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2014年12月31日 ・・・ 肉体的感覚

年の瀬を迎えて大掃除をしていると、
この一年無事に終えられたことに感謝の気持ちがわいてきます。

掃除をして身の周りをきれいにする、
その過程で体をたっぷりと動かす、
これが精神にいい働きをするのだと感じます。

労働やスポーツで汗をかく、
熱いお風呂に入って汗を流す、
この肉体感覚が、最もストレートに精神に喜びを与えます。


これまで体外離脱をはじめとする不思議な体験を重ねてきて、
生命の本質は肉体の奥に宿る魂であり、
肉体はあくまでも一過性のものであるということを確信しています。
いえ、確信していると言うよりも、
“知っている” と言った方が正確です。

ですから肉体年齢というものをあまり意識することはありません。
先日満55歳になりましたが、
今の自分の年齢ならどうするべきか ・・・ ということは、
ほとんど考えることはありません。
肉体の年齢より、魂の年輪に意識が向くのです。

それと世間一般のレールから外れた生き方をし、
世間の常識よりも自分の思いをより大切にしたいという思いが強く、
自由をこよなく愛するからでもあります。
交流分析で見ても、心の中は分別のある「大人」の部分が小さく、
自由闊達な「子ども」の部分が大きいのです。


さらには体がとても健康で、
肉体年齢を感じさせられることがほとんどないということも大きな理由です。

元々理論的なことが大好きなので、
真理を深く探究したいという思いと同時に、
その真理を目に見える論理や方法として導き出したいという思いを
とても強く持っています。

その過程で、精神に直接的にアクセスする方法として、
肉体を媒介とすることが最も適していると感じるようになりました。
そしてそれを突き詰めた結果として、
「心と体の健康レポート」を書いています。

そこに書かれていることを長年こまめに実践しているからでしょう、
これまでほとんど病気らしい病気をしたことがありません。
薬もほぼまったく飲むことはありません。

魂、精神が生命の本源だと考えているにも関わらず、
肉体的健康にきわめて恵まれているというのは、
やはり精神と肉体というのはバランスの取れたパートナーであり、
互いに深い関連があるからだと考えます。

もちろんこれは一般的な正論であり、
中には大きな病や肉体的障害の中から真理を学ぶ人もおられるでしょう。
けれど自分は健康の中から何かを感じ取る、
そういった天命を持っているのだと思います。


いろいろ実践している健康法の中で、
最も大切にしているのが「身体との対話」です。
毎日お風呂の中で体全体を手のひらで撫で、
感謝と労りの言葉をかけ、視線で愛情を送っています。

これが最高の健康法であることは今後も変わることがありません。
感謝の思い、それを行動という肉体表現で示す、
これがすべての基本です。

身体との対話を続けていると、
少しずつ精神と肉体とに分離感を覚えるようになります。
心と体はひとつではありますが、
別々の存在のよきパートナーとして、
深い絆で結び合っている、そんな風に感じるようになるのです。

これはたぶん体験しなければ感じ取れない感覚です。
実践されている方だとご理解いただけると思いますが、
心と体は別のもの、だからこそ互いに尊重し合い、
いいパートナーとして互いを見つめ合うのです。

『肉体は魂の乗り舟』です。
そんな一過性のものだからこそ、
一期一会、肉体を深く愛することができます。


そんなふうに精神と肉体は最良のパートナーであり、
互いに深い学びを得ることのできる最高の道場です。

肉体を使う、あるいは五感を使う、
これは知的学習をする上で大切な要素です。

現在インドとの交流のため日々英語学習にいそしんでいるのですが、
ただテキストを目で追い、耳で聴くだけでは英語力は身に付きません。

英語感覚を最も効果的に養う方法は音読です。
口、喉を使って声を出す、それを徹底的に習熟させ、
ひとつの英文を丸暗記ほど繰り返し、
かつストップウオッチを使って時間を計り、速音読に挑戦するのです。

その時の体の状態、姿勢も大切です。
のんべんだらりと寝っ転がっていては読んでいる言葉が頭に入りません。
姿勢を正して座る、
あるいは立ち上がったりその場で歩いたりし、
かつ文章の情景に合わせて身振り手振りを付けると効果的です。
また声色なんかを使うと最高です。

脳の運動を司るところと記憶を司るところは関連しています。
二つでひとつ、それを上手くマッチングさせるのがいいのです。


禅寺などの精神修養をする場では、
必ず肉体的に厳しい条件がかせられます。
質素な食事、寒中、早朝からの作務、徹底した時間管理、
そういった厳しい肉体的環境の中から、
それに耐えうる精神的逞しさが芽生えます。

