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2012年11月30日 ・・・ 簡単なことのつづき

前項を書いてから、簡単なことをついつい軽んじてしまう意識の裏には、
どんな思い込みがあるのだろうと考えてみました。

簡単なことは子どもにでもできる。
だから自分は当然できる。
  三つ子の魂百まで。
  幼子でもきちんとした習慣、分別を持っている子もいれば、
  大人でも子どものできることすら満足にできない人もいます。


難しいことができるのだから、
簡単なことなど意識しなくても楽にできる。
  専門馬鹿という言葉があります。
  難しい知識や技術を持っていることと、
  簡単なことができる、常識的行動が取れるということは比例しません。


難しいことができる人が偉い人であり、
それができない人は偉くない。
  例えば六法全書はなぜあのような難解な言葉で
  書き綴られているのでしょう。
  本来は誰にでも理解できる平易な言葉で書かれているのが
  理想のはずです。
  またそうすることのできる人が本当に偉い人です。


簡単なものに大切な要素は含まれていない。
難しいことを知らなければ物事の本質には迫れない。
  私たちはみな幸せを求めて生きています。
  何も知らない子どもたちの笑顔を見れば、
  最も大切なものはどこにあるかが分かるはずです。


簡単なことをよく理解していなくても、
難しいことを知っていればそれを補うことができる。
  簡単なことというのは物事の根幹、木でいえば幹や根っこです。
  枝葉がよく茂っても、幹や根が弱ければ、
  いつかな必ず倒れてしまいます。



日本は元々素晴らしい文化と伝統を持った国でした。
それは木でいえば、上のたとえのように、
しっかりとした幹や根っこのある姿です。

それが戦後の社会において急激な経済成長を目指すが為、
大量の肥料を撒き、幹や根っこを育てるより、
促成栽培で枝葉を茂らせ、大きな実りを得ることばかりを求めてきました。
その結果、大きな実りができても、それは味も栄養もない
素っ気ないスカスカのものになってしまいました。
これは経済的には豊かでも、心が豊かではない、
幸福感を得られない姿です。

またたくさんの枝葉と実りを得ても、
それを支える幹や根っこが細いのですから、
ちょっと風が吹いただけで自然と倒れてしまいます。
これがバブルの崩壊です。


枝葉がたくさん茂っていても、
それを支え、それの元となっている幹や根が細いのですから、
他の枝葉との相互関係は弱いものになってしまいます。

今の日本人はいいものを取り入れる猿真似は得意でも、
そこからものの本質を捉え、
他のものに応用発展させていくのが苦手です。

本質が捉えられない、応用発展ができない、
決まり切ったパターンから抜けきれない、・・・
今日はそんな例をこの目で見ました。

知り合いにカラオケを指導する先生がいて、
その先生のカラオケスタジオに行ったのですが、
そこのステレオの上に並べられているCD、
主に演歌のCDですが、そのCDのアルバムジャケットが、
まるで判を押したようにワンパーターンなのでとても驚きました。



これは意図的に同じようなジャケットのものを並べたのではありません。
ただそこにあったものを、そのままの状態で写真に撮っただけです。

演歌という古く衰退しつつある文化が保守的傾向になるのは分かりますが、
このようなまったく創造性のないワンパターンの世界を見せられると、
そこからは決して復興のための新たなエネルギーは生まれてこないだろうと
思わざる得ません。


時代の価値観が大きく変わる今は、
まったく新しい価値観を築いていく時です。

これまでのように爛熟した文化、文明の中で、
形あるものをさらに発展させていくのではなく、
無から有を生み出す力が求められます。

それは原点の力であり、植物の根や幹を育てていくのと同じく、
簡単なこと、根幹をひとつひとつ積み上げていく時代です。


もう少し書きたいことがあるのですが、睡魔が襲ってきて限界です。
つづきはまた後日。
   (mー_ー)m.。o○ zZZZ

2012.11.30 Friday  
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