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2017年12月29日 ・・・ We're All Aione

『歌は世につれ世は歌につれ』
懐かしい歌を聴くと、それをよく耳にしていた当時のことを思い出します。

小学校の頃はもっぱら歌謡曲、
あの当時は紅白で歌われる歌は家族全員が知っているのが当たり前、
家族団欒、お茶の間という言葉が生きていた時代です。

中学校になると花の中三トリオ、
森昌子、桜田淳子、山口百恵なんかが流行っていました。
彼女らは自分よりひとつ上の学年です。
西城秀樹、野口五郎、郷ひろみの新御三家もこの頃です。

高校なると独自の音楽感覚に目覚め、
音楽好きの仲間はフォーク派とロック派に大きく分かれていました。
拓郎、陽水、かぐや姫、
今考えると、フォークギターを抱えて大声で歌うのは、
自己表現の最高の手段だったように思います。

自分はどちらかというとロック派で、
エレキギターを弾きながら、
家ではディープパープルやレッドツェッペリンを熱くなって聴いていました。

エアロスミスやキッスの初来日公演を大阪に聴きに行ったのも高校の頃、
彼らが四十年以上経った今も現役で活躍しているのには驚嘆します。

大学に入ると大人びたしっとりとした音楽を好むようになり、
当時ジャズとロックを融合したジャンルということで
クロスオーバーやフュージョンという言葉が流行し、
そんな音楽を車のカーステレオでよく聴きました。


大学時代最も心に残っているのはこの曲、
ボズ・スキャッグスの「We're All Aione」(ウィア・オール・アローン)です。

洋楽の多くは、その詞の中に深い哲学的意味を持っています。
残念ながら日本人は、ほとんどその意味を感じ取ることなく
ただメロディーのみを聴いているのですが、
昨夜は英語の学習を兼ねて久し振りに「We're All Aione」の
訳詞の付いたものを聴いてみました。



この曲を聴くと、若かりし当時のことが走馬燈の如く思い起こされます。
過ぎ去った思い出はすべて美しい・・・、
その言葉が真実であることを古い記憶が証明しています。


「We're All Aione」、これは中学生でも分かる英文です。
これまでは文面通りに意味を解釈し、
「僕らはみんなひとりぼっち」、こう言っているのかと思っていました。

ところが、このたび上記動画の訳された日本文を読み、
これは“ひとりぼっち”ではなく、
“二人っきり”を意味するのだということを初めて知りました。
たしかに文章の流れを見た時に、
二人っきりと解釈する方が自然なように思われます。

さらに疑問を持っていろいろと調べてみると、
この歌詞にはいろんな解釈があるということも分かりました。
  <ウィ・アー・オール・アローン - Wikipedia>

オーソドックスな解釈は“二人だけ”ですが、
リタ・クーリッジがこの曲をカバーしてヒットさせた際の邦題は
「みんな一人ぼっち」です。

またアンジェラアキがカバーした際には歌詞をかなり意訳し、
「人間はみな一人だから 境のない自由な世界目指し 踏み出すの」と歌っています。



一人なのか二人なのか、
孤独というものを考えた時、
それはすべて自己をいかに認識するかにかかっているように感じます。

その昔、人生で最も大きな苦しみを抱いていた時期、
魂の凍るような孤独感を覚え、
日々死というものが頭から離れることがありませんでした。

お釈迦様は生きる苦しみを『四苦八苦』に類別されました。
その中の、
愛別離苦(あいべつりく) ・・・ 愛する者と別離すること
怨憎会苦(おんぞうえく) ・・・ 怨み憎んでいる者に会うこと
この二つが真に孤独を感じされる感情であるということを、
自らの体験を通して知りました。

世の中には一人で気楽に暮らしている人もいれば、
大勢の心通わない人たちに囲まれ、
心を閉ざし、孤独に苛まれている人もいるのです。
孤独とは環境から与えられるものではなく、
その人の心の中にある感情、その状態から生み出されるものです。


もうひとつはアドラー心理学の考え方のように、
すべての因は自分にあり、
その自分というものを深く掘り下げない限り、
他人と上手く関係することはできないということです。

つまり孤独というものは、
きちんと自己を確立していないところから生まれるものであり、
逆説的な言い方ですが、
自己と他人との境界を曖昧にし、
他人に大きく依存する考え方を持つことこそが、
孤独を感じる最も大きな要因ではないかということです。

他人に依存した関係である限り、
期待の裏にある失望、恨み、嫉み、
そういった感情の嵐から逃れることはできません。

自分と他人とは異なる存在である、
それを認識し、自己を確立し、
「We're All Aione」、人間は本来一人ぼっちである、
こう考えた先にこそ周りとの望ましい融和関係が生まれます。


「We're All Aione」、この言葉こそ、
寂しさや孤独を感じている人間に、
最も大きな勇気を与えるものであると感じます。

人は、人とともに生きるからこそ人間になれます。

2018年が皆様にとってよい年でありますように。




こんな曲も学生時代当時を思い出させてくれます。
あの頃の歌は心に染みますね。

これほど深い心象風景を感じさせてくれる曲は極めて稀です。
まさに神曲。



村下孝蔵の素晴らしい人柄と純粋さを感じさせてくれます。
彼の純な思いが高い音楽性に乗って心に届き、
まるで自分の初恋を歌ってくれているかのようです。
村下孝蔵は、死してなお輝きを増す存在です。



2017.12.29 Friday  
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