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最高の奇跡
泳ぐ魚が水の存在を意識しないように、
私たち人間も、周りに満たされている空気の存在を、
普段まったく意識することはありません。
身近で、あって当たり前のもの、こと、
それらはほとんどの場合、
生きていく上で最も大切なものの部類に属するにも関わらず、
その存在にも、恩恵にも、ほとんど目をくれることなく過ごしてしまっています。
三十数年前、ユリゲラーがテレビでスプーン曲げを行って、
当時の日本はその話題で持ちきりになりました。
今もいろんなところで軽い力で頑強なスプーンを曲げる方がたくさんおられます。
ヨガの修行を積むと、あぐらをかいた状態で
空中浮揚ができるそうです。
昔オウム真理教の麻原彰晃の空中に浮かんでいる写真が
いろんな雑誌に掲載されましたが、
あれは正直 ？ と思う面があるのですが、
日本のヨガの第一人者成瀬雅春師やインドのヨガ行者たちの体験は、
注目に値するものだと思います。
これも真偽のほどが難しいのですが、
インドのサイババは、ビブーティー（聖灰）や時計、仏像、
様々なものを信者の目の前で物質化することで有名です。
こういったことが真実であるのかどうかを見極めるのはきわめて困難です。
科学的でないものは、簡単かつ短時間に証明することができず、
また実験室で誰しもが再現することが不可能だからです。
ですから “自称霊能者” という言葉があるように、
こういった世界では、ペテンやイカサマが横行しているのも事実です。
ではこういった不可思議な現象を、人間が行うことは本当に可能なのでしょうか。
人間には、誰しもがこういったことができる能力が備わっているのでしょうか。
それに対する答えは、人それぞれで異なるものだと思います。
けれども間違いなく言えるのは、
私たちは今現在生きている上において、
これらの不可思議な現象をはるかに超えた超不可思議で神秘的な営みを
日々刻々行っているということです。
空気を吸い、水を飲み、食べ物を食べ、
それらを活動のエネルギーに変え、自らの肉体を作り上げていく、
そしてその肉体に不具合が生じたならば、
自然治癒力という偉大な力でもって自己修復していく。
自らの個体を維持するのと同時に、
種を保存するがための営みをも行い、
胎内に芽生えた命は、受精卵という単細胞から多細胞へと分裂し、
魚類・爬虫類・鳥類・ほ乳類という生命の進化の過程を１０月１０日で経て、
完成された人体を作り上げていきます。
これらの素晴らしい一連の生命の営みを、
私たちは普段頭の中にある表面意識とはまったく無縁のところで行っています。
「今豆腐を食べたから、この中のタンパク質を使ってもう少し腕の筋肉をつけよう」
「お腹の赤ちゃんはもう半年になるから、そろそろ視覚を形作っていこう」
こんなことを考えることはまったくありません。
まったく考えることがないために、
私たちはこの生命の神秘の営みの偉大さを、ついつい忘れてしまうのです。
このとてつもなく偉大で神秘的な生命の営みは、
この大宇宙の仕組みと並んで、
まさに最高の奇跡と呼ぶにふさわしいものです。
不思議な世界をまったく信じない人たちは、
たとえスプーン曲げのようなものであっても、
「そんなことは絶対にあり得ない」
と言い切ってしまわれます。
ではそういった人たちは偉大なる生命の神秘をどのように考えているのかというと、
魚にとっての水、私たちにとっての空気のように、
あって当たり前、当然のことだと思っておられることが多いようです。
スピリチュアルな世界の原点とは、
このきわめて偉大なる生命、宇宙の神秘を常に意識しながら
物事を考えるということではないかと思います。
私も超理数系人間で、物事の理屈、法則、真理を知りたいという欲求を
人一倍強く持っています。
そしてその論理的思考で私たちの身の回りを眺めたところ、
私たちが常識ととらえているものだけでは解釈できない
その裏に潜むものがあまりにも大きいように感じられ、
一般的にスピリチュアルと呼ばれている世界に傾倒していくようになりました。
この命、宇宙の仕組みは誰が、どのような形で創造したのだろうか、
なぜかくも偉大な生命システムの上に存在している私たちが、
隣人とのささいな人間関係、わずかなお金の苦労、・・・
こういった（生命システムと比べて）きわめて低次元のことで
頭を悩ませなければならないのか、・・・
本当に分からないことだらけです。
そして分からないこと、それには明解な解答があるのでしょうか。
こういったひとつひとつの疑問を探求していく、
これが私たち肉体を持って生まれた人間にとってのスピリチュアルな道であり、
また最も深いところの魂（真我）が望んでいることなのだと思います。
2010.2.26 Friday
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