この上ない調和の響き<2> | ||||
木火土金水、万物を構成する五行の性質を音に換えた五行音叉、 その五行音叉を使って最高のステレオシステムの音にさらに磨きをかけた Yamazaru君宅での試みから一年半が過ぎました。 <この上ない調和の響き> そして昨日、三十年来の盟友であり、 音楽にも造詣の深い東京在住の大石さんとともに、 Yamazaru君のオーディオルームを再び訪ねることができました。 あの立派なオーディオシステムは、一年半前と同じく健在です。 部屋の四隅と中央に置かれている五行音叉は、 以前と比べ少しランダムな状態になっていたので、 まずは一旦五行音叉をすべて取り除いて聴いてみることにしました。 その状態でもさすがは最高のオーティオシステム、 その音色、迫力ともに一般のオーディオの比ではありません。 しばらくこの状態で様々なディスクを取り替えて聴き続け、 このシステム初体験の大石さんは大いに感激されている様子です。 ひとしきり音楽鑑賞を終えた後、 部屋の四隅と中央に音叉を設置します。 置く場所はYamazaru君の感覚で配置します。 五行音叉の振動は部屋の空気を揺るがします。 部屋全体の空気がまろやかになり、 部屋の空気と音楽とが調和してくるのを感じます。 空気感というものが音楽と一体になるのです。 五行は音だけではなく、内臓、季節、方位、感情、味覚、・・・ ありとあらゆる様々ものに対応し、 その中で今回は色に着目し、 五行の色をそれぞれの台座に塗ってみることにしました。 木 ・・・ 青 火 ・・・ 赤 土 ・・・ 黄 金 ・・・ 白 水 ・・・ 黒 ちなみに、今置かれている音叉は、 五行に対応した方位によって位置を決めています。 木 ・・・ 東 火 ・・・ 南 土 ・・・ 中央 金 ・・・ 西 水 ・・・ 北 今までは台座の下にそれぞれの対応する色の色紙を置いていたのを、 色紙を取り除き、油性マジックで木の台座に直接色づけしました。 塗ったのは土を除いた木火金水、四つの台座です。 土の台座は前回本物の土を入れた素焼きの器に換えています。 上の写真は火の音叉、台座が赤く塗られました。 手前にあるのはキャンドルで、 火の性質を強めるための補助具です。 四隅四つの台座に色を塗ると、音により生気がこもってきました。 木火金水、四つの性質が強められ、 生命エネルギーが高まった感じが音になってハッキリと表れています。 次に、Yamazaru君が感覚で置いた五行音叉の位置を、 スケールを使い、壁と音叉を理のある距離に厳密に置いてみました。 これはその厳密さが表れて、 音がより端正になり、品格というものを感じるようになりました。 演奏者自身の品位が上がったように感じられます。 楽しいジャズマンたちの演奏を聴くと、 散らかっていたステージの上が片付けられ、 メンバー全員の服装が正されたような、そんな感じです。 さらには五行の中で中央に位置し、 最も影響力の強い土の理に手を入れました。 一年半前に器に盛った土はこれまでの歳月ですっかり乾燥し、 砂のようになってしまい、 音叉がなかなかその中で直立しにくいほどになっています。 この土を新しいのに入れ換えると、 土に生気が蘇ったかのように、音もまたさらに生命感が高まってきました。 五行に於ける土とは、五感でいうなら全身を包む触覚、 手でいえば親指、五体では頭に相当します。 この最も要となる土の理は、音としてもハッキリと表れます。 音もここまで来たら究極です。 もう二本のスピーカーから ・・・ という感覚を超越し、 部屋全体がひとつの楽器になったかのようです。 一昨日、「天才と相対」で、天才五嶋みどりの奏でる 素晴らしいチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲を絶賛しましたが、 Yamazaru君のシステムでチョン・キョンファの演奏する同曲を聴き、 またまたその凄まじいまでの音に驚愕してしまいました。
