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掃除が起こした「奇跡の力」

元々は大の苦手だった整理・整頓・掃除・片付けについて
「とっても大切なことですよ!」と偉そうに人様に語るようになってから
十年近くがたちました。

特に「ガラクタ捨てれば自分が見える」と出合い、
スペースクリアリングを知ってからというもの、
その勢いはよりいっそう激しさを増しています。

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最近は仕事先でも個人のお宅でも、
ちょっとでも片付いていないところがあれば、
本来の訪問の目的とは関係なく、
掃除や片付けの大切さについて熱を入れて語りはじめてしまいます。

掃除・片付けというのは、最も身近なモノに対する処し方であり、
モノの整理は心や頭の中の整理に通じ、
仕事、生活全般におけるものの考え方、生き方、
すべてのものの根本であるともいえます。

実際にいろんな会社や家を訪ねてみて、
その部屋や本棚を眺めてみると、
そこで生活する人の生き方や考え方がある程度は分かってしまいます。

部屋にモノが散乱していても平気な人は、
パソコンを開いてもいろんなファイルが整理されずに並んでいます。
きっと脳の中にあるその人の知識もまったく整理がされていないのでしょう。

逆もまたしかり。
部屋や身の回りの整理整頓が行き届いている人は、
頭の中も心の中も理路整然としているものです。

目に見えない頭の中や心の中、
目に見える部屋の中や身の回りのモノ、
あるいは身だしなみ、日常の立ち居振る舞い、言葉遣い、
そういったすべてのものが完全とは言えないまでも高い相関性を持ち、
それらがひとつとなってその人の個性を形作っていると言えます。


「ガラクタ捨てれば自分が見える」をこれまでたくさんの方に紹介してきましたが、
その感想はまさに人それぞれです。

大いに感動し、すぐに片付けをはじめる人、
「とてもいい本ですね!」と喜んで、知り合いにすすめたりするものの、
自分はなかなか実行に移すことができない人、
いいとは分かっていても「忙しいから」、「またいつか」などと言って、
それっきりになってしまう人。

掃除・片付けというものは人の生き方に直結したものであるだけに、
それに対するその人の取り組み方に、
その人の生きる姿がハッキリと見て取れるようです。

けれども現代はモノがあふれた物質中心の社会、
このあふれかえった多くのモノとどう付き合うかというのは、
多くの人が共通して持っている課題であり、
ほとんどの方が掃除・片付けの大切さを十分に理解してくださいます。

あとはただひとつ。
いかにして実際に、その思いを行動に結びつけるかということです。


かく言う私も、子供の頃からまったく掃除・片付け・整理・整頓ということが
できない人間でしたが、
長い長い年月をかけ、だいぶそれができるようになってきました。

このホームページや訪問先で言葉を通して
掃除・片付けの大切さを訴え続けているのは、
それがとても大切なことであるということと同時に、
自らも実践できるよう、自分を追い込むためなのです。


掃除やオフィスや家庭の整理・整頓について書いた本は、
それでひとつのコーナーができるほどたくさん出版されるようになりました。

そんな中で、掃除のノウハウや効用といった表面的なことを超え、
生きる姿勢や哲学といったところまで高められている鍵山秀三郎さんは
別格の存在です。

掃除が起こした「奇跡の力」
掃除が起こした「奇跡の力」 鍵山 秀三郎


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最新の著であるこの本の表紙には、
お名前の横に肩書きとして “「掃除道」の元祖” と書かれていますが、
鍵山さんが掃除を通して追い求めているものは、
まさに茶道や華道、そして武士道などにも通じる “道” の世界です。

私がこの本でいちばん訴えたいのは、
この日本をよくするためには、
「他者への配慮」を取り戻すことが必要だということです。


島国である日本には「恥の文化」というものがあり、
他者、隣人に対する気遣い、配慮といったものが当たり前のこととしてできる
高い道徳性を持っていました。

それが経済の豊かさ、あふれかえるモノによって失われてしまった現在、
そのモノへの処し方(掃除)を学ぶことによって、
一人一人の心を豊かにし、地域社会を変え、
文化を取り戻そうというのが鍵山さんの考えであり生き方です。


本の中には日本全国で掃除を通して心を磨き、感動を生み、
人の生き方までをも変えてしまった「奇跡」の事例がいくつも出てきます。

私の地元広島の、トイレ掃除をキッカケに更正していった暴走族、
学校の教師が掃除の大切さに気づき、
その輪が「便教会」という形で大きく広がり、変わっていく先生や子供たち、
掃除というきわめて身近で簡単な方法が、
とてつもなく大きな人や社会を変える力を持つというのは
「奇跡」以外の何ものでもありません。

子供たち、大人、学校、企業、地域社会、
どのような人たち、どのような場であっても、
この「奇跡の力」は変わることがありません。

主婦の方でも学生でも、男性でも女性でも、
会社を定年退職した年輩の方でも、
それぞれの立場で、小さな行動を一歩ずつ進めることで、
自分自身から周りを含めて変えていくことができるんだという、
そのことを信じ、行動に踏み出す力を与えてくれる本です。


鍵山秀三郎さんの著書は数多くありますが、
実例を数多く紹介したこの本は、
きわめて秀逸な実践哲学、道徳、そして自己啓発の書であります。

けれどもこの本を読んだだけでは何も変わりません。
この本はあくまでもガイドブックであり、
そこから生み出す行動に「奇跡の力」が宿るのです。

感動は、感じて動くから感動です。

自分自身の心に感動を生み、その感動を周りにも大きく広げられる、
そんな生き方がしたいものです。

  参考 ・・・ 「鍵山秀三郎先生講演会」

2009.1.12 Monday
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