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発展するインド


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今回の旅はいつものように関西国際空港から出入国し、
インド到着地はカルナータカ州の州都バンガロール、
インド出発地はタミルナド州の州都チェンナイと、
インドの到着地と出発地が別々になりました。
別々になっても航空運賃は変わらないのですね、初めて知りました。

バンガロールはインドきってのIT都市として有名で、
日系企業もたくさんある大都会です。
空港は市街地(ダウンタウン)から車で一時間近く離れていて、
そこまではとてもきれいなハイウエイが通っています。

インドのハイウエイ(有料道路)は日本のそれとは大きく異なります。
道路の端っこを人や自転車が通っているのは当たり前で、
時には牛が闊歩していたり、逆走する車やバイクを見かけることもたびたびです。

けれどバンガロールのハイウエイは違います。
もうほとんど日本の高速道路と変わりなく、
道路周辺のエリアとは隔離され、路面も整備され、
ゴミもほとんど落ちていません。
日本の道路との違いは、標識と道路脇に熱帯植物が生い茂っていることぐらいです。
田舎と都会、インドのその格差は日本以上です。


バンガロールに来たのは、
三年前、コスモニケタン日印友好学園を訪ねた時以来二度目です。
街の喧騒やきれいに手入れされた木々か多いのは変わりませんが、
走る車の種類が変わったことには驚かされました。

九年前、初めて南インドを訪ねた時は、
走る車の多くがパジェロのようなSUV車で、
今でもそうですが、そこに何人でも人や荷物を積み込んでいるといった感じでした。
それが少しずつセダンタイプの車が多くなり、
この度のバンガロールでは、
これまでほとんど(まったく?)見ることのなかったベンツやBMWを何度も目にしました。
ベンツやBMWは輸入規制でもあるのかなと思っていたのですが、
そうではなかったようです。

しかも一度だけでしたが、
なんと真っ赤なフェラーリが走っているのには驚きました。
フェラーリはご存じのように車高の低いスポーツカー、
インドは少し幹線道路から外れると未舗装のところが多く、
田舎ではアスファルトが激しく痛んでいてもそのまま放置されていたり、
集落の手前には“スピードブレーカー”と称するかまぼこ形の大きな出っ張りが
路面に堂々と設置されているのです。
そんなとこ、フェラーリなんかで走れませんよ・・・。

それだけ経済的に豊かになり、金持ちが増えたということでしょう。
インドの環境を考えたら、高級車は日本以上に金持ちの道楽といった感じがします。


バイクは田舎も都会もものすごい数走っていて、
その多くが日本メーカーで、ホンダがNo.1、スズキ、ヤマハ、カワサキ、
各メーカーすべてのバイクを目にします。

バイクは数は多いものの、なぜか車種は限られています。
スクターの他、普通のバイクは100ccから200cc前後のものがほとんどです。
それでも今年はカウルの付いたレーサータイプのバイクをよく見かけました。
若者が格好のいいものを求めるのは世界共通です。

インドには、元々英国メーカーで今はインドブランドとなった
ロイヤルエンフィールドというバイクがあり、
これは少し高級なので、これまではほとんど見かけることはなかったのですが、
今回はその数がグッと増えたことを感じます。



やっぱり豊かになってるんですね。
それと社会全体が変わってきているのか、
バイクを自ら運転する女性も増えつつあります。


バンガロールでたまたま目にした雑誌に、
アジアの経済のことが書かれていました。
それによると、何年度のことかは分かりませんが、
一年間の賃金上昇率はインドがアジアで最高でなんと20%、
そして最低がデフレ大国日本だとありました。
日本とインド、その経済格差は着実に縮まっています。

インドの賃金がどれぐらいかというと、
チェンナイのホームのあるマライマライナガールという町に、
最近日本の矢崎グループが大きな工場を作り、
そこで働く女性は8000ルピー以上もらえるんだと話していました。
1ルピーは約1.7円ですので、月給13600円以上といったところです。

