家の近くでも、普段ほとんど足を運ぶことのない場所、まったく行ったことのないところがあるもので、それを今回参議院議員選挙のポスター貼りという目的で歩き回れるのは、新たな発見があって実に楽しいことです。
またいつもよく通っている道でも、普段とは逆方向から進むと一瞬どこか分からなくなることがあり、そんなことも経験しました。
登山では帰り道が分からなくなるのを防ぐため、分岐点などにパンくずを落としていくことがあり、
ネットのページでも、上の方や下の方にページの階層を順番に示すリンクがありますが、あれは“パンくずリンク”と呼ばれます。
その他懐かしい場所に出合った時は回想にふけったり、ごく近所とはいえ日常から脱却するこの一時は、まさに“心の旅”と言えるでしょう。
自分の家がありポスター貼りを担当する広島市南区には人の暮らす似島(にのしま)と金輪島という二つの島があります。
似島は昔は荷島と呼ばれ、荷物をそこに留め置かれ、また原爆投下直後は一万人の被爆者が運び込まれたと聞いています。
似島の中央には稜線が美しく富士山に似た安芸小富士という名山があり、それで似島と呼ばれるようになりました。
金輪島はまったくその存在すら意識したことのない小さな島ですが、調べてみると造船関係の工場、ドックがあるようです。
似島と金輪島、金輪島の方が小さな島でフェリーの本数が少ないので、まずは金輪島に向かいます。
金輪島行き高速フェリーは9時50分発で、それに乗り込むべく9時過ぎに家を出ました。
瀬戸内海の島々や四国行きのフェリーが出る宇品港に着き広大な自転車置き場に自転車を置きます。
そしてターミナルに入って乗り場を探すと、いくら探しても金輪島という文字が目に入りません。
調べてみると、金輪島行きのフェリーは、同じ宇品でも少し離れた別の場所から出るようです。
急いでそちらに向かおうかと思いましたが、目の前の時刻表にはそれより10分早い9時40分発似島行きがあり、しかもメインとなる島北側の桟橋だけではなく、その裏手にあたる似島学園の方を経由する一日一本の便でした。
ポスター掲示板はその両側にあり、迷わずそれに飛び乗りました。
瀬戸内の島並はいつ見ても美しいですね。
似島学園は島の南側にある福祉法人で、小学校、中学校などがあります。
随分昔、まだ南インドの児童養護施設との縁がなかった頃、ある会でここの経営者の方と面識を持ち、ここの子どもたちとつながりが持てたらと考えたことがありました。
そんなことを何年かぶりに思い出しました。
子どもたちは農業もしているようです。
環境のいい似島ですから美味しい野菜や果物が採れるのでしょう。
そんなことを考え、美しい景色を眺めながら歩いていても、なかなか目的の掲示板が見つかりません。
地図を見てもどうしても探すことができず、スマホで位置情報を確かめてみると、船を下りてからまったく逆方向に進んでいることが分かりました。
地図には似島小学校、中学校と記されていて、それが似島学園の小中学校かと勘違いしていたのです。
汗だくになりながら逆戻りし、学園のある南側3か所、桟橋のある北側6か所をほぼ迷うことなく貼り終えました。
そして11時30分発のフェリーに乗って宇品に戻りました。
宇品に戻る途中で金輪島行きの高速フェリー時刻を調べると、12時ちょうどの船があります。
宇品に着くのが11時50分で、10分で自転車に乗って乗り場まで行くのはちょっと無理があり、昼休憩をした後でその次の13時の船に乗ることにしました。
けれど船が宇品に着くと、なんとか無理すれば間に合うかもという思いがわき上がり、光速で自転車置き場から自転車に乗り込み、乗り場がある海上ビルまでひたすら飛ばしました。
自転車置き場がどこにあるのかも分からないので適当に駐輪し、切符も持たずに船のところに走り込むとギリギリセーフ、船員さんに「もっとはよこにゃ~」と注意をされながらもなんとか無事乗り込むことができました。
生まれて初めて上陸する金輪島、事前に聞いていた通り桟橋の前は一面船が陸揚げされているドックです。
この島に来るのは、造船関係者、郵便局員、食料など物資を運搬する人たち、または釣り目的の人たちのようです。
金輪島には三か所の掲示板があります。
桟橋を下りてすぐに一か所、そして少し離れたところに二か所まとめて設置されています。
帰りの船の便を見ると、12時30分というのがあり、それを逃すと次は1時間半後の午後2時です。
12時ちょうどに宇品を出たフェリーは12分かかって金輪島に到着し、12時30分まで18分間しかありません。
その間に三か所の掲示板にポスターを貼るのは至難の業ですが、なんとかやってみようとやりだしたところ、間に合うかもしれない可能性が出てきたので、途中から汗だくサンダル履きの駆け足で回りました。
結果出発2分前に桟橋に到着、無事18分間の金輪島の旅は終わりました。
こんなドタバタした島巡りはなかなか経験することができません。
けれどこういったイレギュラーなものほど後々思い出深く残るものです。
今度はまた別の機会に訪ねてみたいですね。
\(^_^)/
その後家で一服した後、南区内を担当してくださった他の方から不明箇所として報告のあったところに向かいました。
ポスターを貼る掲示板は地図と一覧表を頼りに場所を探しますが、どうもその二つが一致しないところがあるようで、地図にプロットされている掲示板が一覧表にも実際にもなかったり、また一覧表にある掲示板が地図にはないけれど実際にはあったりと、それぞれ数件ずつありました。
こんなことはあってはいけないのですが、人間のすることですのでミスがあるのは致し方ありません。
ポスター貼りは本当に労力を要する作業です。
何事も経験ですね。
選挙活動の大変さを身をもって感じ、それとともに一票の重みも深く感じ取りました。
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