身近な片付け

あなたの部屋は、あなたの脳とフラクタル

『三つ子の魂百まで』
幼い頃からの癖、習慣は大人になってもなかなか変わらないものです。
それでも努力して改善できるものがあり、自分としては二つのことが改善できたと考えています。

ひとつは咀嚼習慣で、小学校の頃は給食を食べる早さはいつもクラスで一番でした。
せっかちで、大急ぎでよく噛まずに食べ、いち早く食べ終えて遊び回っていた記憶があります。
落ち着いた慎重派ではなく、好奇心旺盛な多動児でした。

食べ方は考え方と直結します。
しっかりと物事を考える人はゆっくりと食べ物を噛む人で、咀嚼不足は万病の元であり、なんとか早食い習慣から卒業したいと考えてから改善できるまでは長い年月を要しました。
このホームページでもたびたび咀嚼の大切さを書いてきましたが、それは自分に言い聞かせ、自分にプレッシャーを与えるためでもあります。

咀嚼と思考

もうひとつは片付けの習慣です。
これも子どもの頃から大の苦手で、部屋はいつも散らかり放題、小学校の林間学校で二百人ぐらいいる参加者の中で自分一人が片付けができていないと名指しで注意されたことが脳裏に強烈に残っています。

それが今は片付け好きで、外でも常に率先して掃除片付けをするので、周りからは整理ができて片付け好きな人間と認識されるまでになりました。
これもやはり習慣ができるまで長い時間がかかりました。

 

『その人の家、部屋の様子はその人の脳の姿を映している』
その人の家、部屋、あるいは本棚がどういった状態になっているかは、その人の脳のあり方、活用方法と同じです。
きちんと整理整頓できているか、いろんなものが出しっ放しで中途半端になっていないか、分類はできているか、ゴミは散らかっていないかなど・・・、脳みその中身がその人の身の回りに表われるのは当然のことです。

ですからその時々の心の状態も身の回りに表われ、心が乱れている時は部屋も乱れがちになり、だからこそ逆に部屋を整理することで心も整理することができ、飽食の時代、物あまりの時代と言われる現在、多くの人が断捨離に心引かれています。

 

咀嚼習慣を身に付けたことにより、昔と比べると多少は気が長くなり落ち着いて物事を考えられるようになったと感じます。
それでも好奇心旺盛で多動的性格はあまり変わらず、ついついいろんなことに目が向いてしまい、長く一点に集中することが苦手です。

何事も長所と欠点は裏返しです。
自分の性格は幅広く知識を身に付けるにはいいかもしれないと思うものの、やはり集中力がなければ何事にも大成できません。

 

部屋の片付けの基本のひとつは、使用頻度の高いものを身近に置くということです。
最もよく使うものは、いつもいる場所からワンアクション、手を伸ばしてすぐに取れるところ、その次はツーアクション、立ち上がって手を伸ばす、あるいは引き出しを開けて取る、といった具合です。

よく大切な物を身近に置くという人がおられますが、これは必ずしも正しくありません。
身近に置くのはあくまでも使用頻度の高いもの、大切な物を身近に備えるというのは、ある意味執着につながる危険性があります。
(緊急用、避難用の器具などは別です)

どうすればスペースを最も有効活用できるのか、日々効率よく過ごすことができるのか、そのことをまず考えるべきです。

ですから机回りの片付けはこれに従って、ワンアクションのエリアには、パソコンのキーボード、マウス、iPad、スマホなど置いています。
最も身近なところが最も大切ということです。

 

自分のような多動的人間は、まず大切なことに取り組む第一歩を踏み出すことに時間がかかります。
いったん取りかかれば少しは集中して取り組めるのに、そこに至るまでいろんなことに気が向いてしまいます。

そう考えて身近なところ見渡すと、気が散る要素がいくつかあることに気がつきました。
机の上には愛用のパソコンディスプレイが二台乗っています。
メインは27インチでアスペクト比16:9のもの、サブは19インチでこちらは4:3で、画面縦の長さはほぼ同じなので並べて使い、高さ調整のために厚めの箱入りの本を台として使っています。
大切な本をそんな風に使って申し訳ないのですが、その本のタイトルがいつも目に入ることに気がつき、100円ショップで黒画用紙を買ってきてカバーを付けました。

パソコンがいつも目の前にあるのでいつも何かしら画面に見入ってしまい、使わない時はマウスやキーボードは机の横に除けるものの、どちらも有線なので机から下ろすことができませんでした。
これは問題だと考え、早速マウスを予備の無線マウスに換え、使わない時は引き出しにしまうようにしました。
これで視覚的にすごくスッキリです。

19インチディスプレイ

余談ですが、マウスは絶対に5ボタンのものをお勧めします。
横の二つのボタンを活用するかしないかで作業効率がまったく違ってきます。
そして左右非対称形のものが握りやすくて快適です。

マウスは無線にしてもキーボードがまだ有線なのですが、これも近日中に交換予定です。

他にも配線を工夫し、机回りの余分なものが目に入らないようにしました。
こんなことだけでも気分爽快です。

これは競走馬のブリンカー(遮眼革)と同じです。
必要なもの以外を視野から外すと自ずと集中力が増し、目標に向かってまっしぐらに進むことができます。

ブリンカー(遮眼革)

これと同じ経験をオートバイでしたことがあります。
頭部全体をすっぽりと覆うフルフェイスヘルメットを買い換えた時、新しいものは以前の物より前方開口部が狭くて視野が狭くなり、最初は少し怖いかなと感じたのですが、実際は逆で、前方の限られた視野のみに絞られる方が運転に集中でき、スピードを上げて運転するようになりました。

フルフェイスヘルメット

 

部屋の様子は自分の脳とフラクタル(自己相似形)です。

家、部屋、本棚・・・、これらすべてを片付けるのは大変ですが、その中で最も大切なのは、最も身近で最も普段よく接するところです。
そこだけでも整理整頓し、余分なものを取り除き、どうすれば最も効率的に活用できるかを考えるのは、日常での過ごし方を振り返る大切な機会です。