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2015年8月23日 ・・・ 心を傾ける

昨日の22日土曜日、平和記念公園のトイレ掃除を、
山陽高校の生徒さん三十数名を含む総勢45名で行いました。

広島には平和公園と宮島、二つの世界遺産があり、
この二ヶ所は毎年必ず大勢でトイレ掃除をすることにしています。

平和公園には原爆ドームの横のトイレを含め、
屋外の公衆トイレが五ヶ所ありますが、
昨日はその内三ヶ所を、三つの班に分かれてみんなで掃除しました。


集合時間の前、生徒たちがみんなで雑草をむしっています。
まだ夏休み期間中ですが、全員が自主参加です。



午前7時45分、原爆資料館の北側に集まり、
はじまりの挨拶、注意事項等を伝達します。



その後三ヶ所に別れ、各班担当のトイレの前で再び伝達事項を伝え、
トイレ掃除のやり方について説明を受けます。



生徒たちはほとんどみんな公衆トイレの掃除は初体験で、
はじめはおそるおそるといった手つきだったのですが、
少しずつ慣れるに従って、その手にも力が入るようになりました。





掃除は便器だけではなく、排水溝の中、外壁、屋根の上、
掃除できるところはすべて行います。





これまでトイレ掃除でいろんな小・中・高等学校を訪ねましたが、
それぞれの学校にみな異なった特徴があり、
子どもたちの様子も様々です。

今回参加してくれた山陽高校の生徒さんたちは、
みな運動部に所属していて、
そのせいもあるのでしょうか、とてもハキハキとして礼儀正しく、
みんなの連携がとてもよく取れていることが印象的でした。

一通り掃除が終わった後、各班で再び輪になり、
互いに感想を述べ合います。



輪になってみんなの話を聞いている時も、
生徒たちは姿勢をキチンと正しています。

そして全員が原爆資料館の北側に戻ってきた後、
今度は各班の代表が前に出て、全員の前で感想を発表します。



上の写真は三班の発表の様子です。
リーダーの斎藤さんとともに、男女二人の生徒、
そして一般参加してくださった女性の方が前に出て発表してくださいました。

そしてその女性の方が発表しておられる時、
二人の生徒たちは体の向きを変え、
発表している女性の方を向いています。

これはこの二人だけではなく、全員が同じです。
各班で輪になった時、全員が集まった時、
『人の話を聞く時は、その話をしている人の方に体を向ける』
このルールが徹底しています。

体の向き、それは彼らの心の向きでもあります。
そのことを彼らの体から感じます。

これは学校全体なのか運動部の中だけなのかは分かりませんが、
決して堅苦しくならず、
その場その場の雰囲気を楽しみながらも身を律している彼らの姿は、
見ていてとても清々しく思えます。


ハキハキとした言葉遣い、
礼儀正しい態度、
キチンと正された姿勢、
そして話し手に向けられた体の向き、
これらはすべて形ある身体の動きですが、
その身体の動きから、
裏にある心の動きが正され、
その正された心の様子が相手に伝わってきます。

心と体はひとつです。
深い関連性を持っています。

いつもこのホームページに正しい姿勢を保つこと、立腰の大切さを書いていますが、
そのことを、地元日本の広島で再び思い知らされました。


心とは目に見えないもの、形のないもの、
そしてコロコロと変わるもの、だから “こころ” です。

ですから心を正すには、
目に見える身体から正していくのが近道です。


トイレ掃除をした日は、お風呂に入るのがとても楽しみです。
しっかり汗をかいて汚れた体、
それを労り、がんばってくれたことに感謝の言葉をかけながら入浴するのは快感です。

心地よい湯船に浸かりながら、
その日一日しっかりと活躍してくれた体が喜んでいるのを感じます。

お風呂に入っている時に分かるのです。
体が最も喜ぶのは、体を休め、使わなかった時ではなく、
しっかりと使い、その力を活かし切った時なのだということが。

健康な体、それを活かして使うことができる、
これに勝る喜びはありません。


体を活かし、それを正す、
さらにはそれによって心を正し、
最終的には命をも光り輝かせる。

公衆トイレの便器を磨き続けてきて感じます。
目の前にある便器の輝き、
それは己の心の輝きであり、また命そのものの輝きでもあるのだということを。

2015.8.23 Sunday  
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