この度訪ねたコスモニケタンでは、
掃除や食事の世話をしてくださる臨時の女性の人たちに、
一日350ルピー、600円支払ったそうで、
インドも賃金が上がったとみな驚いていました。

それでも貧しい人たちとお金持ちの格差は日本以上で、
その格差は今も広がりつつあります。

マライマライナガールに今年になってマクドナルドがオープンしました。



ここの値段が紅茶は36ルピー、61円、コーヒーは65ルピーで110円、
コーヒーの値段は日本以上、
インドでは町で飲むコーヒーはだいたい8ルピーですから激高です。
ハンバーガーは一番高いチキンの入ったマハラジャマックがポテト、ドリンク付きで
236ルピー、400円ととても庶民的価格とは言えません。



それでもマックは大繁盛で、マックには四回行きましたが、
一度は機械の故障で閉店、
他の三回は若者たちであふれていて食べることができませんでした。

マライマライナガールの近くには
金持ちの子弟が通うSRM(エッサーラム)という大学があり、
また高給をもらえるIT企業もあるので、
そこの若者たちが集まっているのだろうとのことです。


年々変わりゆくインドですが、
今年は幹線道路がとてもきれいになったことが最も印象に残りました。
今回はカルナータカとタミルナド、二つの州を回りましたが、
最近整備されたようなきれいな道路を各所で目にしました。

これはトリチーにいる時、ホームの目の前の道路を舗装工事していた様子です。
オーバーレイといって、今ある道路の上に重ねるようにして舗装していきます。





工事する人がサンダルばきなのがインドです。



この舗装工事にも、
日本の機械や技術が使われているんだとインド人が話してくれました。
それにしてもやる時には一気にやるようで、
オーバーレイだから手間がかからないということもありますが、
一日に舗装する距離数はかなりのものです。


もうひとつ大きく変わったのが電力事情です。
家庭で大きな電力を消費するのはクーラー、電気ストーブ、冷蔵庫、照明
といったところでしょうか。
南インドは熱帯なのでストーブは必要ありません。
灯りは少し前から白熱灯に換わって消費電力の少ないLEDが普及しています。
現地の新聞ではクラーの広告をよく見かけます。
冷蔵庫、クーラー、今はこれらが少しずつ多くの家庭に普及しつつあり、
インドの電力消費量もうなぎのぼりです。

ですからインドではパワーカットと呼ばれる停電が日常茶飯事で、
決められた時間に送電をストップする計画停電もあれば、
突然電気が停まってしまうこともたびたびでした。

けれどそのパワーカットを今年はほとんど経験することなくすみました。
またあってもごく短時間で復旧し、
インドの電力事情は確実によくなっていることを実感します。

三年前コスモニケタンにいる時は、
毎日夕方六時前後に必ず三十分以上は停まっていた電気も、
今回は四日間滞在中一度だけごく短時間停まっただけで、
創立二十周年の式典では、色とりどりの電飾に飾られ、
三年前のことを考えるとまるで夢のようでした。





コスモニケタンはビジャプールの市街地から車で二十分ほど走ったところで、
泊まっている部屋の窓から遠く町や村の灯りを目にすることができます。
その懐かしくも美しい灯りが、三年前と比べると確実に多く、明るくなっています。
発展するインドをきらめく灯りの中に感じ、感慨ひとしおです。

コスモニケタンから街とは逆方向に車で走った時、
三年前にはなかった百を超えるぐらいの数の風力発電機を目にしました。
これらが急増する電力消費をまかなっているのでしょう。
(その時撮った写真が行方不明です。
 これは七年前、インド最南端カニャクマリで撮った写真です。
 遙か彼方におびただしい数の風力発電機が見えます)



インドは5月、6月と最も暑い季節を迎え、
そうなると電力消費量もさらにアップし、停電の回数も増えるとのことですが、
電力事情が確実によくなっているのは間違いありません。


発展しつつあるインドは人も町も活気にあふれ、
その急発展ぶりにインド人の持つ底力を見る思いです。

変わりゆくインドとともに、
自分自身、そして自らのインドとの関わりも発展させていかねばと強く感じます。



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