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2018年2月13日 ・・・ 海外支援

今日は2月13日、
今からちょうど十年前の2008年2月13日に、
初めて南インド タミルナド州の土を踏みました。
今日は自分にとって南インド支援丸十年の記念すべき日です。

この十年間で南インドには八回足を運びました。
滞在期間は短くて一ヶ月、長くて三ヶ月半、
その間訪ねたのはインドへのご縁を導いてくださった日本山妙法寺の道場、
三ヶ所の児童養護施設、日本の援助で作られた学校、
思い出は限りありません。


自分がインドの支援をしているということは周りの人はよく知っていて、
「サカイさんはインドの貧しい人たちのお世話をしてすごいですね」
とよく言われます。

けれど実際そんなことはまったくないのです。
公衆トイレの掃除もそうですが、
ただ楽しいから、自分の心が喜ぶから行っているだけであり、
「自分を犠牲にして」などという気持ちは微塵もありません。

また中にはインドの活動に対して批判的考えを持たれる方もおられます。
そしてそれを口に出されるのはほとんど年配の男性です。

ある方は初対面で、
「インドへの支援などしてはいかん。
 まずは日本で困っている人たちを助けるのが先じゃないですか」
と、いきなり説教をしはじめられました。

また別の方はお酒を飲みながら、
「外国のことはその国の人たちに任せればいい。
 日本から外国のことに手や口を出すべきではない」
と言われました。

人それぞれいろんな考え方があるものです。


人間が物事を判断する基準、
そのほとんどは思考ではなく感情です。
それが好きだから、心が動くから、縁があったから、あるいはなんとなく・・・
そんな言葉で説明することのできない感情で物事を決めています。

世の中の役に立つことはたくさんあります。
もう無限と言ってもいいぐらいです。

今なら東北や熊本といったところの被災地支援、障害者自立支援、
自分が関わっている盲導犬贈呈活動もそのひとつです。
交通遺児、難病の子どもたちの支援、自然保護、
文化財、伝統保護、地域活性化のための活動、・・・。

この範囲をさらに広げると、企業活動も世の中に役立つものと言えます。
ほとんどの会社に企業理念というものがあり、
例えば運送会社なら、
「○○運輸は、物流を通して社会に貢献する」
みたいな言葉が謳われています。

そんな幅広い“社会貢献活動”の中のひとつとして海外への支援もあり、
それを身近なものとそうでないもの、
自分たちがすべきものとそうでないものとを区分することなどできないと、
自分は考えます。

最も身近なのは自分という存在、まず自分自身がしっかりと自立すること、
次が家族、その次が所属する学校や企業、
町、市、県といった地域社会、そして日本、
その上が外国を含む世界全体、
そしてすべての動植物、宇宙と広がっていくでしょう。

この広がりは本来ボーダレス(境目のない)なものであり、
その大きな広がりの中のどこに自分の存在を感じ、
どんなところで活動していくかは、
自分の感情で判断していけばいいものだと感じます。

人間は社会的動物です。
その社会的動物の健全な本能のひとつとして社会貢献活動があり、
人それぞれ様々な個性を持つのと同じく、
それを志し、関わっていく活動が多岐に渡るのは当然なことです。
そしてまた多岐であるがゆえ、
全体として自然にバランスが取れていくのだと考えます。


自分はインドに魂のご縁を感じます。
そしてそれを示すかのように、
これまでたくさんの奇跡的な出会い、導きを体験し、
インドと関わりを持つことに一点の迷いもありません。
これは本当に幸いなことであり、恵みだと感じます。

インドをはじめアジア各国は近年急激な経済発展を遂げ、
経済大国と言われる(言われた?)日本との経済格差は
急速に縮まりつつあります。

昨年インドに行った際に手にした雑誌には、
年間の賃金上昇率は、アジアの中ではインドが最大で、
日本が最低だと書かれていました。

自分が南インドを訪ねるようになってからも、
毎回街の様子が変っていくことには驚かされるばかりです。
走っている車が少しずつ立派なものになり、
ケイタイの基地局が町や村の至る所に建てられ、
誰しもがケイタイを持つようになり、それも今やほとんどがスマホです。


   ~ これは四年前の写真、小学校の職員室です。
      学校に電気は通っていますが、
      職員室には蛍光灯もコンセントもありません ~

路面の商店のなんとも風情を感じる白熱灯は蛍光灯、LEDに取って代わり、
電力事情も改善され、停電時間も減ってきました。
そしてそれと同時に冷蔵庫やクーラーといった家電製品が
田舎にも少しずつ普及していっています。

それでもインドは日本のように文明の先端を長年走ってきた国とは違い、
インフラ設備の発展の仕方がいびつです。
田舎の村にはケイタイは普及していても、
有線電話の回線は届いていません。
村にも大きな家はありますが、水道の蛇口がなく、
近くの井戸に水をくみに行く必要があります。
またインドはトイレの普及率が低く、
いまだ外の道路脇や野原で用を足す人が大勢おられます。

明るいインド人たちはテレビや映画、歌や踊りが大好きで、
椰子の葉っぱで編んだような家に住みながらも、
衛星放送を受信するパラボラアンテナが立っている光景は、
日本人から見ると不思議な感覚を覚えます。




そんなインドは経済発展の道を歩みながらも、
貧しい人たちは貧しいままで、貧富の差は広がる一方です。

日本とさほど価格差のないマクドナルドに
IT企業に勤める若者や、富裕層の学生たちが押し寄せる一方、
親の代からずっと路上で生まれ、路上で生活する人たち、
貧しさがゆえわずか6歳で労働者として他所に出される子どもたちがいて、
その社会的弱者の人たちの悲惨さは、日本の比ではありません。

貧困から逃れる道は高い教育を受けることですが、
残念ながら、インドでは学校に通えない子どもたちがたくさんいて、
その子たちは貧しさの連鎖から逃れることができません。



過酷なインドで障害を抱えて生きていくことは容易ではありません。
そんな人たちになんとか自立への道を与えたいと思うのは、
それを知る者にとって当然の願いです。



上の二本の動画は、プラン・インターナショナル・ジャパンという
海外の、主に子どもたちを支援する団体が制作したものです。

特に下の障害者の暮らしを伝えている動画は、
四年前、三ヶ月半滞在した南インド カルナータカ州のものなので、
胸につまされます。

プラン・インターナショナル・ジャパン

プラン・インターナショナル・ジャパンのYouTubeのチャンネルには、
たくさんの海外の現状を伝える動画がアップされています。
  <Plan International Japan Videos - YouTube>

まずは海外で様々な困難に直面している
子どもたちの現状を知っていただきたいと強く願います。

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2018.2.13 Tuesday  
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