読み聞かせ<2>
今回は読み聞かせというよりも、言葉によるメッセージという話です。


聴覚は人間の感覚器官の中で最も長寿命、生命を授かった直後から死の直前まで、
たとえ意識がなく、他の四感が機能を停止、麻痺している状態でも休まず働き続けます。

最近、病院の中には、手術中に患者の好きな音楽を流し、不安を和らげ、
血圧、心拍数の安定に好結果を得ているというところがあります。

全身麻酔の場合でも聴覚は働き続けています。

ある女性患者さん、全身麻酔による手術を受けた後、
なぜか好きだった主治医の先生に嫌悪感を覚えるようになりました。
催眠療法によって彼女の潜在記憶を引き出したところ、
全身麻酔を受け手術室に運ばれる途中、主治医の先生が同僚に
「今日は面倒な手術だよ。やっかいな患者を引き受けて気が重いよ・・・」
と話しているのを聞き、そのことを記憶していたのです。

意識不明になり寝たきりの状態になっても、耳からの情報は届いています。

脳疾患で倒れ、意識不明で助かる見込みがないと言われていた学校の先生、
心配した生徒たちが励ましのメッセージを吹き込み、
そのテープを先生の耳元で繰り返し流しました。
その甲斐あって先生は奇跡の回復を・・・、そんなことをテレビで目にしました。


個人的な体験ですが、私の母の場合もそうでした。

’95年、阪神大震災のあった年です。
脳の検査のために入院していた母が病院内で突然の脳出血で倒れました。
すぐに緊急手術をし、それから亡くなるまでの二週間とちょっとの間、
植物人間の状態でずっと集中治療室に入っていました。

私もすぐに母の入院している奈良に帰り、
兄の車で実家と病院を往復する毎日を過ごしました。

一日二回、集中治療室の母と面会することができ、
母の手を握り、一所懸命涙ながらに母に色々なことを語りかけました。

母のベットの前には心電図、血圧、呼吸数を測る装置、たくさんの機械が置かれています。
その数値を見ながら
「お母ちゃん、ちょっと血圧低いよ、もうちょっと頑張って血圧上げんといかんよ」
まずは数値の安定が第一です。そんなことを母に語りかけました。

すると不思議なことに数値が自然と安定してくるのです。
人間、意識がある時ですら、自分の意思で血圧をコントロールすることは難しいのに・・・。

担当の若い看護婦さんも驚いて
「いや〜、酒井さんのお母さん、息子さんが来てはるの分かっとられるみたいやね。
 息子さんが来はるといつも数値が安定しますね〜」
と言ってくださいました。

他にも励ましの言葉、お礼、決意、いろんなことを語りかけました。
助かる見込みがないと言われた母、
植物人間のままでもずっと母のそばにいたいと思った私は、
自分の中の迷いや不安、そのすべてを母に語りかけました。
語りかけたというよりは、問いかけたと言った方が適切かもしれません。

そうすると本当に奇跡のようなことが起き、その問いに対するメッセージが返ってくるのです。
いろんなことがありました。そのことはいずれまた詳しく書きたいと思います。

睡眠中も含め、人間の意識が消え、顕在意識が活動を停止している時は、
言葉によるメーッセージが、心の奥の潜在意識、魂とでも呼ぶべきところに
よりストレートに入っていくのかもしれません。


語りかける対象は、自分の身体に対しても同じことです。
自分の身体を労わり、声をかければ必ずメッセージが返ってきます。
「身体との対話」、まだお読みでなければ、そちらも読んでみてください。


水に声をかけると結晶の形が変わるという話は、
江本勝さんの本に写真入りで詳しく載っています。

水からの伝言―世界初!!水の氷結結晶写真集 (Vol.2)
水からの伝言―世界初!!水の氷結結晶写真集 (Vol.2)

「神の水」にも書いたように、水は周りのものと調和し、
いろんなものを吸収する性質があるのです。


植物も言葉によるメッセージを聞いています。

あるお百姓さん、田んぼの中に入る時、いつも畦からの入り口近くの稲に
元気に育つよう声をかけていたそうです。
そうするとその場所の稲だけが他の稲よりも大きく育ち、実りもよかったとのことです。

花でも観葉植物でも野菜でも、水遣りの時に声をかけるとよく育つという話は、
最近よく耳にするようになりました。


「声」は「肥」、声をかけるということは、肥料を与え、育てるという理があります。

ご自分のお子さん、周りの人たち、植物、水、自然、
そして自分自身にいい「声」をかけてください。

きっと幸せの種が大きく育っていくことでしょう。

2005.05.12 Wednesday



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