HIROSHIMA 60
ほんの数日前、知り合いのホームページから
あのジャズ界の巨匠ハービー・ハンコックが広島で野外無料コンサートをする
という情報をキャッチし、
今日その会場である広島中央公園へ足を運んできました。

広島中央公園

中央公園は原爆ドームのある平和公園の少し北、
広島市民球場から歩いて約10分ほどの広島市街のほぼ中心に位置しています。

天気が少し心配されましたが、午前中少し雨がばらついたものの、
開演となる午後六時前には青空が覗くほどになり、なんとか一安心です。


この場所は二年前、2003年3月2日、戦争反対、核兵器廃絶を訴える
一万人の人文字集会があった場所です。

平和を願う一万人の人文字

「 NO WAR  NO DU! 」、戦争反対、DU (劣化ウラン弾)反対を訴え、
全国から多くの人たちが集まりました。
私の友人も二人、東京と富山からわざわざ鈍行列車を乗り継ぎながらやって来て、
我が家に一泊して翌日帰って行きました。
まったく頭の下がることです。m(_ _)m

その時もまったく不思議な天候でした。
集会の前日まで数日間ずっと雨が降り続き、当日はどうなることかと思いましたが、
朝になってみると天気は晴れ、気温も上がり、3月上旬にも関わらず、
気の早い若者は半袖のTシャツ一枚で走り回っておりました。

そして集会の翌日からはまた天気が崩れ雨が降ったのですから、
何かに守られているとしか思えません。

集会が終わった夜にスタッフだけの打ち上げに参加し、
上の航空写真を撮った豊田直巳氏と同席させていただきました。

ここで詳しくは述べませんが、劣化ウラン弾、本当に恐ろしいものです。
被爆地広島に住むものとして、このことはしっかりと心に留めておきたいと考えています。


開演30分前に会場に到着しました。
もうけっこう人が集まっていて、最終的には全部で一万人になったそうです。

HIROSHIMA60 世界青年平和音楽祭

ステージの上の「HIROSHIMA 60」と書かれた看板が目に入ります。
演奏中は写真撮影ができませんので、私の撮った写真はこれまでです。

今日の「世界青年平和音楽祭」、
ちょうど一週間後に迎える被爆六十周年を祈念、追悼するコンサートです。
配られたパンフレットを見ますと、ハービー・ハンコックだけではなく、
多彩なゲストが出演するようです。
集まっている人たちもさすがは無料コンサート、ちっちゃな子供さんからお年寄りまで
こちらも多彩な顔ぶれです。

午後六時、まだ明るい内からコンサートスタートです。


広島の中国人留学生による古筝の演奏、
中国の音楽も東洋ということで日本と相通じるものがあります。
しんみりと心にしみるいい音でした。


数年前まで土曜の夜、日テレの「夜はヒッパレ」によく出ていたカズン、懐かしいです。

GOLDEN☆BEST/カズン 冬のファンタジー/シングル・コレクション
GOLDEN☆BEST/カズン 冬のファンタジー/シングル・コレクション
カズン

仲のいい二人のハーモニーを聴いていると、あの当時を思い出します。


歌唱力抜群の島田歌穂、透明感あふれる声、それがどこまでも遠くに響き渡り、
テレビで観ていた印象と変わりません。

ビューティ・パワー・スーパー・セレクション
ビューティ・パワー・スーパー・セレクション
島田歌穂

さすがミュージカルの舞台を数踏んでいるだけあって、じつに堂々として絵になります。
ギーターと合わせて詩の朗読もしてくれました。


日も薄暗くなりはじめて、いよいよ第二部、ハービー・ハンコック(ピアノ)と
ウェイン・ショーター(サックス)の登場です。

パンフレットを見ると二人は、それぞれグラミー賞を11回、8回受賞しているとか・・・
すごいですね。
さっきアマゾンで二人の関係したCDアルバムを調べてみたのですが、
こちらも422枚、200枚とものすごい数です。
さすが巨匠と呼ばれるだけはあります。

Mwandishi: The Complete Warner Bros. Recordings
Mwandishi: The Complete Warner Bros. Recordings
Herbie Hancock

The All Seeing Eye
The All Seeing Eye
Wayne Shorter

演奏はギターが加わったトリオスタイル、なんだか前衛音楽のようです。
フリージャズというのでしょうか、効果音のようなものが入って
アドリブ演奏のような形が長時間続きます。

この音楽、正直私にはちょっと理解不可能でした。
ベース、ドラムスというベース楽器がなければオーソドックスなノリのいいジャズを
期待するのは無理なのですね。
私でもよく理解できない音楽、周りのオバチャンたちはかなり退屈そうでした。

まあ二人のピックネームの演奏を聴く経験ができたというだけで
満足すべきなのでしょう。


今回最もよかったのは、一部の途中と最後、二回に分けて登場してくれた
舞太鼓あすか組という和太鼓グループです。

舞太鼓あすか組  ← ホームページから写真を拝借!

和太鼓と篠笛の掛け合い、息をのむ、何か“殺気”のようなものを感じます。

たくさんの太鼓が集まって同じリズムを刻み続ける組太鼓、
太鼓の音が耳ではなく、身体の奥深い部分に直接響いてきます。

なぜ太鼓の音が深いところに響くのか・・・、
ひとつは太鼓の刻むリズムが、人間が興奮した時の少し早めの心拍音に近いからでしょう。
もうひとつは、昔から日本にあった和太鼓の音そのものが、
私たち日本人の遺伝子DNAに直接訴えかける何かがあるのではないかと思います。

とにかくすごい ・・・ 、
そのすごさを頭ではなく理屈抜きで身体が感じます。

演奏が終わると同時に、周りから「いや〜、これはすごいね〜」等々
感想の言葉がたくさん聞こえてきました。
拍手の音も全演奏者の中で一番大きいものでした。
知名度ではなく、心からわき上がる感動による拍手、
とても心地いいものです。(^o^)v

前項でも書きましたが、本当に素晴らしい音楽は、
人はみな本能的に感じ取ることができるのでしょう。
  (太鼓の音は、音楽というよりも、生理的な音、響きといった感じがしますが)


たくさんのいい音楽を聴かせてくれた世界平和音楽祭に感謝です!!
主催してくださった創価学会さん、またよろしくお願いいたします。

2005.07.30 Saturday




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