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8月20日

昨夜はさすがに疲れていたのでぐっすり休みました。
ベッドも寝心地よく、本当に快適なホテルでありがたいです。

カーテンを開けると、朝から強い日差しが入ってきます。



町のにぎやかな様子が伝わってきます。



伊藤さんと9時に一階で待ち合わせをして、
朝食を食べに町に出かけます。
道路は信号も横断歩道もなく、左右を確認して急いで渡ってしまいます。



ホテルからワンブロック行くと、そこはにぎやかな商店街で、
店は夜が開けるころから開いているとのことです。



こんな露店が建ち並び、ついつい見とれてしまいます。
楽しいですね♪





日本にはないような新鮮な野菜はどれも美味しそう、
そしてヘルシーなような気がします。



繁盛しているレストランに入りました。
朝からみんな精力的です。



まずは前菜としてのもやしとコチジャン、
最初にこれを食べるのか思ったら、
どうも後から出てくる麺の中に入れるようです。



牛肉の入った春雨ラーメンみたいなものです。



これもまた旨い!!!
スープが最高、日本で同じ味を出したら大繁盛するでしょう。
けどカンボジアでは、けっこう味の素が普及しているそうですので、
これは味の素の味なのかな?



カンボジアで食べるから美味しく感じるのか、よく分かりませんが、
珍しい美味しさに、舌も体も大喜びです。 (^o^)v

ドリアンを売っているところをよく見かけます。
私はまだ食べたことがないので、一度食べてみたいものです。



町のいたるところに両替屋さんがあります。
日本円を扱っていないところも多いようですが、
ここでは一万円が125ドル、ちょうど80円でした。



今は円高ですが、このレートは妥当なのでしょうか。

両替したドルに、店のスタンプを押しています。 w(*゚o゚*)w



これは聞くところによると、偽札だった場合のための店の保証印なんだとか、
国によってお金に対する取り扱いが違うのですね。

ちなみにカンボジアの貨幣はリエルで、
4,200リエルで1ドルに相当しますが、
どこの店でもドルだけでOKで、リエルを持つ必要はありません。

こんな大勢で乗ったバイクをよく見かけます。
インドと同じでバイクは庶民の家族みんなの貴重な足です。



商店街には露店が建ち並び、
その中でも食べ物を売っている店に目が行きます。



肉や魚をこんな暑い中で売って大丈夫なのでしょうか。
腐らないのか心配です。



毎日が売り切り勝負なのでしょうね。



歩いてホテルに戻ってきました。
サニー・ゲストハウス、その隣の赤いホテルが、
私たちの泊まっているフェアリーランド・ゲストハウスです。



10時にソピアップさんが迎えに来てくれました。
伊藤さんは、ソピアップさんからレンタルタイプの携帯電話を受け取っています。



明後日にここカンボジアで日本語教師として活動していた
ナオコさんという方の送別会があり、
その下調べに会場となる中華料理店に来ました。



ちょっと高級そうなお店です。
テーブル中央のガラスの大きさに驚きました。
これが料理を乗せて回転するのです。


お店を出て、今回の旅の目的であるひろしまハウスに行きました。
レンガ積みの大きな建物は、ひときわ異彩を放っています。



今まで何度も写真で眺めていたものを実物として見て、感慨ひとしおです。



ここは子ども図書館、たくさんの本が収蔵されています。





日本語の絵本にカンボジアの言葉であるクメール語の翻訳文が貼り付けられていて、
それを子どもたちが読んで勉強します。





新しいホームページ用に、内部や外観、いろんな写真を撮りまくりました。
さすが一流の建築家が設計しただけあり、
その内部は複雑であり芸術的です。











ひろしまハウスは、ウナローム寺院というお寺の一角にあり、
お坊さんたちが寝泊まりする宿坊に隣接していて、
時折お坊さんたちの日常生活が垣間見られます。







上に下に、右に左にとその内外を歩き回りますが、とても複雑な構造で、
写真だけではその構造が理解するのは難しいと思います。
この内部構造がよく分かるように、イラストの見取り図を作る予定にしています。

子ども図書館には、たくさんの折り紙が飾られています。
みんなカンボジアの子どもたちが折ったものです。



折り紙ひとつひとつには、それを作った子どもの名前が書かれています。
どんな子が作ったのかな?



