共生<2> | |||
動物と植物の食べたり食べられたりする共生関係は一本の鎖のようなものではなく、 実際は複雑な網のような形になっています。 図表出典「中学理科を攻略しよう」 このような関係を「食物連鎖網」といいます。 この食物連鎖網からも分かるとおり、ひとつの生物の生存の危機は、 周りで関係する他の多くの動植物に大きな影響を与えます。 あるひとつの生物が絶滅すると、その生物が餌としていた生物が増えすぎたり、 逆にその生物を餌としていた生物が生存の危機にさらされ、 生物界全体のバランスを大きく崩す原因となります。 現在地球上には500万から5000万種類の動植物が存在するといわれていますが、 急速な環境破壊等の影響で、そのうち約15000種類の動植物が 生存の危機が迫る絶滅危惧種と認定されています。 地球誕生以来40億年の永きにわたって作り上げてきた動植物の共生関係、 これが大きく壊れてしまわないように、 たくさんの動植物が暮らしていける豊かな自然環境を取り戻すことが、 私たち人類に与えられた急速な課題となっています。 周りの様々なものと役割を分担し、お互いにバランスをとっている共生関係は、 動植物の世界だけではなく、宇宙全体すべてのものに広がっています。 この宇宙には周りの他のものと共生関係なしに単独で存在しているものは 何ひとつありません。 ミクロの世界原子、マクロの世界太陽系も同様です。 原子は中央の原子核と周りを飛び回る複数の原子、 太陽系は中央の太陽とその周りを周回する数々の惑星と彗星、 これらがバランスを保ち共生関係を成り立たせています。 私たち人間の身体を見ても、 心臓から全身の隅々にまで血液を送るための動脈があり、 その血液を再び心臓に送り返す静脈があるおかげで、 常に全身に新鮮な血液を行き渡らせることができます。 筋肉には、伸びる筋肉“伸筋”と縮む筋肉“屈筋”があり、 このふたつが互いに協力することで全身を自由自在に動かすことができます。 そして最も尊い命を生み、次代へ継承していけるのは、 男性と女性、ふたつの性があってこそです。 |