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2017年10月21日 ・・・ 活かす喜び

これまでこのヨガナンダには、
1000ページぐらいいろんなことを書いてきたでしょうか。
なるべく高頻度で更新したいと思うのですが、
テーマが見つからない時もよくあります。

また何か頭に浮んだりしても、
以前同じようなことを書いたからと断念することもしばしばです。
それでも結果的に、飽きずにワンパターンのことを繰り返し書くのですが、
それは地球が太陽の周りを繰り返し周り、
昼と夜が繰り返され、四季が循環するが如く、
人間も渦を巻くように進化発展していくのですから、
しばらくの時を経て、
同じような境地にたどり着くのは自然なことなのだと思います。

また東洋的生命観を追い求めていくと、
真理は極めてシンプルな中に見つかるので、
それを言葉を変えて何度も述べてしまうことになるのは
致し方ないのだと ・・・ 、
言い訳のようですが感じる次第です。


と、これもワンパターンですが、
いろんなモノを手放すって気持ちがいいですね。
整理整頓、ガラクタ処分は病みつきになってしまいます。

少し前のページにも書いたように、
これは人間の生理的根本欲求、排泄の快感にも通じます。
また性的表現を許していただけるなら、
男性の射精の快感も同じものだと思います。

近日中に知り合いのオフィスの断捨離を手伝うことになっています。
断捨離でモノを処分するのは、何を残すかが主体です。

木の塊から仏像を彫る仏師は、
仏様についているホコリを払う感覚で木を削っていくと述べておられました。
断捨離もこの感覚、主体は残されたものなのです。

ですから、処分するモノが「これは○○さんからもらった」、
「買った時は高かった」、「まだ使おうと思えば使える」
といった思いは断ち切るべきです。」

そしてそのキーワードは “活かす” ということです。
本当に大切なモノを選りすぐり、
そのモノに常に意識が向くようにする、
そのモノの持つ本来の役割を活かせるようにする、ということです。

そして不要品として処分するモノも、
人にゆずるなりゴミにするなりして、
新たな活かすための道を与えてあげるのです。

物質はこの世の中から消えることはありません。
形を変えるだけです。
灰になっても土に還っても、
この時空の大きな循環サイクルの中、
何らかの役目を果たしています

諸行無常、循環というのはこの時空の基本法則です。
モノをため込んだり、ホコリを被せたまま死蔵するというのは、
そこで活かされずに流れを止めてしまうことであり、
これは循環の法則に逆らうことで罪なのです。

罪というのは抽象的な概念ですが、
時空、生命の法則に逆らったところには、
生命エネルギーは宿らない、ただそれだけのこと、
極めてシンプルなひとつの法則です。


ガラクタを手放し、モノを活かしていくのは快感です。
けれど100%それだけかというとそうではありません。
誰しも人間の心の中には恐怖や不安があり、
「捨てるのはもったいない」とか「いつか必要になる時が来るのでは」
という感情が残るものです。

そして最近強く感じるのが、
たしかに断捨離し、持っているモノを活かしていくのは
自己成長に通じると理解しているものの、
その成長を拒もうとする思いもまたあるということです。

誰しも物質的にも精神的にもより豊かになりたいという夢があります。
そしてそれと同時に、現状に不満を持っていたとしても、
多少でもその現状を維持したいという思いも抱えているものです。

たとえば「もっと仕事が欲しい」と願っている人でも、
心の隅では「今はヒマで楽だ」という思いがあるようなものです。

断捨離をしてモノを活かすというのは強烈な自己変革の手法です。
それだけに、今の自分の心、
心の中にある自己像というものを大きく変えていく決意が求められます。


今は情報過多の時代、
誰しもが本や冊子、映像や音声資料、
自己を高めるために参考になるものを山のように持っています。

きっとそれらすべてを理解して実践したならば、
超一流の哲学者か宗教家になれるでしょう、
けれど誰もそうはなっていません。

それは、それらを活かし切っていないから、
これは当然自分も含めてのことです。

こがし玄米のことは、随分以前に買った健康雑誌を処分しようと思い、
読み返している中で気がつきました。
その時に目に入ったのはこがし玄米だけではありません。
他にいくつも役立ちそうなのでやってみたいなと思えるような記事がありました。
そのうちいくつかは早速実践していますし、
また他のものは記事を切り取って手元に置いています。

書店には健康に関する雑誌が何種類も並んでいて、
そこに書かれている健康に関する情報は膨大です。
そしてその中のひとつ二つでも実践し続けるというのは
大きな決意のいることです。