ひろしまハウスの大部分はレンガ積みでできています。
設計図では鉄筋が入っているはずのところも、
カンボジア仕様でただ積んでいるだけという箇所もあり、
ちょっと危ないところもありました。



ひろしまハウスは、また子どもたちがたくさんいる時に再訪します。


ひろしまハウスを後にして、三人でお昼を食べに行きました。
ちょっと感じのいいレストランです。





このアンコールビール、よく冷えていて最高に美味しかったです。
泡立ちもすごくいいですよ。 (^o^)v



三人でカレーを食べます。
暑い国ではカレーが美味しいですね。



なぜかエスカルゴを入れるような容器に入っています。
ちょっと取りにくい感じです。



こちらはスープのようなカレーで、あまり辛くありません。
どちらも相当美味しいです。 ^^☆



広島のエリザベド音大にピアノを学ぶために留学していたスロノさんに会いに、
音楽教室を訪ねました。



彼が指導するレッスンは朝から晩まで一日中予定がギッシリだそうです。
笑顔が柔和な優しい人です。

ピアノのレッスン室はいくつもあり、
向こうの女性はスロノさんの先生です。



一階は楽器を販売していますが、
ギターのフレットに紙のカバーがしてあるのが珍しいです。



レッスン中に突然お邪魔したので長居はできません。
再び車を走らせて、次はソピアップさんのお宅にお伺いします。


プノンペンの街中にある立派なお家にソピアップさん家族、ご両親、
お姉さんご夫婦が住んでおられます。

私はお姉さんのところの女の子をだっこさせてもらいました。



こんなピーマンがなっていたのでパチリです。



タロイモのお菓子を出していただきました。
これに塩をつけたらマックフライポテトみたいな感じです。



カンボジアにもマックはありますが、
ソピアップさんによると、日本のマックの方が美味しいとのことです。
食べてみたいですね。

ワンチャンが暑さ(?)でバテています。



ジャックフルーツとドラゴンアイを出していただきました。
ジャックフルーツはインドでも食べたので懐かしいです。
インドのものと味は同じですが、形が少し異なります。



南国のカンボジアはフルーツが豊富でいいですね。
値段もかなり安いそうです。

お家の入り口の左右に大きな椰子の木があり、
私たちのために椰子の実をもいでくださいました。



落ちてきた椰子の実を、大きなナタのような包丁でスパッとひと切りします。
かなり手慣れた感じで、さすがに刃物の使い方が上手です。



と言うか、日本人が下手すぎるのでしょうね。
なんでも危険なものを日常から遠ざけ、
利便性、快適性ばかりを求める生活は、
人間から知恵や器用さを奪い取ってしまいます。

この椰子のジュースはとても甘くて驚きました。
これは特に甘みが強い種類だそうです。



果肉ももちろんいただきます。
こちらはちょっとコリコリした感じです。



ソピアップさんご夫妻とお嬢さんです。



奥さんのチヒロさんはJICAの職員で、国際結婚されました。

南国の花はきれいですね。
この花は何という名前でしょうか、インドでもよく見かけた花です。



南国の花は太陽の贈り物でしょうか、
鮮やかな原色が太陽の様に輝いて見えます。



ソピアップさんの家を出て車を走らせていると、
工事現場のレンガが目に入りました。
このレンガがカンボジアの標準仕様のものです。



私は昔土木の仕事をしていたので、建設現場は興味があるのです。
何事も興味を持つのはいいことですよ。 ^^☆


いよいよカンボジアの過去の悲惨な歴史を物語る
トゥール・スレンに来ました。
ここはトゥール・スレン博物館とのことですが、
これを博物館と呼んでもいいものでしょうか。



入り口で関西大学学生さんたちと出会いました。
ここでポル・ポトによる虐殺があったのは、彼らが生まれるだいぶ前のことです。



このトゥール・スレンで、万を超す罪のないカンボジアの人たちが、
恐ろしい拷問を受けた後に殺されました。
同胞の、しかもまだ幼い子どもたちによってです。

詳細は、是非先にリンクした
  <S21 (トゥール・スレン) - Wikipedia> を見てください。

写真を見れば説明はいりませんね。







ここで命を落としたおびただしい数の人たちの写真が掲示されています。









これはポル・ポトの像でしょう。



金属製の拘束具、足かせです。





独房の並んだ部屋が、ずっと先まで続いています。
ここトゥール・スレンは、元高校の校舎だったところです。









生き残った人たちの証言に基づいて描かれた拷問の様子や
たくさんの拷問を受けて亡くなった人たちのガイコツが陳列されています。





独房であっただろう校舎の窓から眺めるカンボジアの空はとても美しく澄んでいて、
緑豊かで、小鳥のさえずりも聞こえます。



ただこの景色だけを眺めていると、なんとも美しく心和むものです。
けれども収容所に入れられて、拷問を受け、ただ死を待つだけだった人たちは、
この景色をどんな思いで眺め、小鳥のさえずりを耳にしたのでしょうか。

この美しさは、絶望を抱えた人たちの胸にどう響いたのでしょうか。
もしもっと暗澹たる景色だったとしたら、
その方がまだ救いになるのでしょうか、
まったく想像すらすることができません。

ただ間違いなく言えるのは、
己の外の条件は、自分の思いを左右するひとつのキッカケに過ぎず、
その本質は自分の中にあるということ。

「美しいものを見て、美しいと感じるあなたの心が美しい」という言葉がありますが、
美しいものを見て、それを美しいと感じられるのは、
その人自身が今現在幸せだからであり、
もっと極端に言うならば、今ものすごく幸せであったなら、
たとえどんな醜いものを見ても、その中にも美しい何かを感じられるはずです。

