トイレ掃除は心磨き
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便所掃除

2011年2月29日(土)、広島市の旧市内にある段原中学校のトイレ掃除に行きました。
段原地区は爆心地から2、3キロの近いところにありますが、
比治山という山の陰になり、大きな被害を免れ、今でも古い街並みが残っています。

現在その段原地区の再開発が進んでいて、
段原中学校の校舎もこの度50年の歴史の幕を閉じ、
この春からは再開発地域の新しい校舎へ移転することになっています。

長年段原中学校に通ってきた生徒たちが使ったトイレに感謝の気持ちを込め、
生徒さんたち、先生方、みんなで便器を一生懸命磨かせてもらいました。

もう一ヶ月もすると校舎の解体工事が始まります。
壊されることが分かっている校舎の便器を磨かせてもらう、
考えようによってはこんな無駄なことはありません。

けれどもトイレ掃除は効率を求めてするものではありません。
感謝の気持ちは見返りを求めるものでもありません。

長年お世話になった壊れゆくものにも心をかけ、
そして我が身を使って感謝の意を表す、
このことから子どもたちは大切なものを学んでくれたことと思います。

段原中学校トイレ掃除

私は十数名の子どもたち、お二人の先生方とともに三階西側のトイレを掃除させてもらいました。
最初トイレに入った時はぷ~んと異臭が漂ったいたのですが、
みんなで一時間ちょっと心を込めて便器磨きをさせていただき、
最後は見違えるようにきれいになり、空気もとても爽やかになりました。

生徒のみんなもよくがんばってくれました。
ピカピカになった便器に子どもたちの明るい笑顔がよく映えます。

この気持ちを新しい校舎にも持っていって、
新しい校舎の便器もいつもピカピカにしてくださいね♪


私と一緒にトイレ掃除をした男の先生が、
トイレ掃除の素晴らしい詩があるからということで、
わざわざ職員室でその詩を印刷してもってきてくださいました。

濱口國雄という方が書かれた「便所掃除」という詩です。
味わい深い詩ですね。

最も汚い便器を磨かせてもらうことで、本当に美しいものが見えてくるように思います。


便所掃除  <濱口國雄> 

扉をあけます
頭のしんまでくさくなります
まともに見ることが出来ません
神経までしびれる悲しいよごしかたです
澄んだ夜明けの空気もくさくします
掃除がいっぺんにいやになります
むかつくようなババ糞がかけてあります

どうして落着いてしてくれないのでしょう
けつの穴でも曲がっているのでしょう
それともよっぽどあわてたのでしょう
おこったところで美しくなりません
美しくするのが僕らの務めです
美しい世の中も こんな処から出発するのでしょう

くちびるを噛みしめ 戸のさんに足をかけます
静かに水を流します
ババ糞におそるおそる箒をあてます
ポトン ポトン 便壺に落ちます
ガス弾が 鼻の頭で破裂したほど 苦しい空気が発散します 
落とすたびに糞がはね上がって弱ります

かわいた糞はなかなかとれません
たわしに砂をつけます
手を突き入れて磨きます
汚水が顔にかかります
くちびるにもつきます
そんな事にかまっていられません
ゴリゴリ美しくするのが目的です
その手でエロ文 ぬりつけた糞も落とします
大きな性器も落とします

朝風が壺から顔をなぜ上げます
心も糞になれて来ます
水を流します
心に しみた臭みを流すほど 流します
雑巾でふきます
キンカクシのうらまで丁寧にふきます
社会悪をふきとる思いで力いっぱいふきます

もう一度水をかけます
雑巾で仕上げをいたします
クレゾール液をまきます
白い乳液から新鮮な一瞬が流れます
静かな うれしい気持ちですわってみます
朝の光が便器に反射します
クレゾール液が 糞壺の中から七色の光で照らします

便所を美しくする娘は
美しい子供をうむ といった母を思い出します
僕は男です
美しい妻に会えるかも知れません

    

トイレ掃除は心磨き

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