これは一種の動物的本能と言ってもいいでしょう。
例えは適切かどうか分かりませんが、
多くの不登校児や精神的問題を抱えている子どもを立ち直らせてきた
戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長は、

「青少年の問題行動は、脳幹の機能低下により引き起こされる」

―――という、脳幹論を確立できたのです。

”脳幹”とは、文字通り脳全体を支える幹の部分に相当します。
生命を司る、最も原始的な脳です。

現代っ子は、この大事な脳幹を刺激されないままに成長しています。
そのため生命力が弱くなり、アトピーなどの現代病になります。
また、弱い精神力ゆえに教育荒廃の原因となる問題行動へと走ります。


と語っています。

これは生まれた時から温室育ちの子どもたちに、
肉体的限界に近いこと、あるいは生命の危機を感じさせることを体験させ、
人間本来が持っている生命力を賦活させることが目的です。

その賦活させた肉体的な生命力とは、
精神的生命力と同義です。
だからこそ多くの精神的問題が解決されるのです。


思えばこの55年間、肉体を通して様々なことを体験させてもらいました。
今はとても健康ではありますが、
若い頃から万全であったわけではありません。

二十歳の時、寝たきりのおばあさんを抱えてぎっくり腰になり、
その後何度もいろんな方法で治療してもらいましたが、
その後二十代、三十代はけっこう腰痛に悩まされたことがありました。

けれど今考えてみると、
ここ数年か十年ぐらいは、まったく腰の痛みを感じたことがありません。

日々の体の手入れの成果でしょうか。
感謝の思いが通じているのでしょうか。
今あらためて、もっと深く感謝をせねばと感じているところです。

しかしながら不調なところがあるというのも幸いです。
その具合の悪いところに意識を向け、
体から発せられるメッセージに耳を傾けることができます。
そしてそのメッセージから何かの学びを得ることができます。

どんなことでもそれ自体に善悪はありません。
それをどう捉えるか、どう関わるか、それが価値のすべてです。


自分も過去そうでしたが、
身近に腰痛で悩んでいる人がたくさんおられます。
腰は “要(かなめ)” です。
腰をやられると生活すべてに支障をきたします。
だからこそそこから学べることも多くあります。

数年前からインドの支援をしてくださっている京都の橋本卓也さんが、
腰痛に悩む人や腰痛を治す治療師の人たちを対象とした
ホームページを開設しておられます。

腰痛に悩んでおられる方は是非ご覧ください。
腰痛治療の世界も深いです。
  <腰痛改善方法 │5分で腰が痛い原因を自宅改善する整体法>

橋本卓也


肉体から醸し出される魂の深み、
数日前YouTubeで日本の歌を熱唱するブラジル日系人の女の子を見つけました。
その素晴らしさ ・・・ 感動ものです。 言葉がありません ・・・ 。

山下ヤスミンちゃん10歳、
以前ご紹介したことのあるメリッサ・クニヨシちゃんと同じく日系ブラジル人で、
メリッサちゃんと同じ歌番組で歌っています。

声という肉体の振動から、
なぜこんなにも深い魂の響きが伝わるのでしょう。

彼女はたぶん日系五世ぐらいだと思われますが、
彼女のその幼い肉体から、彼女へと命を繋いできたご両親、祖父母、
日系人のご先祖の方たちの並々ならぬ労苦がにじみ出るように感じられます。

なんで日本語を話すことができないこんな幼い子どもが、
こんなにも美しく深い日本的情感を表現することができるのでしょう。
今の日本人、日本の若者はこれまで何をしてきたのか、
正直とても情けない気持ちで一杯です。

  <愛は花 君はその種  山下ヤスミン> ・・・ 動画リンク

彼女の小さな体、その歌声から、
日本人が学ばなければならないことが山ほどあります。

肉体は嘘をつけません。
深遠なる精神の世界は、その肉体を通して醸し出ることが多いのです。

「思いをDNAに刻み込む」とよく言いますが、
それは精神に対する刻印であり、また肉体に宿るものでもあります。

山下ヤスミンちゃん、メリッサ・クニヨシちゃんの歌を聴き、
日本人は、忘れていた日本の伝統文化を復活させ、
それを肉体、精神、そしてDNAに刻み直さなければならないと強く感じます。



2014.12.31 Wednesday  
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