このカンボジア トゥール・スレンの外に広がる美しい景色を眺めながら、
この美しさは、己の心の中にこそ広げなければならない、
そしてそうできて初めて外の世界の美しさが活かされるということを強く感じます。


そしてもうひとつ感じたのは、
この美しい景色と恐ろしい過去の出来事、
一見不釣り合いに見えますが、
これが自然、そして人間の本質ではないかということです。

カンボジアで出会う人たちはみな一様に穏やかで、とても心和み、
ここにいると、日本にいる以上にほのぼのとした平和を感じます。
これはなぜなのでしょう、あんな悲惨な過去があったのに ・・・ 。
私にはまったく理由が分かりません。

カンボジアの人、こちらに長くいる日本人、
何人かに同じ質問をしてみましたが、要領の得た答えをもらうことができません。

たぶん共産主義という「宗教」、洗脳というものは恐ろしいまでに人間を変貌させ、
その人の価値観を根底から覆すほどの大きな力を持っているのだと思われます。

けれども変貌したとしても、
それは元々その人に内在していたものが引き出されただけであり、
人間というのは誰しもが正気と狂気の部分を併せ持ち、
普段はそれが表に出なくても、何かのキッカケで、
その一部が異様な形で顔をのぞかせることがあるのだろうと思われます。

穏やかな自然も、時として嵐となって荒れ狂う時があります。
それとまったく同じ様に、普段理性的な人間であったとしても、
いったん狂気に駆られると、底知れぬ世界に引き込まれる、
それが人間という自然の一造物の本質だと思います。

トゥール・スレンでの出来事は、まったく人ごとではなく、
我が事として考え、己に対する戒めとすべきであり、
そうしなければ、必ず再び同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。


トゥール・スレンから車で20分ほどのところにある、
キリング・フィールドに行きました。
ここはポル・ポトの時代、処刑場だったところです。



ここも緑豊かな素晴らしい環境です。



自然は美しく、時としてまた残酷でもあります。
自分の外なる世界は、自分の内なる世界を映し出す鏡なのですから、
すべての属性を備えているのは当然のことです。



ここにもおびただしい数のガイコツが納められています。



そして中央の塔の周りには、
処刑された人たちのガイコツが発掘された場所が点在しています。



ここには何百体のガイコツがありました、
子どもや女性、頭のないもの、・・・ そんな説明が書かれています。



いくつもある発掘場所、そのすべてを回る元気はありませんでした。





この言葉なき遺骨たちは、何を語ろうとしているのでしょうか。



私たちの心を見通すように、急に風が吹き出し、
空に雲が重苦しく立ちこめてきました。



今はカンボジアの雨期です。
夕方に強烈なスコールが降ることがあり、急いで車に乗り込みました。


キリング・フィールドからの帰り道、前の車が豚を満載して走っています。
両脚を縛られた豚たちはおとなしくじっとしています。



殺戮の現場を見た後も、屠殺される豚のことを話しながら笑うことができます。
これが人間の本質であり、
他の生き物の命をもらうことによって命を保っている私たちにとって、
同胞である人間を殺すことは、
他の生き物を殺すことの延長線上でしかないのかもしれません。

もちろんそんなことを考えるのはタブーかもしれませんが、
そうかもしれないと考えなければ、
私たち人間の本質を見ることはできないと思います。


縫製工場のある一角を通ると、
女工さんたちがちょうど帰宅するところでした。



こんなトラックに鈴なりになって通勤するのです。



カンボジアは、運転手、助手席の人のシートベルト着用は取り締まるものの、
乗車定員に対してはノープロブレムなのだそうです。

ホテルに帰り一服し、外に夕食を食べに出かけました。



倉木麻衣と松嶋菜々子、日本女性も美しいですね。



韓国焼き肉の店に入ります。
メニューには韓国語表記があり、店員さんも韓国語で挨拶してくれました。



本格的な韓国焼き肉は、女性の店員さんが焼いてくれます。
人に焼いていただくと旨さ倍増です。
そう感じルのは私だけ?



しばらくすると、ひろしまハウスの二代目管理人だったヘンさんが来てくれました。
みんなで乾杯します。



ヘンさんは、タイとの国境近い田舎町にある日本企業の工場で働いています。
もちろん日本語もお上手です。

焼き肉コースの最後はかき氷のデザートです。



氷が固まっていましたが、甘くてとっても美味しかったです。
疲れた体に甘みが心地よく染み渡ります。


今日は精神的にハードな一日でした。
けどカンボジアのいいところは、のんびりとした中にあるのだと思います。
明日からは、その穏やかな空気を味わいたいです。

2011.8.20 Saturday  

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