このCDのものではなく、より若い頃の演奏ですが、 チョン・キョンフア奏でるチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲が YouTubeにありました。 五嶋みどりとチョン・キョンフア、二人の演奏に優劣をつけることはできません。 二人ともひとつの極に到達しています。 それにしても最高のシステムで聴くチョン・キョンフアの演奏は、 CD自体の録音のよさも相まって、 まさに聴く者の魂をわしづかみにするかのようです。 これはもう絶対に言葉では表現できない世界です。 その時頭に浮んだのは、 「人間は、音を用いてこんなところまで表現できるのか ・・・ 」 という感覚です。 曲中の独奏部分では、 あの小さなヴァイオリンで万物すべてをも表現し尽くすかのような多彩な表情を見せ、 激しい音の洪水が終盤に近づくにつれ少しずつ静まりながら、 オーケストラの音、フルートの旋律が優しく重なります。 YouTubeの動画ではこのあたりから聴いてみてください。 ここがまさに鳥肌モノ、魂の震えを感じます。 これは五嶋みどりのヴァイオリンと同じく、 喜怒哀楽といった感情を超えた魂の領域での反応です。 一時代オーディオ評論家としてカリスマ的存在だった故長岡鉄雄が推薦していた 鬼太鼓座のCDも、空気の揺れのような実在感のある低音、 スピーカから鳴っているとは思えないほど激しい大太鼓や三味線のアタック音、 部屋を暗くしてその音を聞くと、まさにライブ会場にいるのと同等、 あるいはそれ以上の雰囲気です。
「それ以上」と言うのは、 もしライブ会場でPA(音響装置)を使っているとしたならば、 そのPAから出るであろう音よりも、 目の前にあるYamazaru君のシステムの音の方が よりリアルであるに違いないと感じられるからです。 そんな素晴らしいYamazaru君のシステムですが、 あまりにも音がよすぎて、 録音の悪い音源は、その欠点をあからさまに露出させてしまいます。 Yamazaru君は好きなクラシック音楽の分野に於いて、 「EMIのCD録音は酷い!名演奏家の音楽を台無しにする!」 と激しく憤っておられましたが、 実際にその音をYamazaru君のステレオで聴かせてもらい、 その言わんとすることがよく理解できました。 ある素晴らしい演奏のCDを聴かせてもらうと、 最も大切な音の芯がスカスカで、まさに『音の絞りかす』といった感じなのです。 これはたぶん意図的にそういう音作りをしているのでしょう。 原音に忠実ということではなく、 安価なステレオやラジカセで聞いた時に音が安定するように、 音にそういう操作を加えているのです。 それでもクラシックはまだましな方で、 ポピュラーミュージックのほとんどは、 こういった安価システム向けの音作り(加工)をしています。 これも「少しでもいい音で音楽を楽しみたい」という思いを持った 音楽ファン、オーディオマニアが減ってしまった現状では致し方ありません。 今回も、音から本当にいろんなことを感じ取らせてもらいました。 音から学ぶその旅路は、これからも永遠に続きます。 最後に盟友大石さんが書いてくださったレポートをご紹介します。 Yamazaruさんのオーディオのことは、以前、酒井さんから聞いてずっと気になっていましたが、この度初めてYamazaruさんとお会い出来る機会を得られたと共に、念願のオーディオの音も聴かせて頂けることとなりました。 以前、色紙や音叉等をセットして音が変わった・・・ということを酒井さんのホームページで読んだ時には、 「そんなに音が変化するものだろうか?」 「自分にも音の変化がわかるものなのかな〜?」 と、少なからず疑問を感じていました。 とはいえ、やはり「どんな音なんだろう?」 という好奇心は増していました。 そして、いよいよ実際に音を聴かせて頂けることとなった訳ですが、 最初は音叉(5つ)を全て外した状態からクラシックを聴かせて頂きました。 その音は、決して自宅では味わうことの出来ない感動的な音でした! 持参したJAZZのCDもかけて頂きましたが、 それだけで充分満足させてもらいました。 しかし、その後に音叉を所定の5箇所の位置に設置して、 再度持参したCDをかけて頂いたところ、 先程よりも音が前に迫ってくるように臨場感が増し、 明らかに違いを感じることができました。 しかし、それだけで終わらず、 何やらYamazaruさんはマジックペンを用意されていました。 そして、音叉の土台になっている厚い木の板をマジックで色塗りすることになりました。 (酒井さんの本文で、たぶん詳しい説明があると思います。) そして再び所定の位置にセットしたところ、 なんと!更に音が変化したではありませんか! その前の段階で充分満足だったにも関わらず、 その場の空気感が変わり、更に音のバランスが整ったのがわかりました。 その後も音叉の位置を変えたりして、 色々と試してもらいましたが、 その都度変化を感じ、音の不思議さ、奥深さを味わうことができました。 この度は、とても貴重な体験をさせてもらい、 酒井さんとYamazaruさんには感謝感謝です♪ 2018.5,5 Saturday Tweet |