慈愛の調べ
中国の伝統弦楽器 二胡、その哀愁を帯びたやさしい音色は、
「アジアン・ミュージック」のブームの中にあって、
ひときわ高い人気を誇っています。

MOON-月亮心-
MOON-月亮心-
チェン・ミン

チェン・ミンが奏でる二胡の調べは、
すべてを認め、許し、受け入れてくれる、
まさに大いなる慈愛そのものです。

全十曲、彼女の素晴らしい演奏から連想されるもの、
それは「天女」、「飛天」です。

広く澄み切った天空を虹色に光り輝く雲に乗って軽やかに漂う、
その美しくもたおやかな世界、
人間の持つ霊性の世界なのかもしれません。

CDショップの試聴機で初めてこの『MOON』を耳にし、
最初の10秒で心奪われ、不覚にも涙がこぼれました。

美しい旋律で知られるベートーベンのピアノ曲「悲愴」、
彼女の演奏を聴いていると、あたかもそれが二胡のオリジナル曲であるかのようです。
流れるような二胡の奏でるメロディーラインとチェロとのアンサンブルに
気持ちが静かに溶け込み、まさに至福のひと時です。

「癒し」という言葉はあまり好きではありませんが、
素晴らしい音楽には、人の心に大いなる安らぎと救いを与えてくれます。

チェン・ミンの二胡で出逢い、
またひとつ心が豊かになりました。



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