形には意味がある

ものの形や構造には意味があり、形が似ているもの同士は、共通した性質や、互いの働きを助ける力を持つことがよくあります。

クルミはオメガ3脂肪酸やポリフェノールが豊富で、頭の働きをよくすることが知られています。
クルミの形を見ると、まさに大脳そっくりです。

クルミと脳

 

猛毒とされるイヌサフランは、その球根の形が痛風で腫れた指と似ています。
そしてその球根や種子からとれるコルヒチンという物質は、痛風薬として
用いられています。

イヌサフラン

 

ニンジンは、ベータカロチンや各種ビタミンが豊富で、目の健康にいいと言われていて、ニンジンの断面は放射線状で、瞳の形とよく似ています。

ニンジンと瞳

 

ルンブルクスという薬は脳の血栓を溶かす働きがあり、ミミズを原料としています。
ミミズは土の中で土を食べ、土を肥やしながら穴を掘って進んでいきます。
ミミズは土の中にいても粉末の薬になっても、通りをよくし、前に向かって進んでいこういう同じ働きをするのです。

 

形の持つ性質は、人間の身体全体、体型にも現れています。
ドイツの精神科医であったエルンスト・クレッチマーは、人間の気質と体型には大きな相関関係があるとし、その体型によって気質をいくつかのタイプに分類しました。

クレッチマーの性格判断

 

東洋医学では、気という生体エネルギーが滞るところをツボ(経穴)と呼び、そこを刺激することによって治療を行っています。

人体にはそのツボが集中している場所がいくつかあり、耳はそのひとつです。
耳はお母さんのお腹の中にいる胎児の形をしていて、耳たぶは頭、耳の内側は内臓、外側は手脚といったように、それぞれ胎児の身体の相当する場所がツボとなっています。

胎児と耳ツボ

 

近年、人体という小宇宙の神秘が次々と明らかになっていて、天城流湯治法という治療法では、その相似した形に着目した治療を行い、大きな成果を上げています。

例えば首に痛みがある場合、人体で同じ首という名前の付くところ、乳首、手首、足首、こういったところを揉みほぐすことにより、首の痛みを和らげます。
首というのは本体から突出したものを支え、自由に動かすことのできるところで、首、乳首、手首、足首はみな共通した形状、性質を持っていて、互いに関係し合っています。

また乳房にしこりがある場合は、乳房と形状が似た頬のふくらみ、親指のつけ根にある金星丘、また背中の肩甲骨、かかと、お尻といった丸くふくらんだところに影響が現れ、そのしこりがあるふくらみの場所に相当するところに同じくしこりができやすく、そのしこりが表面にある場合はそこから近い形が似たところ、深い場合には遠いところに影響が見られるとのことです。

二重らせんが生命の基本構造であるように、形とは、そのものが持つ性質、働きの表れであり、そこには深い意味が込められています。

 

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