最低限求められていることは、
英語力を磨き、コミュニケーション能力を高めること、
自分の中で持続可能な社会へのビジョンをしっかりと描くこと、
社会的影響力を持つ人間になること、
活動するための資金を得ることです。


幸いなことに、これまでインドを訪ねることに対して
様々な奇跡や援助がありました。

毎回多くの人から文房具やお菓子などの提供を受け、
中にはカンパしてくださる方や定期的に義援金をくださる方がいて、
そういった方たちのご援助があればこそ、
この十年間で八回もインドに行くことができました。
そのことには本当にいくら感謝しても感謝しきれません。

それでもインドに滞在している間は無収入で、
毎回帰国後の生活を心配しなければならないのが現状です。

これから活動の幅を広げていくためには、
自らの収入をもっと増やすか、
支援してくださる方の輪を広げていくしかありません。

これは今後の自分の力量次第だと考えます。
これまで必要なものはすべて与えられてきましたから ・・・ 。


発展途上国の支援として、
現地の物品をネットや店舗で販売しているところを時折見かけます。
インドで自分の活動をサポートしてくれる友人もいるので、
このことも考えてみたいと思います。

またもし皆さんがAmazonで買い物をされるなら、
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理屈抜きで感情を述べるならば、
あの純真で可愛らしい子どもたちの笑顔を曇らせたくない、
ただそれだけです。

日本に暮らす自分はすべてが満ち足りています。
その喜びを分かち合いたい、
それが自分の、そしてすべての人の幸せに通じる道だと信じています。



2018.2.15 Thurseday  
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