けれど毎月それらの雑誌が書店で平積みになっているというのは、
ほとんどの人は情報に目を通すだけで
実践していないということなのでしょう。

ダイエット本などもそうですね。
どんどん新たな手法が生まれてブームになり、
それが延々と繰り返されています。

現代人のほとんどは、
多くのモノや情報を手に入れれば、
その結果として必然的に幸せになれると信じています。
けれどそれは裏を返せば、
多くのコト、モノを活かすことのできない生き方を求めているようなものです。


昨日、生命観を持った図形の構造と生命は同義だと書きました。
ワンネスは時空の基本構造であり、時空、生命そのものです。
ですからどんな真理も、究極的には同じところに辿り着きます。

2008年、初めて南インドのホームを訪ね、
私物をほとんど持たない質素な暮らしをしている子どもたちが、
まばゆいばかりの笑顔を持っているのを目の当たりにし、
日本でよく耳にしていた『ただ足るを知る』という仏教的真理を
初めて深く理解できたような思いになりました。

なぜ質素な暮らしの中で “足る” を感じることができるのか、
それは質素なのに、ではなく、質素だから感じ取ることができるのだ
ということにしばらくして気がつきました。

質素だからこそ少ないものを大切に使う、
大切に使うから感謝が生まれ、活かすことができる、
身の回りのものをしっかりと活かしている、
だからそこに “足る” を感じ取ることができるのです。


断捨離をしてもインドのホームの子どもたちのように質素にはなれませんが、
少しでもその心持ちに近づくこと、
それはモノを活かす、感謝するということです。

モノを活かすから感謝することができる。
感謝しているから活かそうとする。

今身近にあるものすべてに感謝しているのなら、
使うあてのないもの、使い勝手の悪いと感じているものには、
新たな活きる道を与えてあげるべきです。
それがたとえ灰や土になるゴミという道であっても、
ホコリを被った死蔵状態よりもいいということ知るべきです。


ですから、断捨離の究極のテーマは何を残すかということとともに、
すべてのモノに活かす道を与えるということです。

身の回りのモノをすべて活かすから、
それに囲まれる自分もまた活かされるのです。

これは風水でもあります。


具体的身近な話を。
家でご飯を炊く時は、磁性鍋というセラミック鍋を使っています。

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電子レンジは好きではないので持っていませんが、
この鍋は電子レンジのマイクロ波を無害化するそうです。

セラミック鍋は健康的でとてもいいのですが、
扱い方を雑にすると所々欠けてきてしまいます。

最近それが何ヶ所にもなり、
炊飯時にはその欠けている部分から蒸気が漏れるからか、
あまりご飯が美味しくないと感じ、ちょっと気分がブルーになっていました。

高温にさらされるセラミックは簡単に補修できるのか、
変な材質で補修するとそれが料理に溶け出さないか、
いろいろと心配があり、
伊万里に若い知人の陶匠がいるので相談しようかなどと考えたりしながら、
とにかくまずネットで調べ、補修にトライしてみることにしました。

陶器にはエポキシ系のパテが補修に使えるとのことで、
早速近くの百円ショップに行ってみると、
パテはないものの、同じエポキシ系の接着剤があったので、
それを買ってきました。

たぶんパテも接着剤も接着力や固定力には差がなく、
作業時の粘りに違いがあるのだと思います。
接着剤で成形するのはかなり難しかったのですが、
なんとか欠けた部分を接着剤でふさぎ、
少しだけペーパーヤスリをかけ、
自分としてはぼ百点満点の状態にすることができました。
  (写真を見るとちょっと汚いですね ...)



その夜早速その鍋でご飯を炊いてみると、
たしかに以前よりも美味しく炊け、大大満足です。

『倒れた時はただでは立ち上がりたくない』との思いがあり、
土鍋炊飯のことをネットで調べ直し、
炊き方を少し変えたのもよかったのかもしれません。

これまでは研いだお米をすぐ鍋に入れていたものを、
お米を研いだザルでしばらく浸水させ、
炊く直前にいったんよく水を切り、鍋にお米新しいと水をいれるようにしました。
さらにガスはこれまで最初から強火にしていたものを中火にし、
この二つが変更点です。

これが活かす喜びですね。
本当に、新品の鍋と交換してもらうより嬉しいです。
活かすことができたモノには愛着が湧きますから。


手元にあるたくさんのモノを整理し、
それらをどう活かしていこうかと再び目を向けると、
足るを知るを通り越し、
一気に超大金持ちになった気分です。

本当に今まで山のようにいいものと出会ってきて、
それを活かすことなくため込んでいたのを今さらながら感じます。

例えば本、
あなたにとって最も大切な本は何ですか。
一冊だけでもいいですし、二冊三冊、五冊でも構いません。
それらを徹底的に熟読し、自分のものとして身に付けたなら、
どれだけ大きな幸せを手にするでしょう。

それがすべての答えです。

2017.10.21 Saturday  
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