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2015年9月30日 ・・・ いい写真を撮る

明後日10月2日金曜日、
ここ広島で、ひろしまカンボジア市民交流会の大きなイベントが企画されています。



そのための準備を少しお手伝いしているのですが、
昨日の深夜、これまで撮ってプリントした写真が百数十枚あり、
それを思い出のものとして会場に展示したいので、
それらをすぺてスキャナーで読み取って電子データ化し、
その上で少し大きめの2L判の写真用紙にプリントして欲しいと頼まれました。

交流会のこれまでの歴史を物語る数々の写真、
交流会誕生のキッカケとなった21年前の広島アジア大会のもの、
そのアジア大会出場をかけ、現地カンボジアで行われたマラソン選考会、



大会終了後、広島で行われた選手団たちの壮行会、



いろんなイベント会場で、
ひろしまハウス建設のための資金集めをした時のもの、



こういった写真のひとつひとつに思い出がたくさん詰っています。


で、写真そのもののことについてお話ししたいのですが、
これらの写真はサイズは小さいものもあれば大きなものもあり、
また大事なところだけ切り取ったものもありと様々です。

すべてシロウトの人が撮ったもので、
構図やピント、撮るタイミングがイマイチだなと思われるものもたくさんあるのですが、
それらを含めてすべてが貴重な思い出と歴史を物語る一枚なので、
選り分けることなく、すべてをスキャニングさせてもらいました。

今はスキャナーの付属ソフトに
「おまかせモード」のようなものが付いているので楽ちんです。
スキャナーのガラス面の上に向きを合わせてセットすると、
自動的に写真の大きさを検知し、
その写真のある部分だけをキチンとスキャンしてくれます。

百数十枚の写真は、切り抜かれたりして特に形がいびつなもの以外、
すべてこのおまかせモードでスキャンしました。


印刷もすべて “おまかせ” でできないことはないのですが、
写したい対象物がごく一ヶ所に偏ったものや、
印刷した写真に余白ができても、すべての画像を入れないとおかしくなるもの、
また角度が少し斜めになっているもの等がたくさんあり、
面倒ではありますが、
すべての写真をトリミングしたり角度調整した上でプリントすることにしました。

その作業は面倒で、すべての作業が終わった時には夜が明けていたのですが、
一枚一枚どの部分を抽出してプリントすれば展示した時に映えるのか、
構図を考慮し、それに頭をひねるのは、
主題とそれを見る人との関係を考える上でとてもいい勉強になりました。


人が撮った写真を一度にたくさん見る機会を得て、
『写真を撮る時は、何を主題とするのか』、
このことをキチンと頭に置いた上で構図を決めることが大切であるということを
あらためて知りました。

人によって構図の決め方に、クセというか傾向というか、
そういうものがあるように思います。
どうしてもいろんな情報を一枚に収めたくて、
ついつい広めの構図で撮ってしまう人、
大切なものにばかり意識がいくあまり、
周りにいる人が中途半端に切れてしまう人、人それぞれです。

主題とともに背景も大切な情報です。
人の全身を写す時、足下の背景(余白)と頭上の背景、
どちらが重要で、どの程度のバランスで入れればいいのか、
そのこともよく考えなければなりません。
ただ撮りたいものを真ん中に置けばいいというわけではないのです。

インドであまり写真を撮り慣れていない人にカメラを渡すと、
まったくいらない情報が広い余白となっている写真をたくさん撮ってくれます。
あまり極端なものは保存せずに削除するのですが、
こんな感じでかなり間延びしています。
  (撮っていただけるだけで有り難いですが ・・・ )



これをトリミングするとこうなります。



インドの学校で感謝状を受け取っている嬉しい一枚です。 (^o^)v


今回スキャンした百数十枚の写真は、
そのほとんどが上の写真同様、
主題が絞り切れていないものがほとんどで、
プリント時にはかなりトリミングをして主題を浮き立たせるようにしました。
特に展示用ですので。

カメラを構え、ファインターをのぞくなり背面液晶を見て、
移りゆく一瞬の情景を最高の構図で捉え、シャッターを切るのは難しいものです。

それが難しいがゆえ、
つい無難に広めの構図で撮ってしまうのが人間の心理なのだと思います。
けれどこれでは切れ味のいい、心に残る写真を撮ることはできません。

今はカメラの露出を自分で設定して撮る人はあまりいないと思いますが、
露出を絞ると被写体深度が深くなり、つまりピントの合う範囲が広がり、
ピンぼけで失敗する危険性は減るものの、
平板で面白味のない写真になるのと同じです。


自分で撮った写真を見直してみることはとてもいい勉強になります。
なぜこの時このタイミングでシャッターを切ったのか、
その構図はどのようなバランスなのか、
よりいい構図で撮ることはできなかったのか。
深く深く見つめていけば、その中にきっと自分の生き様が表れているはずです。

『一日は一生の縮図である』
偉大な教育者である森信三先生はこのような至言を残されました。

もし自分の一生、一日を写真に例えるなら、
それはどんな一枚になるのでしょう。
構図はキチンと決まっているだろうか、
主題となるものは何なんだろう、
その主題と周りにあるものとは調和が取れているだろうか、
コントラストはどうだろう、明るすぎたり暗すぎたりしてはいないか、
傾いたり、ぶれたり、変なノイズは乗っていないだろうか、・・・。


プロではない自分には、
最高の一枚と呼べる素晴らしい写真を撮ることはなかなかできません。
けれど少しでもいい写真を撮ることができるよう努力をし、自らを振り返り、
心を込め、一枚一枚シャッターを押していきたいと思います。
それは一日の過ごし方も同様です。

デジカメはたくさんシャッターを押し、
不要なものをどんどんとデリート(削除)していくことができますが、
人生に於ける一日は、デリートすることはできないのですから。

2015.9.30 Wednesday  
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