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コスモニケタン日印友好学園に通う子どもたちは、
寮で暮らしている子どもたち以外、みんなお弁当を持参しています。
学校は毎朝10時過ぎの朝礼から始まりますが、
一巡目のスクールバスに乗って早くから学校に来た子どもたちは、
朝からお弁当を広げています。
お弁当を食べる時は裸足で校庭に出て、
木陰で円陣を組んで座り、
みんなでお弁当の中身をシェア(分け合う)しながら楽しそうに食べるのがスタイルです。
インドの食事時間は日本よりも相対的に遅いのですが、
お昼も一時過ぎの合図とともに子どもたちはみんなお弁当箱を持って外に飛び出し、
いつもの場所、いつもの仲間とともにお弁当を食べています。
日本のお弁当といえば、
箱も中身も多彩なことが外国でも有名ですが、
インドの子どもたちの持ってくるお弁当は、
ほとんどすべて同じ丸い形をしたブッティ・タッピと呼ばれる無塗装の金属容器で、
それを入れるバスケットも色違いの同じ形をしたものです。
インドでは、客に食べ物や飲み物を提供することが礼儀となっていて、
村の子どもたちの家を訪問した時には、
いつもものすごく甘い飲み物やお菓子を出していただきます。
そのあまりの甘さに辟易し、
何度も「ノーシュガー」とお願いするのですが、
それでも必ずと言っていいほど甘いものが出てきます。
インド人の頭の中には
『甘い=美味しい』という概念が定着しているものと思われます。
お弁当を食べている子どもたちのそばに近づいた時も、
子どもたちはいつもお弁当の一部をお裾分けしてくれます。
ちっちゃな右手に米粒やチャパティーを握りしめ、
大きな声をかけて呼び寄せたり、中には走り寄ってくる子どももいるのです。
子どもたちがくれるご飯やお菓子をすべて食べていては身が持たないので、
適当に断ってはいるのですが、
そのご飯の味からその子の家庭のことが身近に感じられ、
日本でも『同じ釜の飯を食う』という言葉があるように、
食べ物をシェアする文化はとてもいいものだと感じます。
けれど食べ過ぎには本当に注意が必要です。
ここに来たら、「ホッテ・トゥンビデ」(お腹がいっぱい)という言葉は、
自分の健康を守る必須用語として覚えておかなければなりません。
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